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【三章連載中!】花びら姫の恋  作者: 師走 瑠璃
一章 番外編
41/91

オード・眞爾は見た

強盗団捕縛にてチラッと出ていた検非違使の青年視点の主人公たちの話。

追いかけっこをしている間の話も挟みます。

検非違使は日本でいう、警察のような役職です。


 オード・眞爾ましかはこの日、本格的な現場復帰に闘志を燃やしていた。


 強盗団捕縛の任務で左腕を骨折した日から、事務作業中心の業務ばかりで、正直辟易していた。

 固定具が外れても衰えた筋肉の回復とリハビリが先行し、現場の仕事は中々回って来ない。

 身体がなまる、と無駄に下半身ばかり鍛える毎日だ。

 「利き手を骨折した訳でもないのに、軟弱だな! 上将は左利きだけど、右手も利き手とおんなじように使えるって話だぜ?」とは、利き手を深く切って暫く大騒ぎしていた同期の志麻・ハングズリの弁だ。


 そんな中、あの日たまたま軍の施設の中で志麻と二人で遭遇した、やんごとなき姫君の噂が流れた。

 あの後すぐの晩餐会で警備の不備問題に巻き込まれた者達が目にした光景が、軍の中で広まるのは一瞬だった。

 上将が、笑った。

 同席した女性の言葉で。

 そんなことが晴天の霹靂のように扱われていた。

 更にそこに、第一皇子のお妃候補と名高かった公爵家出身の女性軍人二人が、噂の姫君の侍衛官へと抜擢され、彼女らへのおべっか使い達がなりを潜めた。


 とどめが武術指南でのことだ。

 オードは事務方応援として本部に詰めていたが、そこに急遽避難するように皇子自身に連れて来られたのが噂の姫君だった。

 顔はしっかり隠していたが、身なりや立ち居振る舞いはそこに居るだけで目が吸い寄せられる。

 一般の観覧席でも高位貴族達の観覧席でもない、第一皇子が自分の手元から離さないように大事に自分の側近に守らせていた。

 これはもう確定だろう、と多くの貴族達が印象付けられたはずだ。

 将来の皇妃の冠が、誰の頭上に輝くのか。

 

 その矢先のこの事件だ。

 詳細は伏せられているが、皇家への叛逆疑いでいくつかの家門が警戒対象となった。

 オードが現場復帰を果たしたここはその内の一つ、綴国つづりく侯爵家の屋敷の南東に位置する国見台の山の中腹だった。

 綴国侯爵家は第一皇子が御大将に就任するまで、長らく軍内で幅を利かせた軍系貴族の一つだ。

 実力重視と言われる軍内において、世襲のように自分達の階級、官位を扱って来た。

 その結果軍内には腐敗が蔓延り、国の治安が悪化する一因となっていた。

 腐敗の元である特権貴族達を一掃したのが今オードの斜め後方にいる第一皇子だが、それを逆恨みに思っている元軍系貴族や、その配下達は多い。

 今回の出来事はそれが噴出したかのような事件だった。


 「正門、裏門、共に確認できます。ですがそれ以上の動きがあった場合、素早く対処するには木立が邪魔です。隊を潜ませるならば別の場所か、別働隊として隊を分ける方が良いでしょう」

