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傭兵達の下剋上  作者: 羽賀唯人
3章 大阪湾の戦い
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30、大阪湾の戦い(完全なる人任せ)

お久しぶりです。

更新が遅れて申し訳ございませんでした。

「はぁ……、なんでこんな混沌とした状況に……?」


 毛利・村上・雑賀水軍と織田の九鬼水軍が衝突した大阪湾。

 見た感じでは、織田の方が兵力は多いように見える。だが、兵の寡多は戦の勝利には関係ない。戦況はこちらが有利だった。


 そう、()()()のだ。雑賀水軍(こっち)の一つの部隊が、小早川隆景(こばやかわたかかげ)のいうことを無視して抜け駆けして攻撃を開始。それを待っていたかのように九鬼水軍も反撃を開始してその部隊を一瞬にして殲滅。それを見ていた俺ら雑賀衆も震え上がってなかなか手が出せなくなった。本圀寺の時に使ったやつは()()()()()()を防ぐ為らしくて使わせてくれない。非道い。


 それは置いておいて、こちらの総大将の隆景さんと村上武吉(むらかみたけよし)はこの行動のおかげで悩んでいた。俺は三崎殿のように策なんかポンポン出てこないから少しそこの策に関しては完全に従うことに決めた。その読みが外れていても、策がわかる人なら臨機応変に対応できることがわかっているからだ。


「……こちらと向こうの兵力差は大体1.5倍ほど。ならば……」

「おーい、小早川さんー」

「……だが、相手は攻めに勝る織田……」

「話したいことがあるんですけどー」

「……無理に攻めたら練度の差で負ける可能性が……」

「おーい」

「……うわぁっ!?」

「やっと気づきましたか」

「……誰?」

「雑賀の土橋守重です」

「……ああ、雑賀の方ですか。……で、何しに来たんでしょうか?」

「指示を仰ごうと思いまして。我々は、策なんかでてこない。三崎殿が雑賀に来るまで力押しだけでしたから」

「……そうか、そういえばこちらには、三好を退けた雑賀がいる……」

「あのー?」

「……向こうを誘い出してください。そして、我々が到着するまで耐えてください。そのあとは、こちらに任せてください」

「わかりました!」


 隆景さんから指示を受けた私は、すぐに陣に戻った。戦を待つ彼ら達に陣触れをし、陣立ては魚鱗の陣となった。海戦に関しては、紀伊熊野本宮の宮司で、熊野水軍を率いる男、堀内氏善から学んでいたし、雑賀として海戦は行なっているが、私個人は初めての海戦だ。正直言ってものすごく緊張している。しかしまあ、私が率いる雑賀の軍は全くもって信頼におけ……るのか?だって三崎殿が来る前は雑賀荘・十ヶ郷・中郷・南郷・宮郷と五つくらいに分けられていたんですが、同じ傭兵で、同じ鉄砲使い同士、我々が紀伊守護畠山氏に対して武力蜂起する前に結託し、当時の雑賀孫一、つまり鈴木重意様を中心として、雑賀荘を重秀、十ヶ郷を宮本兵部殿、中郷を岡吉正殿、南郷を私、宮郷を三崎殿と湊殿が二人で治める事になったんですよ。まあ、今の雑賀荘は、重秀の弟、鈴木重朝が治めていますが。


 そして、なぜ信頼におけるかどうかわからないのは、私が治めている南郷ですが、他より攻撃的な人物が多いんですよ。言うなれば、宮本殿が増えた感じ……?それに、南郷を治めている私に対してもものすごい剣幕で迫ってくる。主に戦の時に戦えない時。まあ、戦になると真っ先に飛び出して大体戦果をあげるから本当に頼りになるんだけど。少し自重して欲しいなんて思ったりもします。はい。


◇   ◇   ◇


「さあ、聞け!眼前にあるは織田の手勢!先ほどは我々の一軍が倒されてしまったが、この魚鱗の陣を持てば勝ちは容易い!さあ、南郷の武辺者達よ!織田を蹴散らせ!進めぇ!!」

「「「おおおおおおおおぉぉぉぉ!!!」」」


 陣太鼓が鳴り響き、鬨の声が辺りに響く。乗っている船はゆっくりと進み始めた。私の手勢はおよそ1000いるかいないか程度。織田は7000くらいいるだろう。7倍の敵か……()()()。……っとここまで話していると、敵船団に近づいて来た。


「鉄砲備、打ち方用意!」

「放て!」


 敵はこの距離から撃たれるとは思っていなかっただろう。織田の鉄砲や火薬を作るのは国友衆といったはずだが、そことは火薬の調合が少し違う。この距離からなら国友の火薬では届かないが、我ら雑賀の火薬では届く。


「くそっ、近寄りすぎるな!少し離れろ!」

「撃ったならば弾込め、そしてそのまま打ち続けろ!」


 雑賀による蹂躙が続くも、敵も黙ってはいない。圧倒的な数を武器に、距離的に命中はしないまでも、鉄砲で船を狙ってくる。船の転覆を狙っているのだろう。そうすれば、船に乗っている将兵を一網打尽にできるからだ。


 しかし、そこで終わりではない。


「お前ら、一気に片付けんぞ!」

「……今」


 小早川・村上の援軍だった。

次回の更新も未定です。

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