死神と閻魔
数時間後。
「意外と売れるな~」
まったく売れないと思ったのに。
「ん? アキラ。だったっけ?」
「えっと。藤原さん?」
「妹紅でいいよ」
何かがたくさん入っている袋を担いでいる妹紅さんが現れた。
「大丈夫ですか? 氷漬けにしてしまいましたが……」
「大丈夫よ。私は不死だから」
不死だから大丈夫って……。
「何を売ってるの?」
「えっと、お札とかお守りを。博麗神社の倉庫に埋もれてまして」
「……効果はあるみたいね」
「わかるんですか?」
「お札ならね。ほら、私の服と髪。お札ついているじゃない?」
「そういえば、そうですね」
「だからお札なら何とかわかるのよ」
あのお札。何に使うんだろう?
「そういえば、どうしてここに?」
「ん? ああ。タケノコを採ったから、それを売りに来たの」
「タケノコですか」
「そ。迷いの竹林でとれたタケノコ」
「なるほど……」
「じゃ、がんばってね」
妹紅さんはそういって歩き出す。
さらに数時間後。
「………」
そろそろ店じまいした方がいいかな?
「ん? お札とお守りかい?」
「え?」
え? いつの間にか赤い髪で大きな鎌を持った女性がいた。
「見たことない顔だね。新入りかな?」
「は、はい。アキラといいます。外来人です」
「あたいは小野塚小町。死神なんかやってるよ」
し、死神!?
つい、反射で後ろに下がってしまう。
「ん? ああ。心配はいらないよ。あたいはお迎えの死神じゃない。死者を三途の川を渡らせる係りだから大丈夫だよ」
「じゃ、じゃあ、その鎌は?」
「ん? ああ。これ、偽物。なにも切れない」
「え?」
「持ってた方が死神っぽいだろ? だから持たされてる。結構人気あるらしいぜ」
「そ、そうなんですか……」
「アキラは、今どこで暮らしているんだい?」
「神社です」
「神社? 博麗神社か? あんなところでよく暮らせるな」
「確かに人里から離れてますけど、そこまで問題ないですよ」
「お金ないだろ?」
「それを稼ぐために今こうして売ってお金を稼いでいるんですが」
「なるほどな」
「ところで、小町さんはここで何をしているんです?」
「ん? ああ、さぼり」
「え?」
「ちょっと休憩だよ。休憩」
「今、さぼりって」
「空耳さ」
「いえ。私の耳には、さぼり。という言葉がよく聞こえましたよ」
知らない声が聞こえ、そっちを見ると、変な恰好の女性がいた。
「し、四季様」
「小町! あなたという人は」
1時間後。
「クドクドクド」
「し、四季様。もう暗くなりそうなんですが……」
「黙りなさい、小町!」
「し、しかしですね。アキラが困っているんですが……」
「アキラ?」
「そこ……」
あ。小町さんを説教していた人が僕の方を向いた。
「……見たことない方ですね」
「外来人だそうですよ」
「なるほど」
説教をやめて、僕の方にくる。
「ふむ……。私は四季映姫。閻魔なんかをやっています」
え、閻魔!?
「は、はじめまして。アキラといいます。」
映姫さん(さま?)は僕をじっと見つめ、
「あなたは……まさか……。いや、そんなはずは」
? どうしたんだろう?
「まあ、いいでしょう。小町。行きますよ。さぼりは許しません。どのような罰がいいでしょうか? 休憩なしで1月働け。と言っても、小町はさぼりますし。これはトイレ掃除、一月がいいでしょうか」
「えぇ~」
「黙りなさい、小町。あなたは反論できる立場ではないはずですよ」
「はい。四季様」
歩き出す2人。
「アキラ、またな~」
小町さんが最後にそういうと、2人の姿が消えた。
「消えた……?」
とりあえず、もう暗いから帰ろう。と、片づけを始めた。
「……まさか。そんなバカなこと……」
「どうしたんですか? 映姫様」
「いえ。私の思い過ごしだといいんですが……」
「だから、どうしたんですか? 映姫様」
「……あの、アキラ。という少年について調べてみる必要がありそうですね」
「え? どうしてです?」
「ああ。小町。あなたは、罰が残っているでしょう。そちらをやりなさい。調べるのはほかの者にやらせます」
「えぇ~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
行けるかもわからない第二期の伏線です。
言ってどうする。
いまだに第一期が終わるきざしすらないというのに。




