永遠亭での修業
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします
人里。
「霊夢。珍しいな、お前がお守りやらお札を売るなんて」
「あら、慧音。仕方ないじゃない。これしかお金を会得する方法がないんだから」
「相変わらず、賽銭はないのか」
「ええ。なんでかしらね」
「それは、あの獣道が原因だろ。あそこで妖怪に襲われるからな」
「はぁ。あんな道、整備するなんて無理よ」
「あとは、あそこに妖怪どもが集まっているのもだろう」
「あれは勝手に集まってくるのよ」
「ふむ……。それもお前の人徳なのかもしれんな」
「いやな人徳ね」
霊夢がため息をつく。
「あ、霊夢。珍しいね、霊夢が店を開いているなんて」
アキラが下りてきてそういう。あんたも珍しいとかいうのか。
「おお。アキラ。どこに行っていたんだ?」
「慧音さん。冥界に行ってたんです」
「なるほどな」
「アキラさーん」
そこに鈴仙さんがやってくる。
「アキラさん。師匠が今日、永遠亭に泊まって明日検査しましょう。と言ってましたよ」
「え? なんで?」
「さあ? あぁ。あと、稽古つけましょうか。とも言ってましたけど。アキラさん、何をしたんですか?」
「別に何もしてないけど……」
「永琳が稽古をつける。と言っていたのか?」
「はい。そうですけど」
「永琳は人に稽古をつけられるほどなのか?」
「そういえば、私が地上に降りてきたばかりのころ、少し訓練で師匠と戦ったんですけど、軽くあしらわれてしまいました」
「あんたが弱いだけでしょ」
「そ、そんなこと……」
「とりあえず、アキラ。別に泊まるのはいいわよ。ゆっくりしてきなさい」
「いやいや。妖刀はいいの?」
「いいわよ。萃香が探してきてくれてるし」
永遠亭。
「………。あの、永琳さん。なんで木刀を構えているんですか?」
永遠亭に到着したところ、永琳さんが木刀を持って、庭に立っていた。
「最近、魔法と剣術の練習をしているらしいじゃない。だから、ちょっと私も稽古つけてあげようかな。と思ってね」
「え? 永琳さん、医者ですよね? 剣術できるんですか?」
「フフ。よっちゃん以来ね。人に稽古をつけるのは」
「よっちゃん?」
「さあ。構えなさい、アキラ。まじめにやらないと。死ぬわよ」
目の前に永琳さんがやってくる。僕はすぐさま刀を抜いて、つばぜり合いをする。
「反応速度が上がっているわね。でも、まだまだよ!」
うわっ。
つばぜり合いから押され後ろに数歩下がる。
「ほら。これで終わりね」
その瞬間、首筋に永琳さんの木刀が来る。
「ふむ。でも、人間の状態での反射的行動の速度とか、いろいろと上がっているわね。これは、修行の成果かしらね」
「え、永琳さん。いきなり何をするんですか」
「言ったじゃない。稽古だって」
「た、確かに言いましたけど」
「これで代替はわかったわ。さてと、あの娘たちに合わせても問題なさそうね」
「あのこ?」
「ま、楽しみにしてなさい。優曇華、客室にアキラを」
「わかりました。それでは、アキラさん。こちらへ」
僕は刀を鞘に納めると、鈴仙さんについていく。
アキラが鈴仙について行ったあと、
「ねえ。慧音。ちょっといいかしら? 相談したいことがあるんだけど」
「別にかまわんが。どうしたんだ?」
「家でいい? どうせアキラ帰ってこないし」
「そうだな。まともな食事をとっていなさそうな雰囲気だ。私が腹いっぱいになるまで食わせてやろう」
「ありがと」
(霊夢が礼を言うとは珍しいな……)
慧音はそう思いながら霊夢と一緒に家に向かって歩く。そして、夕食後。
「さて。相談というのなんだ?」
「……。最近、私変なのよ」
「変。とは?」
「なんか、気が付いたらアキラを見ているような気がするのよ」
「ほう?」
「なんていうのかしら。私もよくわからないのよね……。アキラといると、ドキドキするし、アキラを目で追いかけたりするし。目が合いそうになるとすぐそらしちゃうけど」
「ふむ……」
「ねえ、慧音。なんか呪いでもかけられたのかしら?」
「いや。ある意味呪いでもあり、病でもあるな」
「やっぱり呪いなのね! すぐにかけているやつを探してぼこぼこにしないと」
霊夢が立ち上がる。
「座れ、霊夢。おちつけ」
「落ち着いてなんていられないわよ」
「だから落ち着け。このことに犯人などいない。いるとすれば、それはお前だ。霊夢」
「は、はあ!? 何言ってるのよ」
「しかし、そうか……。霊夢も年頃なんだな」
「何よ急に」
「本来なら自分で気づくまで言わないんだが……。博麗の巫女は代々、その手のものに弱いからな。特別に教えてやる」
「な、なによ」
「霊夢。お前のその感情は……。恋だ」
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いや。なんていうかすみません。
恋という感情はわからないもので。本とかで調べた知識をもとに書きました。