 「分散は考えている。ここは本部となる場所だ。隊を置く気はない」

 「では、どちらに? 潜っている窺見の話では、いくつか地下の抜け道もあるようです」

 「盗っ人を捕縛する訳ではない。堂々正門、裏門両方に配置する。その上で地下道の出口もそれぞれ固めろ」

 「抜け道すべての追跡トレースは完了に至っておりません」

 「本行動までに全て完了させろ。失敗は許さない」


 善道公爵家の薔珠大尉との会話が漏れ聞こえてくるが、第一皇子の口ぶりは静かに機械的だが厳しい。


 「綴国の当主の隠居の申し出が、幸か不幸か事態を動かしましたね」

 「平群の轍を踏みたくないのだろうが、勇み足だな。どこに隠居するつもりだったのかは知らんが。楽隠居ではなく蟄居を命じてやる」


 皇子は側近の虎・磋須木と話しながら腕のタブレットを操り、見える限りの地形を写し取っている。それが終わると、軽い操作後に誰かと通話を始めた。


 「今送ったデータを3D化し、分析しろ。明朝までに」


 それは酷ではないだろうか。

 素人のオードでも無茶な注文だとわかる。


 「明日午後の会議で使う。……煩い、寝ずに働け」


 抗議があったようだが一言で切り捨てると、皇子は一方的に通話を断ち切った。

 薔珠大尉が硬い表情で問いかける。


 「……兄ですか」

 「自称でも頭脳派だというならば、それなりの働きを見せてもらう」


 薔珠大尉の兄といえば、貴光石研究で名高い四道伯爵だろう。

 やや変人と聞くが、この皇子はそれなりに使いこなしているらしい。


 「……口応えしたようですね。……身も弁えず、ご無礼を」

 「貴官に謝罪されてもな。そんなものは不要だ。成果で示せ。戻るぞ」


 そう言いながら踵を返そうとした第一皇子は、何かに反応するように足を止めた。

 皇子の行動に不思議そうに首を傾げた薔珠大尉も、少ししてハッと周囲に目を向ける。


 「………? 精霊が……?」


 オードには一切見えない精霊が、おかしな動きでもしているのか。薔珠大尉が戸惑うように呟く。

 検非違使隊でも精霊に馴染む者達が気づき始めた頃、少し先の空間に星のように小さな光が渦を巻き出した。


 「皆、身を伏せ警戒せよ」


 薔珠大尉の鋭い声に、その場の隊員は一斉に地面に膝をつく。

 何かが起ころうとしているのか。

 精霊絡みの事件、事故は月に数度と、決して少なくはない頻度で起こる。

 人間を傷つけることはないといわれる精霊であっても、精霊使いに使役されればその限りではないからだ。


 「上将、お下がり下さい」


 側近の言葉など意に介さぬのか、それとも耳に入らないのか、皇子は微動だにせず集まってくる小さな光を食い入るように見ている。

 昼間であっても薄暗い木立の中、渦を巻いた小さな光は泡のように金色の光に膨らみ、最終的には人の形を取った。

 小柄な、女性と思われる形は光の縁取りだけを残して、すぐに光が引いていく。


 「……あ……っ? まさか……っ」


 声を上げたのは薔珠大尉か、側近か。

 光の中に見えた顔立ちに、オードは見覚えがあった。

 光が揺らめく度、水の中にいるように長い髪が揺れ、光の粒が辺りに飛ぶ。閉じていた瞳がうっすら開くと、その目は金色に光って見えるようだった。

 目の前の皇子に気づくと花が綻ぶように笑い、すぐにまた瞳は閉じられた。

 途端に体を縁取っていた光は霧散し、重力に捕らわれた身は崩れるようにその場に倒れ込む。

 それを受け止めた皇子が、数瞬後大きな大きなため息をつくのが聞こえた。


 「……一昨日帰したばかりだぞ」


 そう零した声が聞こえたが、すぐに再び警戒態勢に戻る。少し先の木立の向こうが、同じように光ったのだ。

 暫く後、勢いよく藪から何かが現れる音がして、皆が一斉にそちらに警戒態勢を取った。

 出てきたのはやはり人間だった。

 やんごとなき姫君と違うのは、まだその身に光の縁取りを纏っていることだ。

 

