VS陰陽師枝垂4
「不夜城レッド!」
「レーヴァテイン」
レミリアから出る十字の炎でじいちゃんを追い込み、さらにフランの炎の剣で逃げ道を減らす。
そしてそこに妹紅さんが現れ、じいちゃんを後ろから羽交い絞めにする。そして、全身が炎に包まれた。
「無駄じゃよ。この能力は直接人に触れておると、そのものから直接力を吸収できるのじゃ!」
「ぐっ」
「作戦開始よ!」
「まずは私が行くわ。永琳」
「はい。姫」
「やはり作戦を立てておったか。無駄じゃ!」
「火鼠の皮衣」
「禁薬『蓬莱の薬』」
2人の攻撃が当たる。その間に鈴仙さんと慧音さんが準備を始める。
「行くぞ」
「はい」
「赤眼催眠」
「ファーストピラミッド」
2人からの攻撃がじいちゃんにあたり、輝夜さんと永琳さんが攻撃をやめる。
「やっぱり吸収されるわね」
「妹紅~。もうちょっと耐えなさいよ~」
無駄じゃ。わしのこの能力はあらゆる力をすべて吸収して自分の物とできる。
後ろから不死人が羽交い絞めにされ動けんが、今のわしはすべてを吸収する。無駄なことじゃ。
しかし、無駄とわかっていながらなぜ攻撃を放ってくる。
ぐっ。まずい。もうそろそろ妖力が満杯じゃ。これ以上入らん。仕方ない。力の変換を霊力に変えて再度吸収を。
む? 2人ずつ攻撃していてわずかなスキマも作らんようにしているように見える。まさか、弱点にもう気づいたのか? ありえん、あの一回で?
じゃが、耐えて見せる! 絶対に。
そろそろ一週。する頃か。まだじゃ。まだ耐えられる……。
む? 紫がこっちに手を向けて……。いかん。まさかあやつ!
「やめろ、紫―!」
これで終わりよ。こればかりは成功率が低すぎて伝えられなかった作戦。
「やめろ、紫―!」
「これで終わりよ! 枝垂!」
私の『境界を操る程度の能力』で枝垂の霊力袋を小さくする!
能力を使用して、霊力袋を小さくする。
「ぐっ。ゆ、紫……。貴様……」
「妹紅! 下がりなさい!」
私の声を聴いて妹紅が枝垂を蹴って離れる。
直後、青白い光と共に枝垂が爆発する。
「あやや。青白い閃光。霊力爆発ですね」
「ちょっと? 作戦と違くない?」
レミリアが近づいてきて文句を言う。
「仕方ないでしょ。枝垂の霊力袋をわたしの能力で小さくする。なんて、成功率は本当に低かったの。だから賭けって言ったでしょ」
「ごほっ。ごほっ」
せき込む声が聞こえ、そっちを見ると、枝垂が地面に倒れていた。
「紫……きさ、ま」
「悪いわね、枝垂。でも、これが私の答えよ。霊夢は殺させない」
「ふ、ふふふ。そうか。予想はしていた……が。本当に、こうなる、とは」
「じいちゃん」
アキラが枝垂に近づく。
「アキラ……。今から言うことはわしの遺言と思え」
「ちょっ。何言ってるの?」
「あの家はお前にやる。好きにせい。あと、わしの財産はすべてお前のものじゃ」
「じいちゃん。すぐに治療を。そうすれば」
「いらん」
スキマ!? 枝垂の下にできて枝垂を飲み込んでいる。まさか霊力爆発でボロボロの体でスキマを作ることができるなんて。
「待ちなさい。枝垂」
「博麗の巫女の血肉を使う案はやめよう。ほかの案を考えるとする」
「じいちゃん。すぐに治療しないと」
「不要じゃ。また会おう、幻想郷の諸君。次は全員が賛同するような案を考えるとするかの。アキラ、達者での」
枝垂の体がスキマにすべて飲み込まれた。
「じ、じいちゃん……」
「……。枝垂」
後日談を少しはさんで第一章終了です。




