7色の魔法使い
旧作の魔界メンバーは全員家族の設定です。魔界家族っていうのかな? よくわかりませんが……。その設定が嫌いな方すみません。
数日後。
「ん?」
霊夢が本を一冊手に取る。
「霊夢? どうかしたか~?」
萃香が縁側に座りながら、霊夢のほうを向いて聞く。
「この本。誰の?」
「ん~? 魔理沙のじゃないか? 昨日来てたし」
「……どうせ、パチュリーのところから盗んできたんだろうけど……。ま、いっか。アキラ、魔理沙のところに返してきて」
「え!? なんで僕が?」
「ちょうど魔法の森、行ったことなかったじゃない? ちょうどいい機会だし、行って来たらどう?」
「魔法の森?」
「そ。魔理沙の住んでいるところ。普通の人間にはちょっと危険だけど……。アキラなら大丈夫でしょ」
「ちょっ。何その勝手理論」
「いいじゃない。空飛ぶ練習にもなるし。魔理沙と弾幕ごっこでもしてくればいいじゃない」
「弾幕ごっこはしなくていいよ。魔理沙とやると疲れる……」
「そう? 魔理沙の家でも見てきたらいいじゃない」
霊夢が本を渡してくる。
「……。どこに行けばいいわけ?」
「そっちよ。まっすぐ行けば家があるわよ」
霊夢が指をさす。
「わかった。行ってくる」
「迷子になったら助けに行くわ。がんばってね」
僕は腰に刀を差すと抜いて妖刀融合をする。そして、氷の翼を作る。
「じゃ。行ってくる」
翼を羽ばたいて空を飛ぶ。そして、霊夢の指差したほうへと飛ぶ。
「………」
「霊夢霊夢」
「なによ?」
「なんでアキラに行かせたんだ?」
「………。パチュリー。言われた通りにしたわよ。何がしたいのよ、あなたは」
「パチュリーがそうしろって言ったのか?」
「そうよ。何がしたいんだが……。ちょっとパチュリー、聞いてるの?」
『ありがとう、霊夢。ちょっとアキラについて調べたいことがあったから。それには魔法の森に行く必要があるのよ』
「ふ~ん」
「霊夢。大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないの?」
知らないわよ。そんなの。
翼を羽ばたいて空を飛ぶ。そして、小さな家のようなものがあったのでそこに降りてみる。
「よっと」
地面直前に一度羽ばたいて、速度を下げて着地する。
背中の氷の翼がばらばらに砕ける。そして妖刀モードを解除する。
「ここが魔理沙の家だといいんだけど……。というか、この森。神社の近くと違ってなんか不穏な空気が……」
「お。アキラじゃないか。どうしたんだ? こんなところに」
家から魔理沙が出てきた。
「魔理沙。これ、神社に忘れて行った?」
「ん? おお。どこに行ったのかと思ったら神社にあったのか。ありがとな、アキラ」
「またパチュリーさんのところから盗んできたの?」
「盗んだとは聞き捨てならないぜ。私が死ぬまで借りてるだけだ」
「それを盗んだっていうんじゃないの?」
「あのな。あたしは人間なんだ。あいつらより寿命が短いんだぞ。別にいいじゃないか」
「そういう問題じゃないと思うけど」
なんだろう? この自分勝手理論。
「魔理沙~」
ん? 知らない声が聞こえ、そっちを向くと、金髪のショートカットの少女がいた。
「アリスじゃないか。どうしたんだ?」
「暇だしあなたとお茶でも。と思ったんだけど……。誰?」
「ああ、アキラのことか? そういえば、会ったことなかったな」
「えっと。はじめまして。アキラといいます。外来人です」
「アリス・マーガトロイドよ。よろしくね」
アリスさんは、僕のほうをじっと見ている。え? なに?
「……人間よね? さっき感じたことない妖力があったからあなたかと思ったんだけど……。外来人って言ってたから違うわね」
「いや。アリス。多分、それアキラだ」
「え?」
「アキラ。見せてやってくれ」
「妖刀融合」
また妖刀モードになる。
「え? なによ、それ。妖怪化……した?」
「これがアキラの能力だ。アキラの能力は一時的に妖怪化することなんだぜ」
「ちょっと違うけど。まぁ、そんな感じ」
「なるほどね~……」
アリスさんがじろじろと見る。そして、
「詳しい話聞きたいから、一緒にお茶にしない? 私の家で」
「お。いいじゃないか。行こうぜ、アキラ」
「ええ」
私は妖刀モードを解除する。そして、アリスさんの後ろについていく。
「アリスさんは、妖怪なんですか?」
「そうね……。一応、妖怪に分類されると思うわ。元人間だけどね」
「元?」
「今は魔法使いね」
「魔法使いって魔理沙やパチュリーさんみたいな?」
「ん~? 魔理沙は少し違うわね。パチュリーのほうが近いかな?」
? 同じ魔法使いじゃ?
