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ロボゲー世界のMechSmith  作者: GAU
第一章 鈍色の魂持つ者の誇り
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第17話 集まった戦士達!

『こんにちわー! リムさん、いらっしゃいますか?』

 ガレージ入り口から聞こえてきた声に、リムは作業の手を止めて振りむいた。

「はーい、待ってたよアレク……君?」

 視界に入ってきた“五人”の姿に彼女は動きを止めた。

「う~ふ~ふ~♪」

「よお」

「フッ」

「やっほ~♪」

 VRゲームらしい整った顔立ちながら目立たない容貌のアレクを中心に置き、男女が左右にふたりずつ。

 いずれもリムの見知った顔だ。

「…………とてつもなく嫌な予感がするんだけど、アレク君? その四人は?」

「はい! リアノンさんに手伝ってもらって攻略任務の参加メンバーを集めてきました!」

 アレクが目を輝かせて答えると、リムは頭を抱えてうずくまった。

「……よりによってこのメンツなの……思いっきり身内じゃない……」

「……え?」

 リムの疲れたような言葉に、アレクは目を丸くした。

「リムさん、みなさんとお知り合いなんですか?」

「……知り合いってか、腐れ縁よね……」

 首をかしげながら訊ねてくるアレクに、リムは頭痛をこらえるように指でこめかみを押さえた。

「……リアノン。あなた狙ってたでしょ」

 リムはジト目でリアノンを見た。すると金髪の女性は楽しげに体をくねらせる。

「いやん♪ バレっちんぐ♪」

「……本気で楽しげなのがムカつくわ」

 リアノンの反応に、リムは拳を震わせながら怒りを堪えた。

 その様子にがっしりした体格に黒髪を刈り上げた青年が苦笑した。

「まあ良いじゃねえかリム」

「アサクラくんも乗せられないでよ……。リアは騒ぎが好きなだけなんだから」

 青年のとりなしに、リムは肩を落とした。そこへピンク髪を三つ編みにして肩から垂らしている小柄な少女が覗き込んできた。


「まあまあ落ち着いてよリム」

「……もう、ランランまで……」

「ふふふ♪ だってリターナーの連中潰せるんでしょう? わたしあいつら嫌いですし?」


 ふんわり笑いながら言うランラン……ランティーナにリムは苦笑した。

 ふわふわしたところのあるランティーナだが、その腕前は凄まじい。アサクラとふたりでトップランカー入りするかしないかのところまで来ているほどのヘビーユーザーだ。

 また、「MetallicSoul」への愛も深すぎるくらい深く、リターナーのようなシステムの粗を衝いての外道なプレイを忌み嫌う。

 それを知っているだけに、リターナーギルドの話を聞いたランランが食いつくのは必然に等しいだろうとリムは納得する。

 と、最後のひとり、金髪に長身のイケメンが前に出ながら髪を掻きあげた。「まあ、このゲームを愛するものとしてはリターナーギルドみたいな連中は許せないしね」

 格好を着けたその姿に、リムの表情がイラッとしたものになった。

「黙れドーテー」

「ど、どどど童貞ちゃうわっ?!」

 リムに毒を吐かれたイケメンが叫ぶ。

 そんな彼の様子に、リムは蔑むような目を向けた。

「……なんであんたまで来てんのよクズ夫。いらないわよ」

「つ、冷たいこと言うなよリム~。僕だってリターナーの連中は許せな……」

「……ツルペタロリっ子は?」

「最高だぜえっ!」

 リムがぼそっと呟いた言葉に、イケメンがひゃっはーっ! とばかりに拳を突き上げた。

『さいてー』

「レ、レオンさん?」

「はは……」

 その姿にリム、ランティーナ、リアノンがジト目になった。

 アレクもドン引きで二歩下がる。

 アサクラは苦笑しているが、静かに距離を取っていた。

 それに気づいたクズ夫……レオンはハッとなった。

「い、いや違うんだ。僕は紳士だ。手は出したりしない! 信じてくれっ!」

「クズね」

「クズだねい♪」

「クズねー」

「……」

「どっちみちダメだろ?」

「バカなーーっっ?!?!」

 五人の反応にレオンは突っ伏し絶叫しながら地面を叩いた。

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