4、そこは信じてお前に任せる(敵です)
三好編です。
〜三好・斎藤連合軍本陣〜
「くそっ!雑賀からの返事はまだか!?」
「はっ!未だ雑賀からの返事は届いておりませぬ」
「政康、ならば我らだけで本圀寺を襲うぞ」
「だが、龍興……!」
「政康、落ち着け。ここは龍興殿の言う通りにすべきだ。幸い、信長はすでに美濃へ向かったと言う情報が来ている」
「康長様!しかし!」
「政康!落ち着け!」
「長逸殿……」
三好三人衆。
三好長逸と三好政康、岩成友通の三人のことを指す。
「伝令!雑賀より文が参りました!」
「おお、来たか!さて内容は……?」
『ども。雑賀衆代表です(雑賀孫一とは言っていない)。うちの軍師が何か小笠原信定が危険っぽいってことで知らせに来ました。あ、後、味方につくかどうかは決めてないんでそこんとこヨロシク』(現代語訳)
「……クソがぁ!!雑賀め!」
「な、何があったんでしょうか!?」
「っ!……いたのか、友通」
「は、はい。今来たばかりでございますっ!」
「そうか……」
「で、どうだった?」
「これを読んでくれ!」
「……ちっ!雑賀はこっちに味方するつもりがないのは解りやすいな」
「ああ、そうだ!なら、もう攻めようぜ?」
「待て。まだ織田は美濃についていない。それにこの豪雪だ。美濃に着けばこっちまで来るのは危険だろう」
「なら、待てってことか」
「ああ。そうだ」
「……わかったよ。長逸」
「その前に、これはどう言うことだ?」
そう言って長逸は手紙の一つの部分を指した。
「小笠原信定の謀反か……」
「軍師、と言うことが書いてあることってことは」
「十中八九、策だろうな」
「……念のため、小笠原を呼ぶか」
「そうですねっ!……って康長様!いつの間に!」
「いちいちうるさいな、友通」
「っ!すみません!康長様!」
「儂を……呼んだかぁ?」
(うわぁ。こいつ、めんどくさそう)
「龍興さん?どうされたんですか?」
「いや、なんでもない」
「儂は……どうなる?」
「働けば、別にどうでも良い。そこに関しては信じてお前に任せる」
「そうかぁ……。そうできればいいけどねぇ」
気味の悪い笑みを浮かべて信定は去って行った。
後に本圀寺の変と呼ばれることになる戦の始まりは、もうすぐそこに迫っている。
重秀(孫一)が出ないのは、忘れてるからじゃないんだよ?
孫一特集組もうかと思ってるんだよ?
・・・本当、だよ?