【短編版/外伝】コンサル系小学生女子、商店街のスタンプラリーを立て直す
そのポスターを見た瞬間、私は「今年も赤字だな」と思った。
《わくわく商店街スタンプラリー開催! 参加者全員にすてきな景品!》
うん。赤字だ。
「泉ちゃん、店の前でそんな顔しないでくれる?」
後ろから声をかけてきたのは、駄菓子の箱を運んでいた楓さんだった。最近この人は、私がこういう顔をしているときには、大抵ろくでもないダメ出しが始まると学習している。
「ちなみに今、どういう顔してました?」
「“見つけてしまった……”って顔」
「だいたい合ってます」
「やめてよ。うち今まさにそのイベント準備してるんだから」
私はもう一度ポスターを見上げた。
大人の胸の高さにある。1メートル40センチくらいのところ。
カラフルではある。子ども向けに頑張って作った感もある。でも、子どもはこれを見ない。
「楓さん。このポスター、誰に読ませたいんですか?」
「誰って、そりゃお客さんでしょ」
「あはは」
「あー、乾いた笑いがツラいなあ……」
私はポスターの真下まで歩いていって、指で位置を示した。
「まず高いです。子どもの目線に入ってません」
「それは泉ちゃんが小さいから…」
「はい?」
「いえ、なんでも」
「子ども向けのイベントなのに、子どもの目線の高さに情報は何もない。これ、ほぼ存在してないのと同じですよ」
楓さんが少しむっとする。でもこの人はちゃんと最後まで聴いてくれる。商店街でも人望が厚い理由がわかる。
私はポスターの横に積まれていた台紙を一枚取った。
うん、赤字だ。
参加店舗一覧、スタンプ欄、注意事項。必要な情報はある。でも、それだけだ。しかも最初に目に飛び込んでくるのが注意書きだった。小さい字がびっしり並んで、面積の半分近くを占めている。
「注意書き、多すぎません?」
「しょうがないじゃない。最近あるでしょ、コンプライアンライスってのが」
「何そのライス。サフランライスの親戚ですか」
「え」
「コンプライアンスですよね」
「あー、……そうとも言うわね」
私はため息をついた。
「必要なのはわかります。でも、子ども向けのイベントの台紙で、注意書きが面積の半分を占めてたら負けですよ」
台紙を閉じて、私は訊いた。
「ちなみにこれ、誰が最初に“行きたい”って言う想定なんですか?」
「そりゃ子どもじゃない?」
「ですよね。でも、この台紙でテンション上がらなくないですか?」
「そんなにはっきり言う?」
「うん」
「そっかぁ……」
でも本題はそこじゃない。子どもが喜ぶイベントをやって、付き添ってきた親にお金を落としてもらう。その発想自体は悪くない。悪いのは、入口の全部が大人目線なことだ。
「景品、何ですか?」
「商店街の商品券、1万円分を3名!すごいでしょ?」
「はあ」
「当たらなくても、参加賞で消しゴムがもらえるのよ」
「消しゴム」
「参加賞としては無難でしょ?」
「家にありますよ」
「消しゴムなんていくつあってもいいでしょうが」
「いや授業もタブレットなんで、あんまり減らないですよ」
「このデジタルネイティブめ……」
「ジュース一杯無料でもらえる方が嬉しいですよ」
「え、そっち?」
「すぐにもらえるご褒美の方が嬉しいですもん。やり方によっては安く済みますし」
楓さんが本気で驚いた顔になった。
「あと、抽選もずれてます」
「え、そこも?」
「むしろそこです」
私は台紙をひっくり返して裏面を見る。真っ白だ。
「子どもは景品が欲しいんじゃないです」
「じゃあ何?」
「ガラガラを回したいんです」
楓さんが、ちゃんと黙った。図星を刺したときの沈黙だった。
「商品券は悪くないです。でも、食いつくのは金額じゃなくて、“何が出るかわからないものを自分で回せる”ことです」
「……ああ」