 「……精霊……?」


 呟いたのは薔珠大尉だった。

 そう思うのもわかる程、遠目に見ても整っているとわかる顔立ちの美丈夫だ。

 荒々しく肩で息を継ぎ皇子が受け止めた姫君に目を留めると、男性だろうと思われるその人物は安心したようにその場で力尽き、膝から崩れ落ちた。


 『っ、……ってめぇ、武尊……っ、………っ後で、ぜってぇ殴るから……っ、……逃げんな……っ』


 来訪者の言葉で何事か荒く言いながら皇子を指差し、そのままその人物は地面に倒れ伏した。

 しん、と嵐が去った後のように流れる静かな空気は、皆が起こった出来事に唖然としているからだ。

 無理もない。

 精霊事せいれいごとならばまだしも、精霊のような人物が突如顕れるなど、作戦行動中の軍人には狐につままれた冗談に思える。

 その沈黙を破ったのは皇子だった。

 受け止めたままだった姫君を慎重に抱き上げ、軽く言う。


 「来訪者だ。回収しろ」

 「……は、え? 来訪者ですか? 話に聞く訪れ方と随分違いますが」

 

 薔珠大尉が困惑して、皇子と倒れ伏している人物を何度も見比べる。


 「間違いない。………海夜の兄だ」

 「っ、……それは……」


 薔珠大尉と側近が揃って息を飲み、倒れている人物へと目を向ける。


 「……また面倒な手合いが来たな……」


 大事そうに抱えた姫君越しに、同じように倒れた人物を見て、皇子はようやく感情らしい色のついたため息をついていた。



 

 それから六日後、任務を順当にこなし現場復帰を完全に果たしたオードは、上官から押しつけられた書類仕事の提出の為に、前宮まえみやから中宮なかみやへ向かっていた。

 人の役に立ちたくて厳しい試験を突破し、検非違使という治安維持の為の部隊を希望したのに、デスクワークでは人の役に立っている実感は湧きにくい。

 オードは若干くさっていた。

 書類仕事だって大事だ、それはわかっている。

 けれど自分は、人とのやり取りの中にやりがいを見つけるタイプなのだ。

 早く提出して現場に戻ろうと何重にも重なった廊下の曲がり角を曲がり、階段を上がり、下がり、何故こんなに複雑なんだ中宮までの道のり、と内心で毒づきながらもう一度廊下を曲がった先で人とぶつかった。

 相手が羽根のように軽かった為、無駄に一ヶ月間鍛えたオードの筋肉の塊で弾き飛ばしてしまったようだ。

 こちらは全くノーダメージだが、相手は小さく声を上げて後ろにもんどりうつ。

 あ、しまった、と転ばないように思わず手を支えて更に失敗したと思った。

 怪我人だ。

 幸い怪我をしていない方の腕を支えたようだったので、内心で胸を撫で下ろした。


 「申し訳ない、前方不注意でした。お怪我はありませんか?」


 謝罪すると、薄い外套を頭から被った相手も慌てて頭を下げた。


 「はい、大丈夫です。こちらこそ、前をちゃんと見ずにぶつかってしまって申し訳ありませんでした。そちらは、どこか痛めませんでしたか?」


 高く、柔らかな女性の声だ。まだ若い。

 少女と言っても差し支えないような。


 「あなたのような細身の女性にぶつかられて痛めているようでは、軍にはいられませんのでご心配なく」

 「……軍人さん?」


 驚いたように少し声を上げた女性は、キョロキョロと辺りを見回した。


 「……あれ、ここどこかしら……」


 (えぇ?)


 その言葉にオードの方が驚く。

 自分が何処にいるかも分からずに歩いている人間が、この皇宮の中に存在するとは思わなかった。


 「ここは前宮から中宮へと続く回廊です。皆、制服を着ているでしょう?」


 行き交う人々の服装を示して呆れたように女性に教えた。

 すると女性は今初めて気づいたというように、驚いて息を飲んでいる。


 「前宮っ? いけない、そんな所まで来ちゃったの? 流石に叱られちゃう!」

 「いえ、前宮と中宮の中間です。あなたはどちらの部署の方ですか?」


 改めて見れば、この皇城の中で外套を被っている姿も怪しい。中に着込んでいるのは制服ではなく、庶民の女性達の普段着である長着ワンピース だ。


 (皇宮の中で? 何者だ?)


