2、対織田・三好対策(無気力)
「はぁぁぁ……別にいいんだけどさ」
俺は、結構イライラしていた。
それは仕方ないだろう。
「なんで、俺に策を求めるの!?自分で考えろよ!!」
「脳筋集団にそれを言わなくても」
「本願寺を守る為とはいえ、金はもらえよ」
「浄土真宗信者にそれを言うなよ」
ツッコミを入れていく高秀。
「まあ、仕方ないことは知ってるよ。でもさー、金がないと戦えないしよー。」
「前からの活動で賄えるだろ」
「ですよねー」
ツッコミのキレも一流のようだ。
「取り敢えず考えましたよー。長宗我部家と三好家、織田家、さらに毛利家にそれぞれ密使を送りまーす」
「どういうことですか?」
「まず、長宗我部には三好攻めを行うことを伝えまーす」
「そして、長宗我部に三好の背中をついてもらい……」
「困惑した隙に三好を討ちまーす」
「おお!」
「次に三好への密使ですがー、元々三好についていた我らだからこそ出来ることをやりまーす。それは、三好を混乱に陥れることでーす」
「どうするので?」
「三好の中の数人が、織田への謀反を考えていると言うことでーす。信用問題に発展するから、三好三人衆はあの性格なのでー、絶対追放か首切りですねー。そーすると、武力と言うかが少しでも減るので戦い易くなりまーす。」
「んで、結果三好攻めがラクになる。」
「織田には、三好の行動を教えるよー」
「織田からの危険がなくなり、信頼を勝ち得られる」
「そそ。そーゆーこと。やっぱり湊は察しがいいね」
「三崎にはこんくらいできないとついてけねーかんな」
「ま、そうすることでいずれ織田と敵対するだろう本願寺への攻めることへの対策になる上、もし、攻めてきたときの対策が練れるからねー」
「!」
「後々織田とぶつかるだろうから、そんときの対策が練られるのは結構利点ですからねー」
織田は事実その後、天下に手が届くところまで来て本願寺や雑賀と対立。
本願寺は攻め切ったが、雑賀衆は倒しきれずに羽柴に引き継いだ。
「最後に送る毛利は、織田と戦わせる」
「!?」
「織田の兵力を削ぎ落とすために、必要な事だな」
「だがな」
「織田との同盟は仮初めのものだ。それに裏切りは普通の事……だろ?」
「ああ。そーゆーこと」
「だが、どうやって毛利に送る?安芸は遠いぞ?」
「岡殿。安芸には人づてがある。それに、織田とは表面上とはいえ同盟を組むことになる。ここで裏切ったら織田家の信用が地に堕ちる。ここで信用を下げる必要性はないからな」
「なるほど」
これが最後の計。
毛利が動くとなると、織田も三好だけに兵を割くことはできないだろう。
「・・・長宗我部と毛利に恩を売っておこう。いずれ織田と戦うときの後ろ盾にしたいからな」
三崎がそんな小さな呟きを漏らしたのは誰も知らなかった。