「だから抽選は二段階にします。最初は軽い抽選。学校の放課後に来た小学生が無料のジュースに釣られてくる想定。景品はお菓子ですね。最初のスタンプを押したら誰でも回せます」
「最初から回せるんだ」
「まず一回、“当たると楽しい”を覚えさせます」
「悪い顔してる……」
私は台紙の裏面を指で叩いた。
「そのうえで、ここに上位抽選の景品ラインナップを載せます」
「上位抽選?」
「親と一緒に来て、1,000円以上の買い物をしたら回せる方です」
「1,000円以上」
「小学生のおこづかいではほぼ不可能だけど、親にとっては普段の買い物で届く金額、つまり大したことない額です」
楓さんの顔が少しずつ本気になっていく。
「景品は商品券でもいいし、ボンボンドロップシールでもいい。流行りのトレーディングカードでもいい。親には商品券、子どもには流行りのレア物。刺さる場所が違うので、両方並べた方が強いです」
「うわ」
「台紙はただのイベントの記録じゃだめなんです。家に持って帰って、子どもが親を動かす営業資料にならないと」
「なんか怖くなってきたんだけど」
「最初に軽い抽選で楽しい思いをする。家に帰って裏を見る。“これ欲しい”“あと一個で回せる”“こっちの抽選もやりたい”って親に言う。そこで初めて家の中で営業が始まります」
「商店街のイベントの話を家庭の中で……」
「はい。だからスタンプも一日で終わる前提じゃ弱いんです。最初は子どもへの刷り込みだと思わないと」
楓さんが額を押さえた。
「やばい。すごく嫌だけど、めちゃくちゃ筋が通ってる」
「ありがとうございます」
「かわいくないなぁ」
私は台紙を閉じた。子ども向けイベントなのに、子どもに届いていない。子どもが欲しいものじゃなくて、大人が配りたいものを置いている。景品の価値は見ているのに、回す体験の価値は見ていない。要するに、全部惜しいのだ。
「去年、どれくらい来たんですか?」
「台紙100枚刷って、使われたの27枚」
「赤字ですね」
「赤字だねえ……」
「チラシは?」
「掲示板とか、町内会館とか、保護者向けの回覧とか」
「届けたい相手に一枚も届いてないじゃないですか」
「厳しいなあ!」
でも事実だ。
子ども向けイベントなのに、子どもの目に入る場所にも、子どもの会話に入る言葉にもなっていない。
「親は財布を持ってます。でも、何度も言いますけど、最初に“行きたい”って言うのは子どもなんですよ」
ちょうどそのとき、通学路の方から「おかえりー」という声が聞こえた。見守りのおばちゃんが下校途中の子どもたちに手を振っている。子どもたちは立ち止まって何か喋っている。
私はその光景を見て、少しだけ笑った。
「告知方法を刷新しましょう。そのうえで、来た子が最初の一歩を踏み出せる仕組みを作る」
「最初の一歩?」
「はい。どこから回ればいいかわからない。最初の店に入るのがちょっと恥ずかしい。子どもはそこで止まります」
楓さんが通学路の方を見た。
「……まさか」
「はい。広告って、紙じゃなくてもいいんです。毎日『いってらっしゃい』って言ってくれる人の一言の方が、ポスター10枚より強いと思いませんか?」
私は通学路と商店街の店先を交互に見た。
見守りの人たち。子どもの目線の高さの告知。家に持ち帰る営業資料になる台紙。
それから――、相談されるのがうまいあのおばちゃん。
必要な駒は、もう揃っている。
「楓さん」
「なに」
「商店街、今日から占い始めましょう」
◇
「敏子さん、今日から占い師やってください」
乾物屋に入るなりそう言うと、敏子さんは私を見て、それから楓さんを見て、また私に視線を戻した。
「……泉ちゃん」
「はい」
「煮干し要るかい?」
「いいえ、占いをやってほしいんです」
「あのねえ、あたしらは商売やってんだから。“売らない”なんて商売あがったりだよ」