 「ごめんなさい、怪しい者……に見えるかもしれないけれど、怪しい者じゃないんです。めちゃくちゃに逃げてきたから、普段来ない所まで来てしまって」

 「逃げて?」

 

 庶民の服を身に纏いながら、その割に動きがやけに柔らかい。

 オードの目から見ると、それは優雅という言葉に当てはまる気がするのだが、そんな動き方が自然に身についている人物が一体何を逃げ出して来たりするのだろうか。

 ますます怪しさが増す。

 これは一応、ここで留めて身元確認をしなければならないだろう。

 そう判断して、がしりと怪我をしていない方の腕を掴むと、女性は首を傾げた。


 「……あの、手を離して頂いても?」

 「皇宮の中での振る舞いとしては、少々お転婆が過ぎる気がしますよ。この奥は国の中枢に関わる場所ですので、念の為、身元の確認をさせて頂きたい」

 「身元……え、身元?」


 どうしよう、という空気を如実に感じて怪しさが極まる。


 「検非違使隊本部まで連行します。中宮から出てきたという時点で、あなたに係る嫌疑はお気づきでしょうが」

 「……ええと、もしかしてわたし、スパイか何かと思われているのでしょうか」

 「それは、本部にて訊かせて頂きます」

 「困ります。本物のスパイは、こんな所で道に迷うような方向音痴じゃないと思うんですけど」


 言いながらもそわそわと自分の背後を気にし出した女性に、その態度こそが怪しくて語るに落ちているのに、とおかしくなる。

 確かに、こんなに素直に態度に出てしまう女性では、スパイなどは務まらないだろう。

 だが、皇宮内で怪しい行動をする人間を無視できないのは、オードが熱血で根っからの公僕だからだ。


 「あの、本当に、このままここにいると、わたし……」


 焦り出した女性のかなり遠い背後から、咎めるような声がしたのはその時だ。


 「その手を離せ」


 声が聞こえた途端、女性が鋭く息を飲んで、ぴっと肩を竦めた。そうして、恐る恐るという体で振り返り、すぐに勢いよく前を向き直す。


 「手、手を……っ、あの、ホントに……っ!」

 「おまえはそのままそこに居ろ」


 ジタバタと暴れ出した女性は、掛けられた声に青ざめながら物凄く焦っている。

 逃げてきたというのだから焦りもするだろうが、一体誰から逃げてきたというのか。

 顔を上げて声のした方を見たオードは、一瞬で敬礼をしてしまった。


 「殿下!」

 「礼はいい。手を離してその娘を留めろ」


 無表情に無茶な命令をしてこちらに追いつこうとするキアリズ皇子に、オードは焦る女性と同じように焦ってしまった。


 (手を離して留める、というのは。

 一体どういう方法で?)


 一瞬の動揺の隙をついて、女性はオードの手を振り払った。拘束が解けた途端、一目散にその場から走り出す。

 皇子が伸ばした手が、もう一歩届かなかった瞬間を、オードは目の前で見てしまった。

 掠った手の端で女性の被っていたフードがふわりと軽く落ち、柔らかな長い髪がこぼれ落ちる。


 「いい加減にしろ、海夜!」

 「……ご、ごめんなさい〜っ!」


 珍しいことこの上ない皇子の大きな声に、振り向き様に謝った女性の瞳が、回廊の窓の陽光に金色に光って見えた。

 まさか。

 今オードの目の前に居たのはやんごとなき姫君だったのか。まずい、触ってしまった。

 泡を食う気持ちで走り去る姫君を見送っていると、途中でその姿がふ、と掻き消えた。

 何事かと事態を見ていた回廊の人々含め、自分も息を飲んだ。


 (何だ、一体何事だ。なぜ突然消えたりできるんだ?)


