第10話
ある日、大貴族のイルフェア公爵家の娘のリラは、自分の部屋のベッドの上でうんうんと唸りながらある本を読んでいました。
(みんなに内緒で本を持ってきちゃった…
まだ、字を教えてもらっていない子供がこうやって本を読んでいるとしたら少し不気味だしね〜)
リラは、そう思いながら本の表紙の字を指でなぞった。
本の題名は、『サルでも分かる魔法の基礎』
だそうだ。ふざけた題名だが、表紙をめくる。
******************
あるところに1人の創造神がいました。
その創造神は、ある日、気ずきました。たった1人では、何もかもがつまらないと、そこで創造神は、7人の神達とこの大きな世界を作りました。
それがこの世界『アントバスク』なのです。
創造神は、この世界に私たち人間を創りそして、無力な私たち人間に小さな力を与えました。
それが魔力なのです。
そして7人の神々に名前をつけました。
火の神は、『火神』
水の女神は、『水女神』
土の神は、『大地神』
風の女神は、『風女神』
雷の神は、『雷神』
光の女神は、『光女神』
闇の神は、『闇神』
の7人の神々がその生まれた人や動物に
属性とともに魔力を授けるのです。
******************
「ふぅーん、なるほど、あっ!これ、魔法と魔法陣が載ってる」
そこには、たくさん魔法陣とたくさんの魔法の呪文らしきものが載っていた。
魔法をいろいろ試してみたいけど、庭に行かないと危ないし、内緒でこの部屋から出て庭に行こうかな…
いろいろ迷ったあげく、結局庭に行くことにした。
******************
庭
んー、いつみても自分の家だとは、思えない
…
えーっと、まず花壇に水をあげるついでに水属性の魔法を使ってみよう!
「精霊よ、我らに力を貸したまえ、この地を潤したまえ"水"」
すると、魔力が指の先から出ていくのを感じた後、すぐに花壇の上に雨雲ができ、雨を降らせる。
「なんか威力が強い気がするな〜……あっ!もしかして、イメージして小雨の様子を思い浮かべれば、小雨になるかな?
ちょっとやってみよっと」
心の中で一度解除を命ずると魔法が消えたのでもう一回やってみることにする。
『"水"』
今度は、小雨のイメージでやってみる。
すると、今度は、小さめの雨雲ができ、そこから雨が降り出した。
今度は、雨の降る量が少なくなっていることにきずき、成功したと喜んだ瞬間にあることを思い出した。
「!私、今の魔法の呪文、唱えてなくね…」
まさに自分のチートぶりが分かる瞬間だった。
キルフさんに呪文は、唱えてなくては、魔法は、使えないと聞いていたのに唱えなくても使えたからだ。
どうしよ…
はぁー、まぁいっか
どこからか良いのかよ!?というツッコミが聞こえた気がしたがスルーしよう。
「うーん、あと、火と雷は、近くにある岩で試してみれば、いいからあとですることにして、次は、風にしてみよっと」
本のページをパラパラとめくって風のページを開いた。
「あった!………えっと、風の初級魔法は、"風刃"」
すると、指から風がでて地面の草を浅く切った。
「これが風刃かー、次は、近くの森に行って岩に向かって火と雷をやろう」
岩の近くにきたらすぐに火と雷を試してみた。
「無詠唱で出来るなら火と雷も無詠唱で出来るよね」
"火弓"とさらに、"雷
リラが放った魔法は、一直線に岩に向かい岩を壊した。
驚きの状況にリラは、目を見開いた。
「なにこれ…岩って壊れるもんなの?それもこれ初級魔法だよね……、本によれば、岩に焦げ跡を残す程度と書いてあるのになんで、こうなるの?」
びっくりしながらも闇の魔法を唱える。
「………"闇"」
すると、闇の呪文によって、あたりが暗くなり始める。
しばらくすると、あたりは、暗くなりまるで今は、昼間なのに夜中になったようだった。
でも、このままだと勝手に魔法を使っていたことがバレてしまうので急いで光魔法を唱える。
「!えっと、"光照"!」
すると、暗くなっていたところは、一気に明るくなり、近くにあった木は、大きく成長したのだった。
出すの遅れてしまいすみません!
さぁ、今回は、リラちゃんのチートが分かりました!
次は、リラちゃん、可哀想ですが、キルフさんに怒られてしまいます。
今回の話は、まだまだ続きます!
これからもよろしくお願いします!