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傭兵達の下剋上  作者: 羽賀唯人
2章 第一次紀州征伐
24/35

21、再会は悪夢の匂い(史実は壊れました)

「よっしゃぁ!!お前ら!こっちに滝川勢がくるぜ!正面突破で、三崎たちと合流だぜ!」


滝川・金森・竹中勢がその声を聞いたのは、逃げ延びたと思ったすぐ後だった。


「的場!お前、裏切るのか!?」


的場と呼ばれた男は、竹中にそう聞かれる。

彼は、重治が策が失敗した時のために後方に配置して置いたのだ。

後方に置くに足る男かと判断した理由としては、彼が織田信長に対して鉄砲の訓練を行ったためであり、織田信長も、彼を重用していたためである。


しかし、やはりここは彼の出身地であり、


「裏切るも何も、俺は元は雑賀の男だぜ!」

「……ちっ!みんな!的場を倒して戻るぞ!」


「さぁて。紀伊雑賀衆、的場昌長(まとばまさなが)ぁ!!ただいま出陣()る!!!」


そう叫んだ声は、すでに勝戦気分の俺たちを、現実に引き戻すのには十分な効果だった。


「おい!湊!」

「ああ、わかってる。あのバカ、本気を出して滝川を討とうとしてんだろ!?」

「あいつ、本気出すと見境ないからなぁ……。さぁて、行くぞ!湊!鶴、蛍、雀!」

「おお!!」

「ええ」

「うん」

「はーい」


頼むから!頼むから昌長さん!絶対に滝川さんを討たないで!いや、討つなら討つでいいけども、討ったら討ったで面倒臭いことになるから!


佐久間・木下・竹中隊を湊と雀と鶴に任せて、俺と蛍は駆け出した。


そして、駆けた先に俺たちが見た景色は――――










パァン!!!


「敵将、討ち取ったりィ!!!」

「的場!」

「昌長さん!!」

敵将を討ち取った、的場の姿が見えたのはその時だった。

◇   ◇   ◇


「的場のヤロー、本気を隠してやがったのかよ!」


負傷をして、倒れかかるこの戦の総大将、滝川一益が叫ぶ。

……やっぱあんた、苦労人だなぁ。(生暖かい目)


「もういっちょ、行けるか?」

「はい!的場さん!」


俺につけられた兵は満面の笑みでこちらに向かって笑う。

……少し、不気味だな。この笑顔の奥にある感情が読めない。

まあいいか。


「お前ら!滝川一益に狙いを定めろ!そして……撃てェ!!!」

「滝川殿!」

「おい、金森殿!?」


パァン!!!


「グハッ!……これが、死、か……。たき、が、わ殿……、のぶ、なが、様を……、たのみ、ますぞ……」


ドサァ……。


あれ?

なんか狙ってない方の敵将討ち取っちゃったよ?

で、でも討ち取ったし。ま、まあこれだけ言っておこう。


「敵将、討ち取ったりィ!!!」

「的場!」

「昌長さん!!」


ゑ?

なんか嫌な予感しかしない。

でも、敵は俺が討ち取りましたぁ!!

史実の金森長近は、1524年-1608年の数え年で85歳まで生きるという、当時にしては珍しい大往生ですね。

徳川家康は数え年で75歳、伊達政宗は70歳、伊達成実は79歳、宇喜多秀家でも83歳なので、大往生組でも年齢は相当行ってます。


まあ、この作品では的場さんに47くらいで討たれています。

金森ファンの皆さん、金森さんの子孫さん、すみません。

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