時間的・才覚的乏しさのある創作者が【小説家になろう】における執筆作業が私生活・社会生活にとって重荷となることを防止し、かつ【なろう】そのものに対して有用ならしめんとする方法についての私案
ネット上がクリエイター激戦区となって久しい。
2019年発表の日本におけるインターネット広告費は、テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)の1兆8,612億円を超え、遂に一家に一台と言われた金字塔TVを追い抜き、2兆1,048億円となった。
今後、本・芝居・音楽・映画といったカルチャーの優秀な創作者はインターネット上に流れてくることであろう事は容易に想像でき、事実多くの著名人がネット上に参戦している。
そこで考えるべきはTVとインターネットにおける収益の獲得方法だ。
TVの場合、〝家にテレビがなくても受信料は払え〟という某国営放送を除き、多くは巨大企業をスポンサーにつけ、高い視聴率を取ることが収益となっていた。
しかしネットは違う。決まった時間に決まった番組が流されるものではなく、視聴者が視聴したいものを選ぶシステムであり、広告は勝手にAIが判断し付いてくる。
もちろん〝数字を取らなければならない〟という残酷な現実に変わりはないが、《誰かの人生において有限かつ貴重である〝時間〟を確実に獲得しなければならない》という、ブラック営業職も真っ青な過酷極まる業務を強いられる。
日本には貧富の差はあるが、誰にだって24時間という決まった財産は与えられる。現在ネット上は《時間》の奪い合いとなっており、その競争は今後更に激化するだろう。
そういう意味で現在の【小説家になろう】のランキングは実に理にかなっている。タイトルを見ればどのような物語かすぐにわかる。見たいシーンはサブタイトルが教えてくれる。☆☆☆☆☆を★★★★★に!と、娯楽を提供してくれた作者へのお礼をどうすればいいかも丁寧に教えてくれている。
その気になれば5分もせず見たい部分だけ読破できる、実に自利々他の関係だ。
【誰にだって24時間という決まった財産は与えられる。】と先ほどわたしは述べたが、その24時間を誰しもが自由に使えるわけではない。
仕事に追われる社会人や、学業や部活動に忙しい学生なら確保できてせいぜい4~5時間。俗に【社畜】と呼ばれる多忙な人間ならば移動時間にスマホを見る時間込みでも1~2時間だろう。
そういう意味では今後標的にすべきは、大金持ちならぬ〝大時間持ち〟だ。幸いなことに現在日本社会は件の流行り病で失業者や仕事時間短縮者で溢れかえっている。〝大時間持ち〟のたたき売り中だ。
しかしYoutubeをはじめとし、ネット上は娯楽が飽和しており、なおかつ優秀な創作者が跳梁跋扈している現状にある。【小説家になろう】というサイトも大手の小説投稿サイトとして未だ人気の衰えはないが、『まるでなろう系小説』という言葉が悪口といった風潮もある。
だが、時間の奪い合いとなった現状、風潮とは風評と言い換えることもできる。少なくとも【小説化になろう】にアクセスし、あまつさえアカウントまで持っている人間は【小説化になろう】が好きだから来ているのだ。
ならば【なろう系】大いに結構ではないか。どうしても見て欲しい、それでも見てもらえない嫉妬に苦しみながらタイトルを工夫したり、あらすじを工夫したり、サブタイトルを工夫したり、流行を追う創作者も多いだろう。
だがそんな必要などない。上位ランキングに入っているタイトルの単語を紙に書いてランダムに並べ替え、それっぽいものを作ればいい。あらすじも物語の内容も同じだ。単語帳にして、ランダムに混ぜ、ピンときたものを書けばいい。それが面倒ならば追放後の主人公に「あああああああ!」とずっと200文字叫ばせておけ。
キャラの名前?どうせ誰も覚えていないから目についた〝勇者カーテン〟とかにしておけばいい。
それをめげずに何度も何度も続ければいずれバズるだろう。そうすれば『自分が本当に見て欲しい小説』にも少なからず人がやってくる。そうなれば埋もれていた良作だって発見され、本当の意味で【小説家になろう】という名前通り、このサイトも活性化する。
何度も言うように今は《時間の奪い合い》だ。今、こうしている間もライバル達は貴重な誰かの時間を取り合っている。躊躇することはない。兎に角物語とは、見てもらわないと話にもならない。
……なお、このエッセイはパロディであり、元ネタが何かわからなく途中まで本気にしていた人間は、くれぐれも情報商材などの詐欺に遭わないよう気を付けてくれ。上記を実行したところで何もおこらない、【簡単に作れそうなテンプレ】というのは予想以上に難しいし、読んでもらうには想像力と文章力は不可欠だ。