表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Mermaid Blood   作者: 舞花
1/4

『物語の始まり』

「おはようございます、優奈様」


「おはよう」



私の名前は月影優奈、桜ヶ丘高校の1年生で、生徒会長を務めている。


お母さんが、この学校の理事長で創設者でもあるからか、なぜか様つきで呼ばれている。


まぁ、1番の理由は、超お金持ちが通う学校であることだと思うんだけどね。


ちなみに私はただの高校生ではないんだ。



魔法界の姫である私は、人間界に来た魔法使いなのだ。



そして私は、もうひとつの姿がある。それはマーメイドであること。


お母さんがマーメイドの姫、セイラで、お父さんは魔法使いの王、カイルである。


マーメイドも魔法は使えるのだが魔法使いの血も混ざれば魔力はそのぶん強くなる。


なんといっても、父は魔法界の王族。

母は、人魚界の王族。


陸と海の頂点に君臨する2人の子供である私は世界で唯一のマーメイドと魔法使いの混血という存在であり、もちろん魔力もとても強力で、私の体に秘める魔力は世界で1番強いといっても過言じゃないくらいなの


、と教えられて育った


私自身は、そんな自覚全くないんだけどね。



でも、混血というものは体に負担がかかるらしくて、昔から体が弱いのが欠点になってしまっている。


そして今は、魔法界にあるお父さんとお母さんの元を離れて、人間界で体を鍛えたり、自分の魔力を最大限に発揮できるように、日々努力しています。


だけど、一人で魔法界から来ている訳じゃなくて一緒に暮らしている仲間があと五人いるんだけど……



「おっはよー 優奈!」


「うわっ∑∑」


廊下を歩いていると、後ろから急に抱きつかれた私は驚いて姿勢を崩しそうになる。


なんとか姿勢を立て直したけど、危なく転ぶところだった。


「もう。急に抱きつくのは禁止っていつも言ってるじゃん!」


「ええ~、いいじゃん。ケチ~」


「ケチなんかじゃありません!」


この子は宝生沙羅。


私と一緒に暮らしていて魔法使いである仲間の内の一人なんだ。


水色の髪のロングヘアーがくるくるになっていて、とても可愛いのが印象的な女の子。




毎朝恒例のセリフを言い合っていると、


「毎朝、毎朝ホントにあんたたちよくやるわ。」


よく聞き慣れた呆れ声が聞こえ、後ろを振り向くと、緑髪でストレートの清楚な女の子が頭に手をあてて歩いてきた。



「あっ!梨華!おはよう。」


「おはよう。」


この子が二人目の魔法使い、桐山梨華。私なんかよりずっと大人っぽくて、すごく優しいんだ。


この二人はマーメイドで元々は私の召しつけ役だったけど、友達になって今は一緒に生徒会や、モデルの仕事もやっている。


「今日朝から数学じゃない?」


「確か2次関数のテス卜だよね。」


「いやーーーーー」


などという他愛もない話を三人で話しながら教室に入ると、


「おはよう。優奈」


「おはよーっす、今日も可愛いねぇ三人とも。」


「おい。毎朝そうやって三人をからかうんじゃない。」


「痛っ!」


男子三人が私達に話しかけてきた。


彼らが残りの三人の魔法使い。


銀髪の髪が眩しいくらいに輝いているいわゆる王子様キャラの玖珂零。


茶髪で、私たちに口説き文句を朝から平気で言う更科一樹。ぞくに言うチャラ男。


その一樹の頭を平手打ちしているサラサラの黒髪が如月悠真である。すっごく頭がいいんだ!


この三人は魔法界にある国、零はアース国、一樹はマイン国、悠真はキルス国のそれぞれの王子でとても強い為、私達三人を守る兼修行をするために一緒に来た。


私のお母さんに頼まれたみたい。


そして、いつでも私達を守れるようにと、芸能界にも入り、[night ☆holic]というバンドを組んで芸能活動もしている。


6人全員が芸能人なため一緒に住んでいるのは、周りには内緒。




それにしても、芸能活動や、私達を常に守るという仕事も彼らはこなしているのだから、いつも感心してしまう。


それに、一緒に暮らしているうちに零に惚れてしまっているというのが現状。


でも、零はそういうことには疎いから、全く気付く気配すらない。


たまに腹がたつくらい。


でも………


「どうした?優奈。」


「えっ?あぁ、何でもないよ。」


「そっか。良かった。疲れてるなら無茶するなよ、優奈はただでさえ体弱いんだからな。」


「うん。ありがとう。」


零は、私の頭をポンポンと叩くと、一樹たちとまた話し始めてしまった。


(もうちょっと、話したかったなぁ……。)



零は、小さい頃から私とよく遊んでくれて、いつも私に満面の笑みを見せ、やさしく気遣ってくれる。


だから、何も言えなくなってしまう。


あまりにも鈍感過ぎて怒鳴ろうかと思ったこともあったんだけど、どうしてもこの笑顔には勝てないんだ。




そんなことを考えながら生活している楽しい毎日だったが、それもすぐに終わりを告げることになることを理解するまでに時間はかからなかった。



始まりは、一本の電話


そこから、私達の運命は少しづつ動き出していくのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