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傭兵達の下剋上  作者: 羽賀唯人
3章 大阪湾の戦い
30/35

26、父を思う子の気持ち(牢の中です)

少し震えている彼女を見て、少しおかしくて笑ってしまった。


「さて、いくつか質問をするから答えてくれるか?」

そういうと、ものすごい勢い首を振る彼女。

……アホの子なのか?この子。竹中の娘は、アホの子ってことか?それってやばくない?


「まず、お前は竹中の娘でいいのか?」

「はい。私は竹中重治が娘、竹中治でつっ!」


噛んだ。つーかめちゃくちゃ顔が赤くなってるよ。

大丈夫かね、この娘。いつかなんか人に騙されそうだけどな。


「はぁ、次だ。お前は、雑賀を舐めていたのか?」

「っ……!」


治の表情が曇る。


「言い方を変えよう。お前は雑賀衆をお前の策で倒せると思っていたのか?」

すると、佐武くんが声を荒げる。

「お待ちくだされ、三崎様!彼女はまだ少女にございまする!その質問は酷にございまするよ!」

「そう怒るな、佐武。よく考えろ。この娘の立てた策と我らは戦っていたのだ。これを舐められていると言わないなら何を舐められるというんだ!!」

「っ……!……失礼しました」

「はぁ……。で、どうなんだ?」

「っ、すみません……、正直に言って舐めていました……」

「そうか……、そうだよな。孫市がいないうちはこっちはお前らからすれば雑魚だよなぁ」

「そっ、そんなことはありません!」

「そうか。ならば何故重治殿はお前の策を選んだ?」

「っ……!」

「重治も、お前の策でいけると判断したからだ。お前程度の策で、な」

「父上を……」


いきなり震え始めた治のおかげで、やりすぎた、ということがよくわかった。

「どうした?」

「父上を莫迦にしないでください!」

「莫迦にしている、そうか。莫迦にしているように聞こえるのか」

「その通りです!」


泣き始めた彼女は、怒っていた。それだけ自分の父を尊敬していたんだろう。

「ははっ、すまねぇな。少しやりすぎた。この通り、謝ろう」


俺は平服する。

「すみません……、少し、一人にさせてください……」
















そうして夜が開けると、


「では、私たちは戻ります。ありがとうございました」


二人は雑賀からの供を連れて帰って行ったのだった。

しかしその供はすでに三好の調略を受けているのを、俺はまだ知らなかった。

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