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第6話(魔神具の力)・2


 私は、少し休憩を とった。


 私に出来る事は やったつもり。

 後は村人達の生命力と天命に任せるしかない。


 村人全員がいる大きな集会所のような建物の玄関前の石段に座りこみ、ジッと考えこんでいた。


 段々、青龍の復活というものがレイのおかげで わかりかけてきた。


 青龍の復活……想像は、し難いんだけど。

 それは どうやら この世の終わりを意味するも同じなんだわ。

 それを、あのレイが やろうとしている。


 この世界にいる、四人の人間の体内にある“四神鏡”

 ……四枚集めてしまったら。

 青龍……四神獣を復活させてしまう。


 なんとしても、阻止しなければならない。


 犠牲は増えるばかりだろう。

 あの……。

 四神鏡を探すという目的で使われていた、“邪尾刀”で斬り刻まれて。


 きっと、ココにいる村人よりも。

 もっと多人数の犠牲が生まれるんだわ……。


 とにかく。

『復活の阻止』のためにまず、四神鏡を集めさせない事よ。

 もし青龍が復活してしまったら取り返しのつかない事になるかもしれないし。

 うん、そうよね。


 四神鏡……どんなものか。

 見てみたい気もするけど。

 けっして見つけてはいけない、禁断の道具……。


 神様、私が本当に救世主だと言うのなら、力を ください。

 せめて、自分の身は守れるくらいの力を。

 そうすれば、セナの肩の荷が下りる。


 足手まといに なんか……なりたくないから。


 それは、私の お兄ちゃんにも向けて言った言葉でもあった。

 今頃、どうしているのだろう。

 もう何日か日が空いている。

 ひょっとしたら、私は行方不明者として大捜索してるのかも。


 でもね、お兄ちゃん。

 私、帰れない。

 こんな村を見捨てては。


 斬殺された人達を目の前にして、逃げられるわけないよ。

 だから見守ってて、私を。


 救世主としての、私を。



 気がつくと雨は止み、白い満月が暗雲から姿を現した。


「さてと……」


と一呼吸置いて。


 村人たちの様子を見に戻ろうと、重い腰を上げた直後。


 私の前に、楓ちゃんが立ちはだかった。


「楓ちゃん。ケガは大丈夫!? もう少し休んでいた方が……」


と私が話しかけても、何の返答も無かった。


 首を傾げる私。

 何の疑いもなく見ていた。

 だから、次の行動なんて予測不可能だったのだ。


 いきなり楓ちゃんが。

 鎌のような武器を持って襲いかかってくるなんて、夢にも思わなかったのよ。





 ……一方。


 レイの現在の根城である、とある島では。


 血で、錆びないようにと。

 レイの側にいた女が邪尾刀を。

 不思議な模様の魔法陣の中央に置き、結界を張っていた。

 結界の中には蒸気のようなものが立ちこめていて、刀を隠していた。


 結界を張っている女の横で。

 レイは その光景を眺めていた。


「素晴らしい刀ですわね。さすがレイ様ですわ」


と、女は刀を褒めた。


 しかしレイは動じない。

 いやむしろ、当然といった顔だ。


「この刀は……俺が作ったわけじゃないが。しかし、素晴らしい芸術作品とも言える」


と、刀をまるで自分の子供か玩具のように見つめている。


 女はそれを見て少し微笑んだ。


「この刀を大事にしてくれ、さくら」


 レイは そう言い残して一人その部屋を去った。


 さくらと呼ばれた女……は、引き続き結界を張り続けた。


「もちろんですわ、レイ様。(わたくし)の力で、必ず」


と、さくらはレイが去った後に話しかけた。


(レイ様は今、何を考えていらっしゃるのかしら……ううん、きっと私の考えでは、とても及ばぬ所にあるのよ。そういう方だから……)


と少し寂しそうな表情を見せた。


 さくらに とってレイは、絶対の君主であった。

 とても慕っていた。

 とはいっても、レイの方は どうなのかは知らないが。


 レイが さくらの事をただの下の者としか見ていなくても、それはわかりきった事だと思っている。

 さくらの一方通行であると知っていても。

 さくらは それでも よかった。


(私は いつでもレイ様の お側に居ます……そして、命にかえてでも、レイ様を守りぬいてみせますわ)


 さくらの決心や覚悟は固かった。


(でも……)


と、少し、首を捻った。さくらは、レイに対して ある疑問を抱いた。


(レイ様は なぜ邪尾刀の試し斬りを兼ねた四神鏡の探索に、あの村を選んだのかしら。あの村に救世主たちがいると、私の探知能力で わかっていらっしゃったはずなのに。わざわざ鶲を使って救世主たちを村から引き離して……一体 何故? そんな事までして、あの村を狙った理由は? それとも、何かもっと観点の違った考えがレイ様には おありなのかしら?)