「商いなんだから、お客さんが“飽きない”ように新しいことやりなよ。いっつもおんなじような煮干し売ってさ」
「かわいくないねぇ」
「どう見ても美少女じゃないですか」
「じゃあ余計タチが悪いや」
敏子さんは、客の顔を見ればだいたい何に困っているかがわかる人だ。商店街では有名で、みんな何かしら相談していく。飾らない分、正直だからみんなから愛されていて、私もファンの一人だ。
「これ。今年もスタンプラリー厳しいですよね」
「まあねえ」
「子どもが来ても、最初の一歩で止まります。だから“まずここへ行ってごらん”って背中を押してあげる人が必要なんです」
「それが占い師?」
「はい」
「なんで私?」
「話しかけやすいからです」
「へえ」
「あと、顔を見たらその人が何に困っているか、わかるでしょう」
敏子さんは少し目を細めた。
「買いかぶりだねえ」
「買いかぶってません。実績を見てます」
「実績」
「さっき算数のテストの点数が悪くて落ち込んでた子に、ミカン渡してたじゃないですか」
「……ストーカー?」
「敏腕スカウトです」
敏子さんは肩をすくめた。
「まあ、あれは占いじゃないよ。ただ、なんとなくわかるだけ」
「それで十分です」
私は即答した。
「未来を言い当てなくていいんです。今の悩みに、次の行動を渡せれば十分です」
敏子さんは少し黙った。
「それ、占いっていうかねえ」
「“生活相談会”って書いたら子ども寄ってこないので」
楓さんが吹き出す。
「正直だねえ」
「敏子さんには負けますよ」
私はメモ帳を一枚破ってレジ台に置いた。
《いま、ちょっとこまってること、おしえて》
「願い事じゃなくて、“おなやみカード”です。書けなくても口で言えばいい。敏子さんは少し話を聞いて、“あのお店に行ってごらん”って返すだけでいいですから」
私は簡単な流れを書き出した。
一、おなやみカードをもらう。
二、少しだけ話を聞く。
三、最初に行く場所をひとつ伝える。
四、“いってらっしゃい”で送り出す。
「これだけです」
敏子さんは紙を見た。
「ずるいねえ」
「何がですか」
「占いって言いながら、やることは今とほとんど変わらないじゃないか」
「そうです」
敏子さんは少し考えてから言った。
「……あんたの言うとおりに行く店を伝えればいいんだね」
「はい」
「そうしたらどうなるんだい?」
「私が裏で当たるように走ります」
「そりゃまた」
「今回は勝算があるので」
「あんた、死ぬわよ」
「占い師らしくなってきたじゃないですか」
◇
商店街の真ん中に、折りたたみ机がひとつ置かれた。上には深い青の布。前には手書きで《うらない》の看板。机の上には“おなやみカード”と鉛筆が置いてある。
小学生が悩みそうなこと、商店街の店をまわって全部朝のうちに仕込んだ。あとは最初の流れだけだ。
見守りのおじちゃんが通りの向こうから手を振った。
「さっき学校帰りの子らに言っといたぞ。“乾物屋の敏ちゃんの占いがよう当たるらしい”って」
「ありがとうございます」
「3人くらい、“え、なにそれ”って」
「十分です」
30分もしないうちに、最初の子どもたちが看板の前で足を止めた。
◇
一人目は同じクラスの男の子だった。
「……次の漢字テスト、90点以上取れないとおこづかい無しって言われて」
敏子さんはすぐに“大丈夫”とは言わなかった。
「それはやだねえ」
まずは相手の気持ちに共感し、少しずつ心の距離を埋めていく、さすがの手腕だ。年季が違う。男の子が少し落ち着いてきたので、私は敏子さんに「桂田文具」と耳打ちして、走った。
しばらくして、男の子が台紙を持って桂田文具にやってきた。
「来ます。漢字テスト」
「了解」
文具屋の店主は、私が最近の授業と宿題から出題傾向を予測し、出そうな熟語を10個に絞ったものを記したメモを男の子に渡した。
