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お節介焼きの万屋・タイチ  作者: 花畑
狂乱の”極真武”
125/128

”武器”決勝~祝砲~

「トウコツはんは、2人掛かりの方が嬉しいやろけど。シロちゃんは、キュウキちゃんには控えてもろたほうが()えけどなぁ」


 大会中に出来た”借り”を返さんと、特級妖魔(ヤオモ)九尾(ジゥウェイ)”のシロが飄々と告げる。



 __『この”現身(シィェンシェン)”が女の姿なのはナ。ウチとの戦いに敗れた者達が、()()()()をするからだ。見所のあるヤツなら、再戦のために強くなってくるからナ』


「もし、キュウキが出張るなら、ウチも()()()()()()。昨日の今日で弱体化したままのコントンだけを相手なら、この場に居るヤツ等だけで充分だロ!」


 戦いを楽しむために出来うる限り、相手に合わせて弱体化した状態でいることを常とするトウコツが、”四凶”(同類)が全力で来るなら来いと息巻く。

 むしろ、全力で来れないコントンよりもキュウキが参戦してくれた方が嬉しいといった様子であった。






「今、タイチ()()を殺すと言ったのはコントン(貴方)ですか? ”殺す”と言ったからには、”殺される”覚悟が有るんですよね?」


 鬼気迫る標準語で、まさに”(グゥイ)”の殺気を放ちながら笑顔のツァンが襲い掛からんとしていた。






「女性は怖いですね。……と言いたいところですが、私もタイチ師父(シーフー)を亡き者にすると言われるのであれば、怒りますよ!」


 大会では、”極真武(ジーヂェンウー)”では、あまり良いところの無かったフェイ・ランが欝憤を晴らすかのように奮起する。











「コンちゃん、大丈夫? コッちゃんと”九尾”の女狐。”鬼”と”万能(ワンノン)”。弱体化したままならキツイっしょ? ()()()()()手伝うよ?」


「貴女が素直に手を貸すとは思えませんね。貸し借りは作りたくないので____()()()()粘ってみます」


 我、関せずを貫くキュウキを置き去りに、コントンが抵抗するために四人の前に躍り出る!






 ーーーーーー

 ーーーーー

 ーーーー

 ーーー


 ーー


 ー






「ぶべっ!!? コラ! 少しは手伝え!? ”幻惑”の女狐!!!」


「嫌やで~~。シロちゃんが頼まれたんわ、()()()やん? 苦戦しとんなら、トウコツはんが()()を出せば()えやんか!」


 コントンの【神技(シェンジー)】、”属性”のダメージを相手にも負わせる【呉越同舟(ウーユェトンヂョウ)】。

 それを警戒したため、”属性”無しでも攻撃が通るであろうメンツが集められている。

 しかし、ことごとく有効打を与えることなく返り討ちに遭い、地べたに転がされ、まともに触ることさえ出来ずにいた。






「”(まぼろし)”で逃げられぬようにして、”属性”を使わずに私を追い詰めようと考えているようですが、無駄ですよ! 肉弾戦、近接戦で私に触れられるものなら、やって御覧なさい!!!」


 コントンの【狂化(クゥァンファ)】は、任意の”青龍(方向)”へ”朱雀(暴走)”させる【仙術(シィェンシュ)】。

 攻撃の照準を()()()、体幹を()()|せ、思考を()()()()()




 __『”奥義”は、咄嗟(とっさ)に出るくらい()()()()()()()()ために反復しても良いが。”禁じ手”は覚えるだけにしておけ』


 技術とは、技能とは、見るだけでも覚えることが出来る。

 タイチという手本を見てきた天才達が、【武道】を使え始めていることは確かなことで、その威力は”属性”を用いなくてもコントンにダメージを与えるには充分であった。




 そう___


「ツァンちゃん____パーーンチ!!!」


「アッハッハッハ! 何処を狙っておいでですか!?」


 ___()()()()、の話なのだ。




「ここまで手応えを感じない相手は初めてです」


 タイチの【武道】に一番長く触れ、見てきたフェイ・ランですらコントンに有効打を与えられずにいた。

 ()()()()特級妖魔(ヤオモ)ですら粉砕するツァンの攻撃も、フェイ・ランの華麗な攻撃も、()()()()()行動している。

 タイチのように身体に覚えさせ、無意識下でも咄嗟に行動できるように、身体に覚えさせる程の反復練習が出来ていない。




 ()()()()()覚えられる程の天才であるがゆえに、思考から行動へのタイムラグが発生していた。

 そして、そのタイムラグにコントンの【狂化】が挟み込まれ、全てが明後日の方向へと導かれているのだ。






「すご~~い! コンちゃん、普通に勝てるんじゃない?」


 手伝わないと言ったが、別に負けて欲しい訳でも無いキュウキが”四凶”(同類)の勝利の兆しに目を丸くする。











「ほ~~い。ほな! ()()()()って、ことで()えね?」











 ーーーーーー






 突如として、通り過ぎた凄まじい”(いかずち)”の閃光!




 遠く、”極真武”の会場からの”雷”の【神技(シェンジー)】の輝き。






 __『タイチ様! 実は【神技】の仙力は2級の仙石で物足りなくて、1級で少し過剰、特級は充分過ぎる程に過剰なんだよ!!!』


「クッソォ~~!! 間に合わなかったゾ!!!」


「間に合いませんでしたか、仕方ないですね。タイチ師父(シーフー)の”お節介”を受け入れますか……」


 要らぬ”援護(お節介)”が来るまでに、自分達で決着を付けたかったトウコツ達が悔しがっていた。

 神を穿つ”雷”の【神技】が通り過ぎ、戦況は終結しようとしていた。






 __『()()()()()()()()()()()()()()()()


「コレでも死なないか……。距離も有る、【狂化】と【忘却(ワンチュェ)】で照準も合わせにくい。こんなもんだな……」


 シロが作った照準である【狐火(フーフォ)】に向かって、【神穿雷(シェンチュァンレイ)】を放ったタイチが、手応えが少なかったことに悔しがっていた。

 ”特級”の中でも悪神(トウコツ)の影響を受けた刑天(シンティェン)仙石(シィェンシー)には、()()()()()()させるだけの仙力(シィェンリー)が内包されている。











「仕方ありません、キュウキ! これは”借り”です!! 逃げるのを()()()()()()()()!!!」


「お~~!? シロちゃんの足止め(照準)が下手やったのを考えても、アレ喰ろうても元気やな~~」


 少しズレたとはいえ、顔面への【神穿雷】を受け、()()()()を焼失した状態でもコントンは滅んでいなかった。

 囲まれた状況、タイチからの()()()()()、悪足掻きはココまでと潔く判断したのだ。












 ーーーーーー

 ーーーーー

 ーーーー

 ーーー


 ーー


 ー






 ーーーーーー






「どういうことで、やがりますか……。タイチ、何したでごぜーますですか!?」


 突如として空へと放たれた”雷”に、ニーナを初めとした観客達が困惑を隠せないでいた。




「……五月蝿い邪魔者(ハエ)を追い払っただけだ」


 コントンとキュウキ、悪神達の本気の逃走を確認し、脅威が去ったことをタイチは確信する。
















「さあ、決着を付けよう(勝ち名乗りを受けよう)。ニーナ・ワンフィールド」


 こうして、”武器”決勝が幕を閉じようとしていた。







未だに”武器”決勝とタイトルに付けてるのは、試合が終わっていないからです

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