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東方妖刀録  作者: 雨月
30/59

魔法の才能

「………」


 アリスさんの家で紅茶を飲む。


「あー、もう! いつまで落ち込んでるのよ! 魔理沙」

「だって、魅魔様。また……」

「はぁ。あんた魅魔依存症ね」

「師匠のことを考えて何が悪いんだ」

「弟子はいつか師から離れるものよ。だから魅魔は自分から距離を取ったんじゃない? 独り立ちさせるために」

「………」

「あんたも弟子の1人でもとってみたら? そうしたら魅魔の気持ちがわかるんじゃない? ま、もっとも。あなたなんかに弟子入りしようと思う子はいないと思うけど」

「………」

「あの、アリスさん。言い過ぎじゃ?」

「大丈夫よ、アキラ。こんなことで落ち込むやつじゃないし」

「話変わるんですけど、アリスさん」


「なに?」

「その周りで忙しそうに動いている人形って自動で動いているんですか?」

「……全手動よ」

「え? 全部糸で操っているんですか」

「そうよ」

「本当かどうか怪しいもんだけどな」


 魔理沙がつぶやく。

 よく見ると、アリスさんの左手が忙しそうに動いている。主に指だけど。


「で、魔理沙。あなたいつまで魅魔の後ろを追いかけるつもり?」

「………」

「金魚の糞じゃあるまいし、いつまでもくっついてないで。少しは自立しなさい。それにあの魅魔のことだし、あなたがもっと強くなって、師離れできたら。いつでも出てくれるようになるわよ」

「………」










「失礼します」

「ん?」


 僕が神社の庭に落ちた落ち葉をホウキで掃いていると、聞いたことのある声が聞こえ、そっちを向く。


「咲夜さん。お久しぶりです」

「はい。お久しぶりです。パチュリー様がお呼びですのでお迎えに上がったのですが」

「パチュリーさんが?」

「行って来れば?」

「あ。霊夢」


 いつの間にか、霊夢が近くにいた。


「行って来ればいいじゃない。どうせ、妖怪めぐりするつもりはなかったし」

「わかった。昨夜さん。少し待ってください。妖刀持ってくるので」

「はい。ゆっくりでよろしいですよ」


 僕は縁側に置いてあった妖刀をとる。そして、


「妖刀融合」


 いつも通り妖刀融合して、背中に氷の翼を作る。


「では、いきましょう」


 昨夜さんが空を飛ぶ。私もすぐあとに追いかける。


「今日中に帰ってきなさいよ~」


 霊夢のそんな声が聞こえ、わかった。と返事をして紅魔館へと飛ぶ。





 紅魔館。地下、図書館。

「待ってたわよ、アキラ。久しぶりね」

「お久しぶりです。パチュリーさん」

「咲夜。紅茶を4人分入れてもらえるかしら」

「4人……ですか? パチュリー様」

「ええ。あと2人来る予定だから」

「わかりました」


 咲夜さんが紅茶を入れる。そして、4人分入れ終わると、


「おーす」

「来たわよ、パチュリー」

「魔理沙? アリスさん?」

「来たわね。2人とも」


 魔理沙とアリスさんが図書館にやってきた。なんで?


「さて、と。咲夜の紅茶でも飲みながらゆっくり話しましょう」


 全員、テーブルに座ると、紅茶を一口飲む。


「なんで3人を呼んだかというと、アキラについて調べた結果。アキラに魔法使いになれる才能があることが分かったのよ」

「「「え?」」」

「昨日、魔法の森にアキラを行かせたのはそういうわけ」

「魔法の才能ね……。確かに魔法の森にいても全く体調を崩すことがなかったけど」

「でも、才能があっても教えるものがいなければ意味がない。ということで、誰に教わりたいか。アキラに選んでもらおうと思ったわけ」

「なるほどな」

「魔理沙にはちょうどよかったわね。弟子でもとったら? って話してたし」

「え? え? え?」


 混乱してきた。魔法の才能? なんで?


「……アキラが混乱し始めたわ。少し落ち着くのを待ちましょう」




 数分後。


「さて、落ち着いた? アキラ」

「はい」

「それじゃあ、魔法を習いたい?」

「魔法……ですか」

「妖刀融合できる前に妖刀を突き放されたらどうするつもりなの? その時の戦い方も会得しておいた方がいいと思うわ」

「………そうですね……」

「基礎だけならすぐに会得できるし。別に不老にならなくてもいいのよ。どうする?」

「でも、魔法の才能があるって。外来人の僕にそんな力、ないと思うんですが」

「あら。その『妖刀を操る程度の能力』はどうなの? 外来人のあなたが持ってるじゃない」

「それもそうですね……」

「しかし、アキラは戦闘系の能力にかなりの才能があるわよね。そういう家柄なのかしら」


 あの名字から考えると、そうなのかもしれない。


「さて。アキラ。誰を師にとるか選んでもらうわよ」

「えっと。絶対に選ばないといけないんですか?」

「もちろんよ。ちなみに、私やアリスを選んだからと言って、不老にさせたりしないから安心なさい。望んだらやり方を教えるけど」

「誰にする? 私を選べば、人形を自在に扱えるようになるわよ。人形ってかなり便利よ?」

「へっ。人形なんてちまちましないで、男らしくでかい一撃を打つ方がいいに決まってるだろ。弾幕はパワーだぜ」

「あら。いくつもの属性魔法を使う方がどんな相手でも戦えるわよ。あなたは光だけじゃない。それよりもいくつも属性を使えた方がいいに決まってるわ」

「あら。私だって、これでも一応7色の魔法使いなのよ。一応、いろんな魔法が教えられるわよ」

「そんな小細工して何が楽しいんだ? パワーだろ。パワー。弾幕はパワーだぜ」

「そのパワーが通用しない相手にはどうする気よ、魔理沙」

「えっと……。絶対に選ばないとダメですか?」

「ええ。アキラ、はっきり言うけど、あなた氷が通用しない敵と会ったらどうするつもり? 手段はいろいろと方法があったほうがいいわ。それに……」

「それに?」

「なんか、嫌な予感がするのよね。大きな戦いが始まるような……」

「なんだそれ」

「嵐の前の静けさ。と言うわけじゃないけど」

「歯切れが悪いな。説明しろ、パチュリー」

「うるさいわね。予感なんだから説明しようがないわ」

「まぁ、魔法は覚えておいて不要になることはないと思うわ。アキラ、誰を師にするか選んだ方がいいと思うわよ」

「え~と、それじゃあ………」


文「さあ。アキラさんは誰の弟子になるのか」

アキラ「楽しそうですね」

文「楽しいですよ。ここ数話、まったくスペルカード紹介できませんでしたから、やる気満々ですよ!」

霊夢「はい。これ」

文「ありがとうございます、霊夢さん」


氷壁『アイスシールド』


アキラ「ただ氷の壁を作って防御するだけですよ?」

霊夢「でも、硬いわよね」

文「ちなみに、いくつ作れます?」

アキラ「ん~。妖力切れになるまで?」

文「ですよね……。同時にいくつ作れます?」

アキラ「ん~。やったことない」

文「今度試してみましょうよ」

霊夢「今度ね」

 

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