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傭兵達の下剋上  作者: 羽賀唯人
2章 第一次紀州征伐
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16、龍の動揺(軍師策には溺れない)

三崎が滝川を本陣から落とした時、包囲されていた佐久間・金森両名が率いる兵たちが包囲を退けて退いていた。


「……っ!策が、読まれている?」


そして同じ頃、竹中重治にも焦りの色が見えていた。

完全に作戦が読まれていた、そう思えるような動きを雑賀衆がしていたからだ。

「どうされました?竹中様」

「いや、何でもない」

「であれば良いのですが……」

今孔明とも呼ばれ、この戦国時代において知略は自分の右に出る者はいないと自他共に認めている竹中重治であったが、策が読まれていることはほとんど経験していなかった。


「……どうされました?父上」

「またか……って、治!?なぜここに!?」

「父上との約束で来ちゃいました!」

「来ちゃいました!って、ここは戦場だぞ?お前の方が心配だが?」


竹中治(たけなかはる)は、竹中重治とその嫁である得月院(えづきいん)との間に生まれた初子である。

女であるために、重治は少し落胆したもののやはり父親としての性のせいか、

しかし、重治の家に大量の兵法書や軍略書などがおいてあったために、それを読み父と同じように聡い子に育った。

まあ、重治からの遺伝の部分もあるだろうが。


「ですが、この前に約束したじゃありませぬか。次の戦で私の策を献策してくれると」

「……したよ。お前は十面埋伏陣戦法に、その囲いを破られたときの策を足したものであろう」

「はい!そしてそれが気になっちゃったので来ました!」

(言えない。その策は雑賀相手じゃ足りない上に策をさらに上乗せしただなんて)

「……本当に父上、どうされました?」

「なんでもない」

「……嘘っぽいですよ!」

「まあ、いい。小兵衛!10騎を持って治を守れ!」

「はっ!」

「他のものは突貫する!行くぞ!!」

「「「おおぉぉぉおおぉぉぉぉおおぉおぉ!!!」」」


この動きに呼応して、木下勢も動く。

戦さの終結はまだまだ先である。

竹中治は、存在しません。

ちなみに、竹中重治の息子は竹中重門だけだと言われています(Wiki調べ)

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