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第4話 魔王さま、日本に? (3)

(本文)


「うぎゃ、いて、ててて、うが、うご……お、お、おぇ……う、ううう……」


 俺ね只今さぁ、魔王様にね、殴る蹴るはの暴行を受けているのよ。善良な市民なのにさぁ……


 それがさぁ、大変に痛くてね。腹部にもろ、蹴りが入ったからさぁ、吐きそうにもなったよ……


 だからね、俺は……体を丸めて、顔をは守らないといけないなぁ~と、思ってねガードだけはしているよ。痛いからさぁ……


 俺自身もね……もしかしたら、死んでしまうかもしれないね⁉

 とも、思っているよ。余りの痛みに……


 でもさぁ、俺人間だけど、普通の奴等とは、少し違うのよ。鍛え方がね……この程度の暴行なら、姉さんに悪戯を働いた時に、何度受けてるから平気な訳よ──それもある程度ならば……


 それにさぁ、姉さん直伝の防御魔法も使える俺だから!

 どうにか持っているのよ、俺の体はね……でもさぁ、鼻血も抜けているし、顔の形も変わっているかも知れないよ、俺の御自慢のお顔がさぁ……?


 だから自宅に帰宅したら、姉さんに悪態付かれると思うよ。

「たぬき、あんた負けたの?マジでださいね」と、言われると、思う俺だよ……


 でもね、そんな下らない事ばかりを考えている俺をさぁ、相変わらず容赦無しにね、ただただ、殴る蹴るはの暴行を加えるのよ。この魔王様は……


 その上さぁ……


「こらー!人間ー!どのようにして、ここへ来たのだ? この城は空に浮いてる城だ!だから、普通の者では侵入出来ない筈なのだ……もしかして、お前は勇者か?」


 憤怒しながら、魔王様……俺に尋ねてきたのね……?


「俺は勇者等ではないよ!異世界から来た人間だ!魔王、お前を封印してくれと、頼まれただけだよ……」


「はあ、どういう意味だ貴様?私を封印するとは……?誰に頼まれた?私を封印しろと……」


「知るかよ。俺も頼まれただけだ、おタヌキさまに、毎日俺の枕元に立つんだよ。魔王を封印して、この城から連れだしてくれとなぁ……」


「う、う、嘘を付けー!お、お父、あ、いや、おタヌキが言う訳ないであろー!」


「うごっ………ううう……ほ、本当だよ……信じてくれよ……」


 お、俺マジでヤバい……魔王様に殺されるかも……


 何かさぁ、おタヌキさまの名前を出したら、急に切れだしたのよ。魔王様……


 それにさぁ、魔王様……声を聞き、チラ見しなから、容姿を確認するとね、女性みたいなんだよ。この人は……


 俺、魔王様って、男とばかりだと、思っていたからね……?


 少しばかり、拍子抜けしたよ。ほんの少しばかり、だけどね……


 でもさぁ、山羊か水牛みたいな、角が付いた、頭鎧兜を深々とかぶっている、女魔王様だから、顔の確認までは、出来ない俺なのよ……


 でもね、体の容姿は、確認出来たよ……漆黒の黒髪に鎧……


 それにね、いかにもって感じの、女性の肉体が解るような、露出が多いデザインだよ……


 もしかして、女魔王様……見せたがり屋なのかも……?


 そんな、くだらない事を思っている、俺だけど……


 じ、実はね……今、女魔王様の折檻せっかんをくらって、踏んで、踏んで、蹴っられて……の最中なのよ……


 だから本当の所は、余裕等なくてね……死にそうな、俺なのよ……


 だからさぁ、今、自分の立場を何とか改善しょうと、思案する俺なんだよ……



 ◇◇◇◇◇




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