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君が教えてくれた僕の生きた証  作者: 涼夜 融己
3/7

友達になってくれませんか?

 幼い頃、本当に物心もつかないような幼い頃

僕の父親が居なくなった。それも家からじゃなく、この世から

今僕は、その道を淡々と歩いている。そして、

僕に用意されていた道は、あまりに短くて早いものだった。

自殺のニュースをよく見る。今朝も見た。

僕には、可哀想だなんて思う余裕もない。むしろ自分から捨てるなら

僕に恵んでよ。こっちは、まだ生きていたいんだよ。お願いだよ。

と、(いきどお)りを感じてしまう。

そして、そんなことを考えていると母親から電話がかかってきた。

おそらく余命のことだろう。裏庭に移動して、電話が終るところまではよかった。

でも、いいままでは、終わらなかった。男の子に聞かれてしまった。

僕のどうしても隠していたい秘密を。とても重要で知られたくない事を

男の子は、一瞬考えて書類を僕に手渡すと同時にこう言い放った。

「俺は、何も聞かなかった。でも、頑張れよ。」

矛盾した意見を指摘しようと思ったけれど、目に溜まる熱い物に気付いてやめる。

初めてだった。頑張れって言われたの。

他の人達は、もう諦めてるから頑張れなんていわなかった。

僕は、いつのまにかこんな事を口に出していた。

 「僕と、友達になってくれませんか?」

すると、彼はにっこりして、いいよと返事をしてくれた。

それが嬉しくて堪らなくて目にあった熱いものは、

いつのまにか、溢れ出していた。これが、

僕たちが初めて友達という関わりをもった日だった。


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