月の姉妹
夜。永遠亭。夕食後。
「それでは、夕食後は私が稽古をつけますね」
「よろしくお願いします」
「はい。それでは、まずは何か始めましょうか」
「鈴仙さんってなにができるんですか?」
「そうですね。射撃が得意です。あ、そうです。いいことが思いつきました。私の打つ弾をよけ続ける練習です。弾幕ごっこは、より美しく回避しないといけませんから」
「なるほど」
「それではいきますよ」
鈴仙さんが手を銃の形にしてこっちに向ける。すると、
上から何かが落ちてきて、鈴仙さんの顔を踏みつけてから、少し離れたところに着地した。
「やったー。またも成功ですー」
その何かは手を上にあげて喜んでいた。
「成功してない! また私の上に降りてきて!」
鈴仙さんが、顔に靴のマークをつけて起き上がった。
「あれ? 鈴仙さん。……どうしたんですか? その顔」
そこにいたのは、頭にウサギの耳があり、キラキラ光る布のようなものを首に巻いている少女だった。
「あんたに踏みつけられた跡よ! ってレイセン。なんでここに?」
「豊姫様に、先に行ってなさい。と命令されたので」
「先に?」
「はい」
「アキラさん。早くお帰りになったほうがよさそうです」
「どうしたんですか? 鈴仙さん」
「いえ。いやな予感がするので」
? 何かあったのかな?
「まったく。そんなに私たちに会いたくないのか? お前は」
知らない声が聞こえ、そっちを見ると、ポニーテールの紫の色の髪をした女性と、金髪のふわふわの髪をした女性がいた。
「あ、あははははは。お久しぶりです、依姫様、豊姫様」
どういう状況?
「アキラ。まずは紹介するわね。月にいたときの私の教え子だった」
「綿月依姫といいます」
「私は、綿月豊姫です」
「私の昔の上司でもあります」
へ、へえー。
永琳さんが2人を紹介してくる。そして、
「私はレイセンです」
「レイセン?」
鈴仙さんと、レイセン? さんを見比べる。
「私は昔、月にいた時は、レイセン。という名前だったのですが、地上に来て、永琳師匠の元に来たとき、鈴仙の字と、優曇華院。という名前。そして姫様からイナバ。という名前をいただいたんです」
「で、私は、その鈴仙さんの跡を継いだ。というわけです」
「それで二人とも同じ名前なんですね」
「さて。そんなことはどうでもいいです。さて、鈴仙。せっかくここに来たのですから、前と同じように鍛えてあげましょうか」
「え!?」
「あはは。頑張ってください」
鈴仙さんの驚きの表情。どうしたんだろう? そして、レイセンさんがそういうと、
「何を言っているの? あなたもよ」
「うっ」
レイセンさんも黙ってしまう。
「ああ。あなたもですよ。アキラ、でしたか?」
「え? 何をするんですか?」
「明日になったらわかるわよ」
僕の質問に永琳さんが言う。何をするの?




