19、死に行く者たち(死ぬとは言ってない)
「今度はっ! 陸戦かよっ!!」
滝川が叫ぶ。
目の前には、一人の少女が800ほどの手勢を引き連れて来た。後ろから来る弾幕によって、退くことも不可能な状況だった。
「竹中ぁ!! 木下ぁ!! 来い!」
「はっ!」
「わかり申した!!」
二人の将が多くの手勢を連れてやって来た。
「もっと、増えるの!?」
「姉上! 手助けに来ました!」
「……蛍!? 何やってるの!?」
「姉上、私も助けます。私も、雑賀衆の一人……! 私だってやるときは、やります!」
武にも優れる軍師を兄にもつ蛍と鶴。
結局、鶴が折れて二人で戦場に向かうことになった。
そんな二人の様子を俺は見て───
「ッ!? 蛍まで、行くのか!?」
物凄く慌てていた。
今、俺がいるところは小高いところで、戦場をよく見渡せる。
声は聞こえないが、何が起こっているか逐一わかる。
湊や雀が蛍を抑えるのも聞かずに蛍は一直線で鶴の元へ向かっている時から見ていたが、この行動には正直言って驚いた。みんなには「策は策。いつ何が起こるかわからないから臨機応変に対応してくれよ」とは言ってるが、この行動は少しの驚きと多くの嘆賞を覚えた。
「こうなったら……!」
俺は、少し頭がフラフラしていたのだろう。いつもの俺なら絶対にやらない行動をしていた。
「お前ら! 撃つのをやめろ!」
兵に動揺が走る。
「相手が逃げたら……、ここを駆け下り、相手にぶつかる!」
「「「おおー!!」」」
大きな声で叫ぶ。
すると、相手はすぐにこちらの方へ向かって来た。予測通りの行動だ。
しかし、ここで不可解な行動が見えた。奥にいた、湊と雀が共同で戦地へ向かっているのだ。
少し疑問に思ったが、気にせずに動き出す。
「行くぞッ!! お前らぁ!!!」
「「「おおおおおおーーーーーーーーーー!!!!」」」
先ほどとは打って変わって、熱量を持った奴らを引き連れて俺も戦場へ向かう。
あと2話くらい(もっと長くなるかも)で終わります。
ちなみに、蛍が敵に会わずに滝川隊に向かえたのは行き方が違ったからとでも思ってください。




