VS天子
お久しぶりです。
仕事を初めて1ヶ月ぐらいたちました。
なんていうか……。満員電車つらい!
ホウキで落ち葉を掃く。
「………。あのときみたいな天気ね……」
霊夢?
「どうしたの? 霊夢。自分で掃除する?」
「あんたがやりなさい。嫌な予感がするわね……」
「霊夢。どうしたの?」
「アキラ。ここ数日の天気、なんだった?」
「え? ずっと晴だったと思うけど」
「……。ちょっと出かけてくるわ。もしも誰か来て、変な行動をしているやつがいたらどんな手でも使って追い出しなさい」
霊夢はそれだけ言うと高速にどこかに飛んで行ってしまった。
「……変な行動ってなにさ……」
霊夢の飛んで行った方向を見ながらつぶやく。
掃除を終わらせて落ち葉を捨てる。
「さて。霊夢もいないし、何しようかな……?」
僕だけじゃ妖刀の情報収集できないし。困った……。
ん?
「あれは……」
僕は空を見ると、そこには、帽子をかぶった青髪の人が飛んでいた。
確か天子っていう人……? なんでここに?
あ。おりてきた。
「あんた。誰よ」
僕のほうを見ながら言う。
「外来人ですよ」
「ふ~ん……。霊夢はいないのね……」
嫌な予感がするな~。
「くすっ。今なら霊夢に邪魔されないわね」
「霊夢に何か変なことをするやつはどんな手を使ってでも止めろ。と言われているんだけど」
「あら。そうなの。でも、天人である私に勝てると本気で思ってるの?」
「ここで戦えば、霊夢が気づくと思う」
「それまでに終えればいいだけ」
しめ縄のついた岩がいくつも出てきて、それが飛んでくる。
「くっ」
僕は横にジャンプしてそれを避ける。そして、縁側に置いてある妖刀を取ると、刀を抜く。そして、
「地氷剣」
妖刀融合せず刀を地面に差す。すると、地面を走るように氷が天子さんに向かう。
それをジャンプで避ける天子さん。
「そんなもの。くらうわけがないでしょ!」
「氷剣『巨大刀』」
スペカを取り出して使用する。
「なっ」
思いっきり、宙に浮いている天子さんに振り下ろす。
轟音がなる。
「よしっ……」
「くらわないわよ……」
なっ。土煙がはれたら天子さんが剣で巨大刀を受け止めていた。
「天人なめないでよ!」
しめ縄のついた岩が巨大刀の横にいくつもぶつかってきて巨大刀が砕けた。
「妖刀融合」
妖刀モードになる。
「……。なによそれ……」
「能力よ。氷符『ヴォ―パル・アイス』」
氷の剣がいくつも飛ぶ。それを天子さんが高々と飛んで避ける。
「要石『天地開闢プレス』
巨大なしめ縄のついた岩が降り注いできた。
避けられない……。防ぐしかない……。
「金符『シルバー・ドラゴン』」
妖力とは違う力が減るのを感じると、銀色のドラゴンが現れて、しめ縄のついた岩を防いだ。
「いい? まず、あなたは妖力をいつも使っているわ。でも、魔法は魔力を使うことになる。さすがにこれはわかるわよね?」
「はい」
「霊力、気、魔力、妖力、神力。この5つの力は使い方が似てはいるけど、全くの別物なのよ。お互いの力を打ち消してしまうこともあるわ。妖力と魔力の両立は打ち消されることがないから安心しなさい。でも、逆に相反する力を合わせることで強力な力を得る技術も存在するらしいけど、そんなのは覚えなくていいわよ。とにかく、あなたは魔力の使い方を体で覚えること。そのために、あなたにはこれを使ってもらうわ」
パチュリーさんがスペルカードのようなものを渡してくる。
「スペルカード?」
「ちょっと違うわ。それは、名前ないけど。そうね、とりあえず、『簡易スペルカード』とでもつけておこうかしら。一部の天狗や外来人のため。といった感じかしら。天狗にはいまだに弾幕ごっこをしたことないのがいるのよ。で、弾幕ごっことはどういうものなのか、知ってもらうために作ってみたの」
「なるほど……」
「で、これはだれかのスペルを入れることで、他人も使用することができるというものよ。これは私の魔法のスペルだから、使用した人の魔力を消費するわ。アキラ、あなたはこれで私の魔法を使って、魔力を使うにはどうすればいいのか。魔力とはなんなのか。体で覚えてもらうわ。弾幕ごっこをするとき、必ず1枚は使うこと。いいわね」
銀のドラゴンが消える。そして、岩もばらばらに砕けたため、天子さんが落ちてくる。
私は上空に氷の柱をいくつも作り出すと、天子さんの周りに八角形の点の位置に落とす。
「結界『氷縛陣』」
スペルカードを取出し、軽く宙に浮かせるように投げると、握りこぶしを作って、ハンマーのようにこぶしを振り下ろしてカードを地面にたたきつけた。
すると、天子さんを中心に陣が現れて回りの氷の柱から氷の縄が出る。それが天子さんに巻きつき、地面に縫い付けられた。
「なっ……」
「はぁ。はぁ」
「この。ほどきなさい!」
「なに無茶を言っているんですか……」
「よくやったわ、アキラ」
霊夢の声が聞こえ、上を向くと、霊夢と、前に地底で天子さんと会ったとき、後ろにいた女性がいた。
「総領娘様がご迷惑をかけすみません。私は永江衣玖といいます。以後、お見知りおきを」
「アキラです。はじめまして」
「総領娘様。帰りますよ。神社へのいたずらはすでに一度やったじゃないですか」
「ありえない! 天人である、私が負けるなんて」
「総領娘様。あなたが起こした異変を一度思い出してください。そのときも霊夢に負けていたじゃないですか」
「霊夢は別。こいつ人間には見えないから! でも、こんな外来人ごときに負けるなんて!」
「ちょっと待ちなさい。まるで私が人外みたいな言い方やめてくれない?」
「霊夢は人外でしょ?」
「そうか。そういうことね。そんなに天界に早く帰りたいならすぐさま返してあげる。アキラ、縄を解いて」
「はいはい」
私は、天子さんを縛り上げている縄を消す。すると、霊夢の体が消える。
「やばっ」
天子さんはすぐさま起き上がって逃げようとするが、
天子さんの後ろから霊夢が出てきて天子さんを蹴飛ばす。
そして札をいくつも天子さんに投げると、霊夢の姿が消える。
札が天子さんにあたると、すぐ近くに霊夢が現れ、上に蹴飛ばす。またも消えて、飛ばされている最中の天子さんをまたも蹴り上げる。それを何度も何度も続ける。
「……。噂には聞いていましたが、本当に何の準備もなく、空間の連続性を否定するとは……」
衣玖さんが上空で蹴飛ばされている天子さんを見ながら言う。そして、
「それではアキラさん。失礼します」
衣玖さんはそういって霊夢たちのほうに向かって飛ぶ。
「とどめ!」
霊夢の蹴りで見えないほど高く飛ばされる天子さん。そして、それを追いかける衣玖さん。
「おかえり、霊夢」
「まったく。あの天人は……」
「それにしても、霊夢ってテレポートでもできるの?」
「テレポート?」
「え~と、空間転移? かな。日本語に直すと」
「空間転移? そんなことしてないわよ。まっすぐ進んで蹴飛ばしてただけじゃない」
「え?」
もしかして、テレポートしていたことに気づいていない!?
「アキラ。お茶いれて」
霊夢はそういうと、神社の中に戻っていった。
「もしかして、霊夢ってものすごい天才? 修行しているところ見たことないし」