「全部やれとは言わんから、ここだけ見とけ」
「なんで?」
「勘」
店主が言い切る。素晴らしい。余計な説明がない。
何の説明もなかったのがよかったのだろう。男の子は占いのとおりになったと思い、顔つきを変えた。
◇
二人目は女の子だった。カードに小さな字で書く。
《ヤマト君にチョコを渡したい》
「それは困ったねえ。うちには塩昆布しかない」
敏子さんがそう言うと、女の子の肩が少し下がった。笑われなかっただけで、少し楽になる。
「でも今月は“恋愛運”があるように見えるよ。騙されたと思ってケーキ屋の『菓子宮』さんに行ってごらん。いいアドバイスがもらえるかもしれない」
女の子が訪れた菓子宮には、すでに小さくて重くない包みが並べてある。
「これくらいなら渡しやすいよ。もし渡せなくても、自分で食べられるし」
店のおばさんがそう言うと、女の子は吹き出した。
「じゃあ、これにします」
ランドセルに、小さな包みがひとつ入る。たったそれだけで、帰るときの足取りが少し変わる。
◇
三組目は、見ない顔の子だった。今人気のピカモンカードを両手で握ったまま俯いている彼は、占いの前でじっと立ち尽くす。
しばらくして「ともだち……」と言いかけたが、尻すぼみに言葉は消えた。が、きっとこの子が転校生であろうことは、なんとなく想像がついた。
「大丈夫、とは言わないよ」
敏子さんがそう言った。打ち合わせにない返しだった。
「でも、同じものが好きな子って案外すぐ見つかるかもしれない。まずは駄菓子屋『スプーン』へ行ってごらん」
私は駄菓子屋へ走った。ピカモンカード付きのお菓子棚の前に、ちょうど同じ学年くらいの子が二人いる。サッと横を通り、棚の前のスペースを作る。これが精いっぱい。
数秒後、その子が来て、立ち止まる。店に入るのを躊躇っている様子だ。すると後ろから、ちょうど楓さんが店に帰ってきた。
「あ、それ昨日出たばっかりのパックのレアカードじゃん」
ナイスタイミング。楓さんの声掛けで菓子棚の前に居た二人が振り返る。
「え、うそ、見せて」
「すげえ」
二人の会話が先に走る。転校生の子が、棚の端のカードを見て少し前に出た。
「これ……強いの?」
その一言で、十分だった。振り向いた男の子たちは、すぐに専門家みたいな顔になった。
「かなり強いよ。このパックで当たるあれと組み合わせたらコンボがすごくて」
「でもこっちのパックの方が強いカード多いんだよなあ」
「でも金ねえよなあ」
「スタンプラリーで当てようぜ」
転校生の子も笑っている。三人目、成立。
◇
そこからは早かった。
「え、ほんとに当たるの?」
「さっき文具屋でなんかもらってた」
「チョコ選んでもらってる子いた」
話が話を呼ぶ。子どもは大人より噂が速い。机の前には、途切れない程度の列ができた。敏子さんもノリノリである。
「明日の50メートル走、やなんだよね」
「それはやだねえ。今日は“足が軽くなるコツ”に出会えるかもしれないよ。まずは靴屋さんに行ってごらん」
元陸上部の靴屋のおじさんが、靴ひもの結び方とスタートのコツを30秒で教える。
「図工で変なの作っちゃって、先生に見せたくない」
「じゃあ八百屋さん行っといで。昔もっとひどい作品つくった奴がいるよ」
「給食のピーマン、どうしてもやだ」
「それは占いじゃなくてもやだねえ」
周りの子がどっと笑う。笑いが起きると、また次が話しやすくなる。
親たちの数も目に見えて増えてきた。子どもたちの家での営業の成果だろう。子どもに付き添って入った店で、そのまま商品棚を見る。菓子屋で買い置き用の菓子を覗き、文具屋で新しい手帳を手に取る。
これでいい。親を直接狙わなくても、子どもが行きたがる場所に売り上げはついてくる。
◇
「おい! 台紙もうないぞ!」
会長の叫び声が商店街に響いた。楓さんが紙束を抱えて走ってくる。
