第13話
ようやく、お待ちかねの試験の結果がきました。そういえば、前世でもこんな事あったな。私は、ドキドキしながら封筒を破いて中身を丁寧に取り外した。
私は、祈るように目を閉じ紙を手に持つ。
(お願いします!!)
そう思って慎重に目を開けて試験の結果の紙を見た。
そこには、合格!!という字が赤い色の判子で押されていた。
私は、それを見て歓喜で震えた。
少し遅れてやったー!!という声を出した瞬間に自分の部屋のドアが開いたので何事か?と思ったらお父様が飛び込んできて私にすりすりしてきた。
お父様の髭は、すりすりされるととても痛いので仰け反って髭から逃れようとしたが、さすがは、お父様は、騎士団長を務めているだけあって力が強くびくともしなかった。
「お.お父様、い…痛いです!」
それを聞いたお父様は、申し訳なさそうに私を降ろした。
「す.すまんな……はっ!それより、試験!受かったのか??」
その迫力に驚きながらも頷くと喜びで私を抱きしめてきた。それも、殺すきかっ!と思うくらいの力で…その時、フィナが助け船を出してくれた。
「旦那様!!そのままだとローゼリラ様が死んでしまいます!!おやめくださいませっ!!」
「はっ!!す.すまん!」
「お父様、苦しかったよ!!」
まったく、愛情を注いでくれているのは、嬉しいけど、プライベートと社交界の時とでは、すごい差がありすぎるんだよね....
社交界では、冷静でクールなのにプライベートでは、ただの親バカだもんなぁ...
「リラ!お詫びになんでもしてやるぞ!」
お父様がそういったときに私は、ニヤリと微笑んだ。
「お父様?なんでもいいんですか?」
「あぁ」
「それじゃあ.......冒険者になりたいです!」
私は、瞳を輝かせていった。
そう、私は、冒険者になりたいとずっと昔から思っていたのだ。
そして、ついこの前、フィナのお父さんが冒険者をしているという話を聞いて冒険者があることを知ったのである。
それを聞いたお父様は、慌てだした。
「!?冒険者!?だ.駄目だ!冒険者というのは、貴族に嫌われているものだし、それに死ぬかもしれないんだぞ!?」
「それは、分かっています。それにお父様は、なんでもいいといいましたよね?」
そういって、私は、瞳を潤ませ指を組み上を見ながら首を傾げる、これが一番効くポーズだ。
「うっ!」
「お願い。」ウルウル
「仕方ないな…その代わり怪我をしないように!フィナは、護衛と道案内をかねて一緒に行ってやってほしい。」
「旦那様!しかし…よろしいのですか?」
すると、お父様は、苦笑しながらも頷いた。
「畏まりました、命に代えても必ずお嬢様をお守りいたします。」
「あぁ、フィナ、よろしく頼む。」
「はい。」
あれ?私は、一人で行こうと思っていたんだけどなぁ?別にいいんだけど………
そんなことを思っていたら急にお父様が真面目な顔をして言った。
「リラ、冒険者というのは、大変な仕事だ、何しろ魔獣の命の取り合いをしているのだからな、冒険者は、いつも危険が付きまとっていることを忘れるな。」
「はい!分かりました!」
私は、2人に嬉しくて微笑んだら何故か同時に顔が赤くなった。なんでだろう??
□■□
三日後
「ローゼリラ様、冒険者は、荒くれ者が多いので取りあえずこの鬘を被ってくださいね、あと、もしものためにローゼリラ様は、偽名で呼ぶので名前は、何にしたら良いでしょうか?」
今日は、ついに冒険者登録をしに行きます!
ワクワクしながら服を着替えたところにフィナが入ってきて私に鬘を渡し、偽名の提案をしてきた。
フィナが持ってきた鬘は、ちなみに茶色の髪の鬘で私の髪は、真っ直ぐすぎて結うときに多分指からにげるんじゃないかな?ってほど真っ直ぐな髪だけど、この茶色の鬘は、ふわっとして肩まである鬘だった。
にしても、偽名か...冒険っぽくて良いね。
「うーん、そうですね。....ルーアでどうでしょうか?」
「……ルーアですね、では、私たちは、年の離れた姉妹ということにしましょう。」
私は、とても楽しみで笑いながら返事をした。
「では、ルーア、行きましょうか?」
「はい!フィナお姉ちゃん!」
2人で手をつないで歩いている姿は、本当に姉妹のようで町の人が微笑ましく見ていたのを2人は、気づいていなかった………。
リラちゃんは、冒険者になることと菓子職人になることが夢のようです。
無事に叶うといいですね〜
では、今回は、これで終わります。
次の話は、なるべく速めに投稿したいと思います。
ありがとうございました!