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普通人間  作者: タンサン
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自分とは何者なのか

先日、退職願を提出してきた。


「本当に辞めるのか、自分。」


最近は毎日、辞める自分が信じられない。


しかし激務は続き、辞めたい気持ちも加速する。


日に日に仕事に行く足取りが重くなっていく。



「本当に辞めちゃうんですか?」と言う、後輩。


つい、どう思っているんだろうと考えてしまう。


役に立たない先輩だったかな。


辞めたら、今後大変だろうな。


先輩として、何もしてあげられなかったな。


申し訳ない気持ちになる。


先輩には、「いいなあ」と言われる事が多い。


先輩も辞めたきゃ辞めればいいのだが。


続ける理由は、私が5年もここにいた理由と同じだろう。


要は、自分から行動を起こすこと、


新しい環境に身を投じることが面倒なのだ。


理由はそれだけではないが、おそらく大部分は占めるはずだ。


この病棟で働き続ける限り、激務は続くであろう。


私が去ることは、迷惑極まりないのだが、


私の気持ちがわかる先輩たちは、辞めることに共感してくれる。



私は、この激務に耐えながら仕事を続ける理由がわからなくなった。


そう自覚した瞬間、あっという間に退職願を書いた。


あと、1か月もすれば、動機と共に目覚める朝から解放される。


そう考えただけで、心が安らかになる。


それほど、私の精神は鬱状態となっていた。




当面の間、暮らしていく貯金がある。


退職したら、すぐには就職せずゆっくり暮らそう。


そんなことを考えている。


私はどんな暮らしをするのだろうか。



毎日料理をするだろうか。


本を読んだり、絵画をするだろうか。


ギターや、トランペットを吹くだろうか…。


中々想像できない。


私は何をしたいのだろう。



何がしたいかが、わからない。


どんなに考えても、わからない。


世の中の人は、何を楽しみに生きているのだろう。



どこかへ出かけたとき、


時々自分が、何者かが、わからなくなる。


なぜ自分の足が動いているのか、


何を見たいのか、何をしたいのか、わからなくなる。


立ち尽くし、


生きていることが申し訳なくなる。




普通が何なのか、アブノーマルが何なのか、


考えていたけれど、


まずは自分を知るべきなのではないだろうか。


最近はそんなことを考えている。








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