22、北近江の若梟(義理と人情の板挟み)
「どうする……?」
「織田が我々の盟友である朝倉を攻めたとあれば……」
「織田め!盟を破るなど笑止千万!織田との盟約を反故にして織田を攻めるべきだ!」
「しかし、織田との盟約を破ったとあれば、我々は織田の多くの兵に攻められまする!」
「だが、先に盟約を破ったのはあちらであろう!」
「そうじゃ!」
荒れる近江国、小谷城。
それもそのはず。盟友だった織田信長が、突如反旗を翻して朝倉家を攻めたのだった。
朝倉は浅井の盟友。それを攻めるのはやめろと言ったが、信長は攻めてしまったのである。
そして、その荒れた小谷城の評定の間に浅井家前当主の浅井久政が入って来た。
「どうした?」
「久政様!織田信長が我らとの盟約を破り、朝倉を攻めて来ました!」
「なんだと?それはいけないことだな。今すぐ我らは朝倉に味方し……」
「父上は黙っていてくだされ!!」
「長政!?」
「父上は、すでに隠居の身……。我が父なれど、なんの権力もないものがこの評定の間に入ってくるな!」
「……そうかそうか。わかったぞ。この老体、先に引きさがろう。だが、織田に味方しておると、敵が増えていく一方だ。今にわかることよ。織田はもうすぐ絶えるであろう」
「早く、出て言ってくだされ!」
「ふむ。わかった」
当主、浅井長政の一喝で、久政は去って行った。
そして、その当主の一挙手一投足に家臣は注目している。
どれだけの時が経っただろうか。家臣はそれぞれ自分自身の意見を交換し、安養寺氏種が筆頭の織田派と、磯野員昌が筆頭の朝倉派が口論から喧嘩に発展しようとした、その時。
長政は意を決したように立ち上がった。
「今、この時より、我らが敵は朝倉よ!義兄上に従い、朝倉を征伐する!」
対朝倉の兵を起こすことを決断した。
歴史は変わったかに見えた。
しかし、ここにいるものは何一つ知らない。
浅井久政の野心と、それに共鳴する家臣たちとの結束力を。
なんにせよ、歴史に『if』はないのだ。
多少の齟齬はあろうと。
なんかよく分からないけど浅井の話になっちゃた……。と言うことで、そろそろ終わらせようと思います……!