「パチュリーと魔理沙の違いはなんだと思う? 答えは、種族の違い。魔理沙は魔法が使える人間って分類になるの、種族人間ってわけ。それと違って、パチュリーは種族魔法使い。ってなるわけ」
「じゃあ、アリスさんは?」
「私は、人間から魔法使いになったパターン。魔法使いには2種類あるのよ、魔理沙は抜いてね」
「おいおい。あたしを抜くな」
「生まれた時から魔法使いという種族のパターンと、人間だったけど、魔法使いになるパターン。私は後者」
「じゃあ、たとえば、魔理沙が魔法使いになるにはどうすればいいんです?」
「あたしはなるつもりないぜ」
「ある魔法を会得すればなるわよ。不老になって、ご飯食べなくても、寝なくてもいいようになるのよ。まぁ、私はなったばかりだから、食事もとるし、睡眠もとってるけどね」
「不老ですか……。魔理沙はならないの?」
「不老なんて興味ないしな。あたしはこのままのほうが楽しいぜ」
「魔理沙はこういうやつなのよ」
アリスさんがため息をつく。そして、
「見えてきたわ。私の家」
白い洋館が見えてきた。その洋館の扉の前に、
「アリスちゃん。アリスちゃーん」
変な女性が扉をたたいてアリスさんの名前を叫んでいた。
「あれって確か……」
魔理沙がつぶやくと、アリスさんは180度回転して、僕らのほうを見る。
「魔理沙の家でお茶にしましょう。神社でもいいわ」
「名前叫んでますけど?」
「あんな人は知らないわ。さっさと行きましょう」
いいのかな……?
「あー! アリスちゃん、見っけ!」
あ。見つかったみたい。
アリスさんはため息をつくと、女性が一瞬で目の前にやってきた。
「何の用ですか? 神綺様」
「あぁん。アリスちゃん、他人行儀。いつも通り、ママって呼んでよ」
「で? 何の用ですか? 神綺様」
ママ? ってことはアリスさんのお母さん?
「アリスちゃん~~」
「何の用ですか? 神綺様」
やばい。アリスさんの目がなんか怖い。
「む~。アリスちゃんに会いに来たのよ」
「仕事はどうしたんですか? また夢子姉さんに仕事押し付けてきたんですか? 夢子姉さん、今頃かなり怒っていると思いますよ?」
「だってだって。夢子ちゃん。私に仕事押し付けてアリスちゃんと会わせないようにしてるんだもの」
「それがあなたのノルマなんじゃないですか? いい加減ちゃんと仕事したらどうですか。夢子姉さんがかわいそうですよ」
「そんなことない! 最近、夢子ちゃん。自分の仕事、私にやらせてるもの。毎日仕事量増えてるもの!」
「それだって神綺様がちゃんと仕事しないからでしょう? 自業自得です」
「ひどい! アリスちゃん、ひどい」
「行くわよ。魔理沙、アキラ」
空を飛ぶアリスさん。魔理沙もホウキにまたがって飛ぶ。
「ちょっ。まって」
妖刀融合して、すぐに氷の翼を作る。そして追いかける。
「いいんですか? アリスさん。母親じゃ?」
「一応母親だけどね。迷惑なのよ。仕事もしないで姉さんたちに迷惑かけて。いくら私が末っ子だからって」
「なんで様づけで?」
「ん? ああ、あの人は魔界神。魔界を作った人なのよ。ダメ神様だけどね」
「魔界を作った!?」
「ええ。魔界を作って、住民も作った」
あれが神様……。神奈子さんや、諏訪子さんと全然違うな~。
「もう! 待ちなさい!」
うわっ。目の前に神綺さんが翼をはやしてやってきた。
「なんでそう冷たいのよ」
「仕事しないからです」
「今日のノルマは終えてからきてます」
「………夢子姉さん。そんなこと言ってますけど?」
「確かに仕事の8割は終わってましたね。ですが、残り2割が終わっていませんでした」
「え?」
いつの間にか、神綺さんの後ろにメイド服を着た女性がいた。
「夢子ちゃん!?」
「探しましたよ、神綺様」
「ちょっと待って。8割って私は全部やったよ」
「ええい、うるさい! 娘に迷惑かけるんじゃないよ!」
そして、魅魔さんが現れ、神綺さんに拳骨をする。
「痛い! 魅魔、何をするのよ」
「だから娘に迷惑かけるんじゃないよ。帰るよ」
「魅魔様!」
魔理沙が大声を出す。そして、
「……強くなったようだね。だけど、まだまだ。もっと修行しな、魔理沙」
魅魔さんがそういうと、3人の姿が消えた。
「魅魔様!」
調べたところ、旧作は。魅魔とかも、どうやら自機として使えたらしく、エンドがそのキャラごとにあったと出てきました。しかも、魅魔エンドだと、アリスがメイドになっているらしいし。というわけで今でも魅魔と神綺は交流がある設定に勝手にさせてもらいました。
またもスペカ紹介なしです。すみません。最初に紹介しすぎた。まさかネタ切れになりかけるとは。




