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第19話

私は、最後の仕上げに冷やしておいたシロップをかけた。うん!綺麗な赤!

やっぱりかき氷といえば、これだよね!

一口分、スプーンですくって食べた。

その瞬間、口の中に苺の甘酸っぱい味が広が

った。


「美味しい!」


苺を丸ごと使ったおかげでつぶつぶの果肉が入っていてとても美味しかった。

私がかき氷を食べていたらシルクがかき氷を興味深そうに見ていたので食べる?と念話で話してみた。


『初めて人間の食べ物を食べたけどとても美味しいわ。』


シルクは、ふわりと笑って言った。

本当は、人間の食べ物は精霊が食べる事は出来ないそうだ。精霊の主食は、闇の魔力が混ざっていない綺麗な魔力を好む。だから綺麗な場所には、精霊の数が多いのだ。


『それに元々精霊は、味覚を持っていないの。持っていたとしても力のある精霊だけね。』


なるほどと小さく頷いているとサルバさんがいきなり話しかけてきたので思わず驚いて声が出そうになった。ここで声を出すとシルクと話していることがバレてしまう。顔に出さないように取り繕った。


……バレていないようだ。


「これは、とても美味しいですね!氷を削ってデザートにするという発想はありませんでした。」


サルバは、初めて食べた氷菓子に驚いていた。当たり前だろうこの世界には、氷を入れお菓子に使うという懸念はない。

だからこの世界には、アイスは存在していないのだ。


「良かった。上手く出来ているみたいですね。」

「氷に砂糖水をかけるだけでこんなに美味しくなるんだね。」


お兄様は、面白そうに瓶の中に入っているものを見つめた。

今度は、お父様とお母様にもあげようかな?

喜んでくれるといいんだけど……。

その後、案の定お父様とお母様は、とても美味しそうに食べてくれた。

私は、皆を笑顔にするという目標が達成できた気がして嬉しく思うのだった。


□■□■


「ふわぁ…、なぁに?フィナ。」


その日は、物音が聞こえて起きた。

私の隣にはフィナが私を起こしに来てくれたようでベットの近くにあるカーテンを開けているところだった。


「すみません。起こしてしまいましたか?」

「ううん、大丈夫。ところでまだいつもの起きる時間より早いけど、どうしたの?」

「え?今日は、お嬢様が王宮主催のパーティーに行く日ですよ?」


あっ…。すっかり忘れてた。

私は、急いで飛び起きハンガーに掛けてあったドレスをちらりと見た後。

夏のため薄い夜着を脱いで一旦簡単に着替えられるような服に着替えた。


これから予定がてんこ盛りなのだ。頑張らないと。そう思い小さく手を握った。


「フィナ、苦しいよ…。」

「お嬢様、もう少しの我慢ですわ。」

「ぐふぅ。」


コルセットを容赦なくフィナが締め付けてくるので乙女らしからず声が出てしまった。

や、やめて。これ以上締め付けられるとさっき食べてきた朝食が出てくる!!

胃から全部出てくるから!!止めてーー!?



そうして、苦労したドレスは着終わり最後の髪型の作業に入った。といっても私は、化粧台の前でじっとしているだけなんだけどね。


「お嬢様、どちらの髪飾りに致しましょうか?」


そう言って差し出してきたのは、白い花のコサージュと昔アルト君から貰ったオレンジ色のコスモスのような花だ。

この花は、家に持ち帰った後髪飾りに使えるように魔法で加工したものだ。


お母様に協力を求めたらニヤニヤと見てきてこれを誰から貰ったのか分かったようだった。その時から髪飾りが入っている箱の中に丁寧に仕舞ってある。

今回のドレスは、オレンジ色だからこの色に合うだろうと思いこの花を選んだのだった。



パーティーで大変なことになるとは、知らずに___。



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