 そこまで考えて、フッと笑った。


(……私なんかに、レイ様の お考えが わかるはずがありませんわ)


 寂しい自分を堀り起こす。


 そして力を休む間もなく、レイの芸術作品であるという邪尾刀に向ける。


 それが今 彼女にできるレイへの忠誠の証でもあるのだった。





 不気味に光輝く月。


 その光に照らされた楓ちゃんの顔は、正気じゃなかった。

 片手で鎌を、私に向かって振り下ろした!


 間一髪……で、私は それをかわす。


「か、楓ちゃん……危ないよ」


と、まだノンキな事を言っている私。


 目の前の殺気が いまだ信じられず、戸惑う。


 体勢を整え、また襲いかかろうとしている。


 ジリジリと追い詰められ、私は ついに その場から背を向けて走り出した。


 とりあえず、逃げよう。


と、私は思った……矢先、足が止まる。


 なぜなら。

 前には重傷を負い止血して寝ていたはずの村人達が ごった返していたからだ!

 楓ちゃんと同じく、手には鎌の他、クワや包丁を持ってね。


 なんか、この光景って見た事がある。

 ……そうだ、こっちの世界へ来る前に見た夢の中の光景と似てるんだ!


 忘れたはずの夢を思い出して少し感激……どころじゃないよ、コレ。


 後ろには楓ちゃん、前には村人達。


 当然、横に逃げるでしょ。


 ココまでは、あの夢の通りよね……なんて思いながら。


 しかし横に動いた瞬間、やっぱり夢の通り誰かに ぶつかった。

 だけど、金髪でも赤い瞳でも女でも なかった。

 横にいたのは、よく知っているセナだった。


「セ、セナ……皆が……」


と言いかけて、ハッとした。


 セナの手が、私の首にかかる。

 顔は やっぱり正気じゃ、ない!


 何コレ、何なのコレ!?

 集団催眠!?


 私は慌ててセナの手を振りほどいた。

 危うく、首を絞められるところだった。

 私は反対側へ走った。


 しかし不運て奴ぁ、重なるもんだ。

 走った途端、ぬかるんだ地面で滑って転んでしまう。


 しかも、足を くじいてしまって動けない。


 その間、確実に村人+楓ちゃん+セナの集団が私に近寄ってくる。

 その顔といったら!


「や、やだあぁ!」


と私は“殺さないで!”の体勢をとった。


 万事休すぅ!


 ……と目を固くつぶったのに。


 何も起きなかった……。


 恐る恐る目を開けると、村人達の姿が 何処にも なかった。

 代わりに、視界いっぱいにスモークが立ち込めていた。


 何だろう、一体何が起こったのだろうと考えているうちに。

 何故か眠気が突然に襲ってきた。

 クラッと めまいがして体が傾いた時。


 突然、誰かが私の口に後ろから白い布を押し当てた。


 びっくりして、目が覚めた。

 そしてもがく。

 しかし、私の抵抗力よりも。

 私の後ろで私の手を押さえこんでいる相手の方が力が強かった。


 ひょっとして、レイの刺客!?


 だとしたら、私は殺されてしまうの!?




 助けて!




《第7話へ続く》





【あとがき(PC版より)】


 レイのセリフ「人間は万物以下〜」は、今度 気晴らしに誰も居ない所で こっそり言ってみようかと思います。……きっと盛り上がるに違いない。ホッホウ!

 ……見られたら沈もう……。



※ブログでも一部だけ公開しております(挿絵入り)。

 パソコンじゃないと読みにくいかもしれませんが、

 よければこちらも……。

 http://ayumanjyuu.blog116.fc2.com/blog-entry-39.html

 今回の6話の挿絵、サダコホラーか?(笑)

 URLは、お手数ですがコピペして お進み下さい。

※パソコンの方、よろしければ以下の「投票」をポチッとお願いします。


 ありがとうございました。



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