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東方妖刀録  作者: 雨月
38/59

VS依姫

 翌日。

 客室で、日が昇ると同時に起こされ、顔を洗うと。


「はぁはぁ。はぁ」


 隣でレイセンさんと鈴仙さんのWダブルレイセン。と共に走る。


「ひぃひぃ。鈴仙さん。アキラさん。待ってくださいー」


 レイセンさんの速度が下がっていく。


「まだ21キロよ。準備運動くらい軽くこなせないと」

「準備運動で42.195キロはないですよー」


 まだ21キロ? 半分とか。死ぬってこれは死ぬ。


「鈴仙さん。すごい楽そうですね」

「つらいけど。よくやらされていたので」

「な、なるほど」

「逆にレイセンはなぜまだ慣れないのか不思議なくらいです」


 なんでこんなことに。




「さて。準備運動は終わりましたか? 全く。準備運動で一体何時間かけるつもりですか」

「はぁ。はぁ。外の世界でのマラソンで、訓練している人でも2時間30分以上かかるんですよ……」

「完走したことはほめてあげましょう。レイセンなんて、25キロで気絶していたというのに」

「ははは」


 笑うしかできない。


「さて。軽く手合せをしましょうか。3人でかかってきなさい」

「む、無理ですよ。依姫様に勝てるはずがありません」

「3人ならまだ可能性があるわよ。行くわよ、レイセン。アキラさん」

「えぇ……。妖刀融合」







 結果。

 ぼろ負け。


「てゐ! なんであんたそっちにつくのよ」

「前回もこっちについたじゃん」

「そうだけどさ……」


 てゐさんがなぜか向こうについたせいで負けた。ということにしておこう。うん。


「ふむ。なかなか筋がある。が、まだ基礎が完全に定着していませんね。今、あなたは自分の持つ才能だけで戦っている状態です。それではダメです。まずは早く基礎を定着させる必要があります」

「妖夢さんに基礎は習ったんですが。足りなかったんですか?」

「妖夢。という人物は知りませんが。確かにある程度の基礎は出来ています。しかし、この程度の基礎で満足してはいけません」

「そうですか……」

「さて、剣を構えなさい。実戦の中から基礎を学びなさい」


 あれ? それって基礎の学び方?






「それ基礎の学び方じゃないですよね!?」

「いいえ。これは正しい学び方です。よく聞くでしょう? 実戦が最も育つ方法だと」

「基礎は実戦で学ぶものじゃないでしょう!」

「いえ。実戦では基礎も学ぶこともできます」

「そんなことありませんよ。ですよね。鈴仙さん」

「え? えーと……」


 鈴仙さんが困った顔をする。ちょっとー。


「まぁまぁ。依姫もアキラも落ち着きなさい。人には人の考え方があるのよ」


 永琳さんが現れて言う。そうですけど。


「基礎を実戦で学べるわけがないじゃないですか。実戦で会得できるのは実際の戦闘能力ですよね」

「いえ。実戦はすべてを得ることのできる万能の修行法です。基礎も相手の剣から学べばいい。技もです」

「いやいやいや。ありえないですから」

「アキラさん。そんなことを言ってはキリがありません。やってみたらどうでしょう」


 鈴仙さんがそんなことを言ってくる。確かにそうだろうけど……。


「鈴仙の言うとおりです。さぁ、構えなさい」


 木刀を振り下ろしてくる。それを僕は何とか受け止める。


「くっ」

「力もつけないといけませんね」

「妖刀融合」


 妖刀融合して妖刀モードになると同時に強力な冷気を出して依姫さんを放す。


「ほう」

「氷符『ヴォ―パル・アイス』」


 氷の剣を何本も飛ばす。それを依姫さんは軽々と木刀ですべてを砕く。


「くっ。それなら」

「遅いです。祇園様の怒りに触れるといい」


 木刀を突き刺す。すると、地面から何本もの刃が出てきて動けなくなる。


「くっ」

「動かないほうがいいですよ。怒りに触れたくなければ」

「……凍符」

「罪を重ねますか。それならばそれでいいでしょう」

「『クラッシュ・アイス』」


 剣がすべて凍りつく。そして、右手を握る同時に凍りついたすべての剣が砕け、なかった。


「!?」

「その程度の攻撃で壊れると思った時点でまだ甘い。と言っているのです。仮にも神をこの身に宿して使った技です。そう簡単に壊れるハズがないでしょう」

「………それならば、誰にも見せていない。これを使います」


 誰にも見せていない。わたしの新しい技。










「ば、バカな。そんな事………」

「………すごいじゃない。アキラ」

「ありえません。物理学的にそんなものはあり得ません!」

「依姫。覚えておきなさい。妖力とはあらゆる理論を壊すことができるのです」

「だ、だからといって。これは不可能です!」


 依姫が指さす先。それを全員がその先を見ると、依姫のすべての攻撃が凍っていた。




 本来、凍らないモノまで。


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