第3話 魔王さま、日本に? (2)
(本文)
そろそろいいかな……?
あれからね、俺……
爆竹の後は、ロケット花火を連射で放り込んでやったよ。謁見の間だと思う部屋にさぁ……
いよいよ次は煙玉━━これを放り込んだら、いよいよ謁見の間に飛び込むね。猪突猛進だよ━━
「そ〜ら、よっと……」
扉をあけ放り込んだよ━━煙玉をね!
だから又々、原チャリに股がったよ━━俺はね!
後は突進!突撃のみだ!
だから俺、原チャリのスロットル開いたのさぁ……
よーし! 中に入ってみるね……
「魔王覚悟ー!」
重い扉を開け、原チャリで一気に加速━━中に入り込んだよ、俺はね……
中に入るとさぁ、アクセルをリズム良く、開いたよ──「カン、カン、カカカン……」といった感じでさぁ……
何度ぐらいしたのかなぁ、アクセルをリズム良く開いたのは……?
その後は、憤怒した顔してさぁ、勇んで怒鳴り声を上げたよ。それもね、この静かな謁見の間に、響き渡るぐらいにはさぁ……
だってよ……本当はね俺、魔王にさぁ、びびっているのよ……
だってしょうがないじゃん!なにせ相手は悪の王だからね……
怖くないと、思う方が可笑しくないかい……?
だってマンガやアニメ。ラノベなどの、ラストボスだからね魔王はさぁ……
だからさぁ、いくら頼まれ事でも、魔王を封印してくれなんて、普通の俺では無理だよ……
それにさぁ、俺先程から辺りを見渡し見てるんだけどね……魔王の姿がないのよ……?
辺りをキョロキョロしてるんだけど……
目の前━━かなり先にはね、魔王の席も確認出来るのよ!
原チャリのライトも、椅子を照らしているしさぁ……
だから、何処……!?
魔王はさぁ……も、もしかして……
逃げたのかな、部下達と……!?
そう思うと俺、緊張感が取れたよ……
まあ、居ないんじゃ、しょうがない訳だし……
前世の俺の頼まれ事でも、実は嫌だったしね……魔王の封印など……
それにさぁ、実際、ボンキュボンの娘自体、怪しいもんだったからね……
ふぅ……アクセルをリズム良く開くのも辞めたよ。俺……
実際、先程から俺自身もうるさくて、しょうがなかったからね……
さてさて、帰るかね……お腹も空いてきた気もするしさぁ……
見たい、テレビや動画もあるしね……
でも、まあ、あぁあ、だな……燃料代と花火代の無駄だったね……
『ドゴン!ドカン!ガン!ぐほ……』
「き・さ・ま、何処へ行くつもりだ……?」
「うぅ、うううう……いて、ててて……」
げ、原チャリをさぁ、後ろに向きを変えようとしたら……何かいたのよ!
その後は、目から火花出たね……
何かさぁ、顔や体に衝撃と痛みが出たよ……
何が起きたか、全く持って理解出来ていない俺だよ……
◇◇◇◇◇