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東方妖刀録  作者: 雨月
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後日談1

 稗田家。


「コホ。コホ」

「阿求さん。すみません。僕のせいで」

「いえ。気にしないでください。私が勝手にやったことなのですから」


 今、僕は阿求さんの家にいる。もちろん見舞いだ。


「氷雨のせいだよ」

「知らん」


 氷雨が人の姿になって現れる。


「ふむ。稗田阿礼の子か。いや、子孫というべきか」

「コホ。コホ。一応、転生体ですので本人と言っていいかと。記憶はありませんが」

「なるほど」


 ? 転生体?


「あなたが、アキラさんの妖刀……ですか。コホ」

「ああ。氷雨だ」

「コホ。コホ。稗田阿求です。よろしくお願いしますね。コホ。コホ」

「阿求さん。無茶しないでください」

「いえ。大丈夫ですよ」


 大丈夫そうにみえない。


「いいから休め」


 体を起こしていた阿求さんを無理やり倒す慧音さん


「その状態で大丈夫ですよ。なんて言われて信用できるか」

「まったくですよ」

「本当に大丈夫なのですが……」

「ま。ゆっくり休むことだな。阿礼の子よ」

「氷雨のせいだけどね」

「知らん」


 氷雨は刀に戻る。逃げたな……。


「じゃあ、阿求さんそろそろ失礼しますね」

「ああ。ありがとうな、アキラ」

「コホ。コホ。またいらしてください。アキラさん」

「はい。また」






 2日後。もう一度見舞いに行くと、すでに起き上がっていた。


「阿求さん大丈夫なんですか?」

「はい。もう大丈夫です。ご心配かけてすみませんでした」


 何かを書いている阿求さんが手を止めてこっちを向く。


「何を書いているんです?」

「幻想郷縁起です」

「幻想郷縁起?」

「そういえば、阿給さんは幻想郷縁起を知りませんでしたね。では、ご説明を」


 そういうと阿求さんはたちあがって部屋を出て、すぐに戻ってくると、お茶の入った湯のみをお盆に載せて持ってきた。


「どうぞ、粗茶ですが」

「すみません。ありがとうございます」

「では、説明を。といってもそこまで長くはなりませんよ。説明はですが」

「?」

「気にしないでください。それでは、アキラさん。私と初めて会った時のことは覚えていらっしゃいますか?」

「確か……紅魔館の図書館ですよね」

「その通りです。そのとき、私は『幻想郷の歴史を書いています』と言いました。それがこの幻想郷縁起です」

「歴史をかいている。というので。何かあったのかを書いているのかと思ったのですが」

「その通りです。幻想郷縁起は、この幻想郷で起きたことを書いているのです。現在、私が書いている物を入れて9冊目になります」

「なるほど……」


「アキラさんは、先日見舞いにいらしたときに転生体という言葉を聞いたと思います」

「はい。意味が分からなかったんですが」

「稗田阿礼という人物が私の先祖にいます。代々、稗田の人間は稗田阿礼の生まれ変わりなのです。そして、死ぬまで幻想郷縁起を書き、そして転生の準備を数年かけて行います。その後、死した後。100年ほど閻魔に仕えて、新しい肉体をもらってまた生まれるのです」

「そんな」

「これが運命なのです。ついでに言いますと。稗田の人間は代々30年ぐらいしか生きることができません」

「そんな。それじゃあ30年間、ずっと幻想郷縁起を書いてそして閻魔に仕えて次の体をもらうまで待つんですか」

「はい。もちろん、前世の記憶はほとんど残りません。いえ、全く残らない。といってもいいほどです」

「そんな……」

「アキラさん。私は大丈夫ですよ。気にしないでください」


 大丈夫って……。


「さて、と。アキラさん。ここからはちょっと話が変わります。今回の異変について知っているだけお話いただけませんか。それも幻想郷縁起に書きますので」

「……わかりました」


 僕は今回の異変。じいちゃんについてを話す。

 そして、


「陰陽師枝垂。陰陽師明。氷雨。すべて書き終えました。これから少しずつ修正していきますので。もしもミスがあったら教えてください」

「わかりました」


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