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お節介焼きの万屋・タイチ  作者: 花畑
遊郭の”迷い人”
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狂気の沙汰

「このままのペースだと、目標の身請け代まで間に合わないんじゃないですか? タイチさん。もっと高レートの雀卓(テーブル)に行かないんですか?」


 初日を除き、開店から閉店まで低レートに居座り、喰い荒らし、一般客が居なくなったら、少し高いレートに移動するのを繰り返して三日。

 基本的に低レートにしか座らない俺に、リウが当然の疑問を投げかけてくる。


「普通の稼ぎ方でも間に合うか分からない金額だ。俺の方法は、()()()()()の典型的な方法」


 ()()()()()()()妓女(ジーニュ)、ジィェンの身請けの相場は大金貨百枚(俺の世界で、約一億円)。

 基本的に客同士の奪い合いの”麻雀”では、雀卓が埋まらなければ≪千点・大銅貨一枚≫といった低レートですら開催されない。

 高レートで暴れたら、たちまち低レートしか埋まらない結果になって目標まで届かないだろう。


「あの賭博場()は”麻雀”が主体。雀卓も全て、()()()。俺の世界より、購入と管理維持に多大な金が掛かっているだろうな。そんな所に、低レートから喰い荒らし、高レートに上がってくる客が居たら……()()()()()()()?」


「タイチ様に喰い荒らされて、この前なんか≪千点・大銅貨一枚≫(低レート)は最初から誰も居なかったし、高レートも怖がってか、少なかったね。店としては新規、初心者が経験を積んで、高レートに来ない。高レートの客も来なくなってきて困るね」


 実力に見合うレートで遊ばず、執拗に賭場を荒らす俺に、店側がする行為は大きく分類して()()



「予想では、今日くらいに喰いついてくると思うぞ。俺の思惑()に」



 ーーーーーー



「ほっほっほ。……さっそくですが、()()()()()を聞かせていただけますかな?」


 初日に俺に付いた爺さんが、俺の仕掛けた罠に、()()()()()()()喰いついた。

 俺の周りを【仙術(シィェンシュ)】抑止の腕輪を付けているとはいえ、屈強な男達で取り囲み、有無を言わせない雰囲気。



「≪千点・大金貨一枚≫の高レートで遊びたい。もっとも、大金貨を25枚なんて大金は持っていないからな。()()してくれると、助かる」


 爺さんが指で合図をすると、恐る恐る、(ぼん)に載せた大金貨二十五枚が、給仕の女性から運ばれてくる。


()()()()()()。そして、望みの雀卓に御案内いたします。……こちらへ」


 俺達以外、誰も居なくなった”麻雀”の賭博部屋を抜け、さらに奥へと、誘われるまま進む……。




 ーーーーーー

 ーーーーー

 ーーーー

 ーーー


 ーー


 ー




 ちょっとした会議場のような広さの場所の中央に雀卓が一つ、ポツンと置かれていた。

 事実、このマフィア(元締め)の会合で使われる部屋なのだろう、家紋らしき旗が堂々と飾られている。



 俺のために空けられていただろう席の、飲み物や灰皿を置くための小さな台に、給仕の女性が俺の軍資金を置く。


「ほう!? ≪千点・大金貨一枚≫か。豪気というか命知らずというか。よほど、金が必要だと見える」


 俺の席の右隣に座る長髪の壮年のがっしりとした男が、種類と枚数からレートを判断して驚く。

 どことなく俺の出会った傭兵特級の”(フェイ)(ラン)”と似ていた。



「…………」


 俺の席の対面に座るクマかゴリラかと、見紛うほどの大男は無口なのか一言も喋らない。



「ほっほっほ。では、楽しい楽しい遊戯を始めますかな」


 俺の席の左隣には初日でも手合わせをして、()()()()()()()、手強いと思った爺さんが座る。

 俺を取り囲んでいた男達が居なくなり、周囲の目が減ったことで純粋に”麻雀”を楽しもうという表情が出ていた。




 賭場荒らしに対しては、大きく二つの対抗手段が取られる。


 ”叩き潰す”か”制裁”か。



 暴力的な解決手段で、今までの損害の回収と二度と来ないようにする”制裁”。


 これは俺が”精霊(ジンリン)憑き”の勇者、世話になっているツァンが”(グゥイ)”の混血の武闘派なので、損害が大きく、下手をしたら壊滅してしまうので除外。

 唯一の懸念、不在時の店の焼き討ちを防ぐために今回は、ツァンを留守番させている。



 今回、取られたのは、()()()()()()()()のは、俺の提示する土俵で完膚なきまでに”叩き潰す”。


 そのために用意された雀卓は、全自動ではなく”手動(手積み)”。

 積み込み、すり替え、ガン牌、ありとあらゆる不正(イカサマ)を解禁してきた証。



 基本的に客同士で奪い合う”麻雀”で、店側の収入は主に”三つ”。


 いわゆる、”場代・席代”と言われる参加費、”飲食”などの営業収入。

 そして、”打ち子・雀ボーイ”と呼ばれる従業員(スタッフ)勝ち負けの結果(収入)


 従業員の格好をしている爺さんと違い、相手の二人は目立たないながらも高レートで、()()()()をしながら勝ち越していたのを覚えている。




 客同士の奪い合いでは、短期間での収益に限界が有る。


 俺は”賭場荒らし”によって、胴元()との勝負に持ち込んだのだ!




 ーーーーーー



「3対1なので、こっちからルールを色々と決めさせてもらうぞ。それくらい良いだろう?」


 着順による加点無し、破産(とび)終了無し、イカサマ・チョンボは満貫払いで流局の判断は、その時の()の判断。

 色々と決めて、最後の大事な取り決め___




 ___ラス親が、俺になるように始めること!!!





 勝てば”自由”、負ければ”借金地獄”!!



 楽しい楽しい遊戯(ゲーム)の始まりだ!!!







次回も『近代麻雀』で、やれ! な内容です。


二章は、平日午後二時、土日祝日午前六時に投稿します。

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