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東方妖刀録  作者: 雨月
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力の使い方


「『妖刀を操る程度の能力』?」

「はい。『妖刀を自在に操る程度の能力』でもいいですよ?」

「いえ。それだと長いので『自在に』はなくていいです」

「そうですか」


 べつに自在はなくてもいいと思う。なくても意味は分かるし。というか、


「アキラが、能力持ち?」


 霊夢が僕の言いたいことを先に言ってくれた。


「はい。といっても、私の推測にすぎませんが」

「アキラ。すまないけど、能力を持っているとわかったからには、外の世界に帰すことはできなくなったわ」

「え? どういうこと?」


 帰ることができない。ってなんで?


「外の世界には能力を持っている人はいないでしょ。もしも能力が暴走してしまったらどうするの? 外の世界じゃ対処はまず無理でしょうね」

「なるほど……」

「まぁ、神社に住んでもいいわよ。あなたの入れるお茶おいしいし」

「ご厚意に甘えるとします」


 まさか帰れないとは、爺ちゃん。心配しないといいな。


「それだと、まずは妖力の使いかたを知る必要がありますね」

「その前に能力の使い方だと思いますが……」


 咲夜の言葉に稗田さんがツッコミを入れる。


「妖刀融合さえできればあとは何とかなるでしょう。アキラさん。刀を取ってください」


 僕はテーブルの上にある刀を取って立ち上がる。


「刀を抜きながら『妖刀融合』と言ってください」

「よし。妖刀融合」


 刀を抜きながら言うと、僕は光に包まれた。










「よし。妖刀融合」


 アキラはそういうと水色の光に包まれ、光がはじけるとさきほどフランと戦っていた白い長髪の女性が現れた。背はアキラと違って結構高い。でも、胸は真っ平ね。


「アキラさん。意識はありますか?」


 稗田が聞くと、アキラはすぐに答える。


「大丈夫。背が高くなってちょっと違和感があるけど」

「何度かやっていればなくなると思いますよ」


 直後。パリンッ! と窓が割れる音が聞こえ、全員そっちを向く。するとそこには箒に乗った魔理沙がいた。


「よう。今日も借りていくぜ。ってなんでレミリアも咲夜も霊夢もいるんだ? しかも稗田と永琳まで」

「何よ魔理沙。また盗みに来たの?」


 パチュリーが魔理沙を睨んで言う。


「盗むとは人聞きの悪いこと言うなよ。あたしが死ぬまで借りていくだけだ」

「それを人は泥棒と言うんじゃないの?」


 アキラが言うと、魔理沙が首をかしげる。


「誰だ。おまえ」

「数日前に来た外来人よ」


 私が答えると魔理沙が笑顔で、


「そうか。外来人か。というわけで盗んでいくぜ」

「待ちなさい。アキラ、あのバカを迎撃して」

「え? 何を言っているんですか。パチュリーさん。 私、空飛べないですよ」


 ? アキラ。口調が変わってる? 僕から私になってるし。


「その妖刀は氷に関する能力を持っているんでしょ? 体の中にある力を手のひらに集めてみなさい」

「ん~。こうかな?」


 アキラが手を少し前に出して目をつぶると、手のひらに氷の塊ができ始めた。


「それを飛ばす」


 アキラは氷の塊を本棚に向かっている魔理沙に向ける。すると、氷の塊が魔理沙に向かって飛ぶ。


「おわっ」


 魔理沙は氷の塊を寸前で避ける。


「危ないじゃないか」

「アキラ。氷の塊ができたらそれを砕いて拡散するようなイメージでやってみて」

「わかった」


 パチュリーの助言を聞いて、アキラが今度は魔理沙に手のひらを向ける。すると、またも氷の塊ができて。今度は散弾のように氷の小さな粒が飛ぶ。


「おわっ。危ないじゃないか」


 散弾を避ける魔理沙。


「恋符『マスター・スパーク』!」


 魔理沙が得意のスペルカードを発動させる。そして、太い光線がアキラに向かってくる。


「アキラ!」


 私はスペルカードを取り出す。しかし、アキラは、


「え~と、『七重氷壁』」


 どうにでもなれ。と言う感じに叫びながら右手を思いっきり上げる。すると、氷の壁が七つ、床からせり出してきて、魔理沙のマスター・スパークを防いだ。


「なっ。あたしのマスター・スパークを防いだ!?」


 氷の壁は1枚だけ残って他はすべて破壊されていた。


「いいわよ、アキラ」

「初めての戦闘とは思えないわね」

「アキラ。次で終わりにしなさい」


 私がそういうと、アキラはうなづく。そして、アキラの体ほどの大きさの氷の剣がいくつもできて、それが魔理沙に向かって飛んで行った。


「げっ」


 氷の剣を魔理沙が避け続ける。すると、魔理沙は壁に刺さった氷の剣で動けなくなってしまった。


「おい! これは弾幕ごっことしてありなのか? スペル宣言してないぞ」

「魔理沙。面白いこと言うわね。彼、じゃなくて彼女は弾幕ごっこのルールも知らないし、スペルカードの存在すら知らないわ。これは弾幕ごっこじゃないわよ」

「なに!」


 パチュリーの言葉に魔理沙が驚きの声を上げながら逃げ道を探そうとする。


「さぁ。アキラ。とどめを刺してあげなさい」

「いいの?」

「いいわよ。さっさと終わらせなさい」


 魔理沙の右手の平に氷の塊ができる。そして、それが散弾のようにばらまかれる。


「うわっ」


 氷の粒が魔理沙に直撃して魔理沙は地面に落ちて行った。


「へぇ。やるじゃないか」


 レミリアがにやけながら言う。


「ふぅ」


 アキラが光りに包まれて元の男の姿に戻った。


「アキラ。ちょっとこっちに来て。身体に異常がないか、念のため診断するわ」


 永琳がそういってアキラを呼ぶと、診断を始める。


「霊夢。あの白黒の人、大丈夫かな?」

「大丈夫よ。魔理沙はあの程度じゃ死なないわよ」

「いや。死ななければいいの?」


 私は魔理沙に近づくと、怪僕一つなく倒れていた。


「おい、霊夢。あいつ本当に外来人か? よくよく考えたら妖力を感じたぞ」

「あんたが来る数分前に能力があるかもしれないってわかったのよ。あれは能力を使った姿よ」

「なるほどな~……」


 魔理沙が起き上がると、今度はパチュリーが近づいてきた。


「さぁ。前に持って行った、1024冊をさっさと返しなさい」

「おいおい。そりゃあないぜ」

「アキラに迎撃用に返してもらうまでここにいてもらおうかしら」

「へっ。同じ相手に負けるほど、あたしは落ちぶれてないぜ」

「そうかしら。あなたの得意技すらも受け止められたくせに。勝てる気でいるの?」

「へっ。同じ手をくらうわけがないだろ」

「そうかしら?」


 パチュリーが怪しげな笑みを浮かべて言う。


ちょっと中途半端な気がしますけど。ここで切らないととてつもなく長くなると思うので……。



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