「追加、今コピーしてる! 会長が『こんな減ると思わなかった!』って半泣きだよ」
「想定が甘いですね」
「今それ言う!?」
「言います」
その頃には、最初は半信半疑だった店主たちも勝手に工夫を始めていた。
魚屋は子ども向けにイラスト付きの値札を出し、八百屋は当たりのミニトマトにシールを貼り、文具屋は算数版の見直しメモまで作り始めている。
いい。
イベントは、現場の人間が「自分も一枚噛もう」と思い始めた瞬間に強くなる。頭の固いことで有名な眼鏡屋の店主が私の横に立った。
「……おい」
「はい」
「これ、たまたまじゃないのか」
「ここまで来ると、もうたまたまじゃないかもしれませんね」
店主はしばらく商店街の奥を見ていた。
「結局、あのおばちゃんがすごいんじゃないのか」
「そうですけど?」
「お前じゃなくて?」
「私が前に立っても、こんなふうには広がりません」
「じゃあお前は何したんだ」
「敏子さんが座る場所を作って、子どもたちが来る理由を整えて、あとはお店に流しただけです」
「それを“だけ”で言うな」
◇
夕方が近づくころには、台紙は最初の想定を大きく超えて捌けていた。店主たちは疲れていたけれど、去年のような諦めた顔はしていない。最後の親子連れがスタンプを押して去っていき、ようやく少し静かな時間が戻る。
「……疲れた」
敏子さんが椅子の背にもたれて長く息を吐いた。
「おつかれさまでした」
「泉ちゃん」
「はい」
「これ、楽しいわねえ」
私は思わず顔を上げた。
「本当ですか」
「毎日は嫌だよ」
「ですよね」
「でも、たまにならいいかもしれない」
敏子さんは机の上に残った“おなやみカード”を一枚つまんだ。書き損じたのか、途中までしか文字がない。
『す――』
“すうがく”か、“すきな子”か、あるいは全然違う何かかもしれない。書ききれなかった悩み。言いそびれた不安。でも、そういうものごと、この机の前には少し置いていける。
「結局、生活相談会になっちゃいましたね」
私がそう言うと、敏子さんは笑った。
「最初にあんたが言ったじゃないか。それで十分だって」
私は机の上のカードを揃えながら、商店街を見渡した。
魚屋の前では、片付けをしながら店主がまだ何か喋っている。駄菓子屋では、楓さんが仕入れた菓子の箱を抱えている。文具屋の店主は、自分で作った算数メモをなぜか一枚持ち帰ろうとしている。頭の固かった眼鏡屋の店主は店先で腕を組みながらも、口元が少しだけ緩んでいた。
売上は、たぶん悪くない。少なくとも赤字ではなくなっただろう。
でもいちばん大きかったのは、そこじゃない。商店街が、今だけは、子どもの悩みに返事をする場所になったこと。そしてそれが、ちゃんと人を呼んだこと。
「泉ちゃん」
敏子さんがまだ少し残っていた列の先を見て言った。
「はい」
「終わったのに、まだ来るわねえ」
小さな女の子が一人、机の前でそわそわしていた。スタンプラリーの台紙は持っていない。ただ、寄るべきか帰るべきか迷っている顔をしている。
私は笑った。
「ほら。残りますよって言った通りでしょう」
「そうだねえ」
敏子さんは椅子に座り直し、女の子に向かって手を振った。
「どうしたの。ちょっと困ってること、ある?」
私はその光景を見ながら、静かに息をついた。
その日から商店街には、なぜかよく当たると噂の占いが残った。
お読みいただきありがとうございました。
今作は『【完結済み】社畜にもなれなかった俺が、JSに転生して経営の才能が開花した件 〜駄菓子屋からはじめて100億円企業を創るまで〜』の外伝です。
もし楽しんでいただけましたら、上記作品も併せてお楽しみいただけると嬉しいです。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!