 目を白黒させる皆の中で皇子に追いついた側近が「逃げおおせられましたか」と、姫君の立場で物を言うのを、皇子が大きく舌打ちしている。

 そうしてこちらに視線を寄越してくるものだから、泡を食う再び、である。


 「今のが何者か、わかっていても口外するな」

 「はっ。……あの、中宮から庶民服の若い女性が逃げてきた、と言う……仰るものですから、身元確認をしよ……させて頂こうと考えまして。腕を掴んでいたのは、決してやましい考えではなく」

 「わかっている。検非違使隊の者だろう。先日の任務はご苦労だった。報告書の提出を急がせろ」


 オードの制服を見て頷く皇子は、腕の階級章を見て更に何かに思い当たったようだった。


 「少尉か。名は」

 「は。検非違使隊第一小隊、オード・眞爾と申します。先だっての強盗団捕縛任務に於いても、殿下の指揮の元、学ばせて頂きました」

 「……ああ、道理で見た顔だと。あの娘に気づいていても、声を上げなかった者の内の一人か」


 無表情の仮面の下で、探るようにこちらを見る。

 オードと志麻がやんごとなき姫君を、あの軍施設内で他の者から庇っていたことに気づいていたようだ。

 何かを透かすように目を眇めると、彼はやがておもむろに口を開いた。


 「––––––––今の役目で満足か」


 (? どういう意味だ?)


 首を傾げてしまい、側近に咳払いされる。

 いけない、無礼だった。


 「口の固さはわかった。部署替えが発生しても、受け入れられるかと訊いている」


 思いがけない言葉に、ぽかんとなる。

 部署替え。

 部署替えというとつまり、軍内に於いての配属場所が変わるということか。


 「は……、はっ。検非違使のお役目は天職です! これに代わる職は中々ないだろうと考えております」

 「––––−–そうか」


 はっきりと答えると、感情のない答えが返る。


 「ですが……、ですが。自分のモットーは人の役に立つことであります。この芯さえ持ち続けられる場所であれば、どのような場所であっても誠心誠意、務められるとお答えできます」


 検非違使隊を出るこもは、オードの望む所ではない。

 けれど、縁があり求められる場所があり、そこに自分が馴染むことが出来るのならば、それはオードの知らない未来を見ることの出来る場所だろう。

 それこそが、オードの役に立ちたいモットーを刺激する人生だ。


 伝わっただろうか。

 無言でこちらを見ている皇子を見ると、ふと軽く息をついたようだった。


 「……逃げられそうもないからな」


 微かに呟かれた言葉に、内心で何のことかと首を傾げた。

 この完璧皇子が“逃げる”なんて言葉を使うとは。


 「貴官の考えは承知した。勤めに励め。縁があればまた」


 そう言って、側近を伴って中宮へと戻って行く姿を礼でもって見送る。

 またしても道に迷っていたやんごとなき姫君に遭遇するなど、中々ない縁だ。

 たまたまで遭遇するには貴重すぎる人々に、オードは息をついて緊張を解くのだった。





 それより更に十日ほど経った、午前の訓練後のある日。

 オードは皇家と軍の刻印の入った通達書を受け取った。


 年始の観閲式後、五ヵ年計画の軍の再編成が始まること、その中で皇家直属の新組織を立ち上げる為、オードにはその新組織への参加を命ずること。

 初期メンバーとして部下がつくことを想定し、階級が二つ上がり大尉となること。

 新組織の正式な発足は来年春となることから、今冬より新組織予備官として奥宮の宿舎へと詰めるように、という旨の通達書だった。

 まだ未公表の計画の為、口外を禁ずる旨が書かれた文書の一番下に、御大将としての第一皇子の直筆のサインがある。

 それに感動したというのに、その更に下には、“人の役に立つことに、変わりはない場所だ”と手書きの一文が添えられていた。



 年始の観閲式を待つことなく、オードはその後新組織の為の奥宮の宿舎へと、いそいそと移動したのだった。



お読みいただきありがとうございます♪


ブックマーク等大変嬉しいです。

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