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東方妖刀録  作者: 雨月
28/59

死神と閻魔

 数時間後。


「意外と売れるな~」


 まったく売れないと思ったのに。


「ん? アキラ。だったっけ?」

「えっと。藤原さん?」

「妹紅でいいよ」


 何かがたくさん入っている袋を担いでいる妹紅さんが現れた。


「大丈夫ですか? 氷漬けにしてしまいましたが……」

「大丈夫よ。私は不死だから」


 不死だから大丈夫って……。


「何を売ってるの?」

「えっと、お札とかお守りを。博麗神社の倉庫に埋もれてまして」

「……効果はあるみたいね」

「わかるんですか?」

「お札ならね。ほら、私の服と髪。お札ついているじゃない?」

「そういえば、そうですね」

「だからお札なら何とかわかるのよ」


 あのお札。何に使うんだろう?


「そういえば、どうしてここに?」

「ん? ああ。タケノコを採ったから、それを売りに来たの」

「タケノコですか」

「そ。迷いの竹林でとれたタケノコ」

「なるほど……」

「じゃ、がんばってね」


 妹紅さんはそういって歩き出す。





 さらに数時間後。


「………」


 そろそろ店じまいした方がいいかな?


「ん? お札とお守りかい?」

「え?」


 え? いつの間にか赤い髪で大きな鎌を持った女性がいた。


「見たことない顔だね。新入りかな?」

「は、はい。アキラといいます。外来人です」

「あたいは小野塚小町。死神なんかやってるよ」


 し、死神!?

 つい、反射で後ろに下がってしまう。


「ん? ああ。心配はいらないよ。あたいはお迎えの死神じゃない。死者を三途の川を渡らせる係りだから大丈夫だよ」

「じゃ、じゃあ、その鎌は?」

「ん? ああ。これ、偽物。なにも切れない」

「え?」

「持ってた方が死神っぽいだろ? だから持たされてる。結構人気あるらしいぜ」

「そ、そうなんですか……」


「アキラは、今どこで暮らしているんだい?」

「神社です」

「神社? 博麗神社か? あんなところでよく暮らせるな」

「確かに人里から離れてますけど、そこまで問題ないですよ」

「お金ないだろ?」

「それを稼ぐために今こうして売ってお金を稼いでいるんですが」

「なるほどな」

「ところで、小町さんはここで何をしているんです?」

「ん? ああ、さぼり」


「え?」

「ちょっと休憩だよ。休憩」

「今、さぼりって」

「空耳さ」

「いえ。私の耳には、さぼり。という言葉がよく聞こえましたよ」


 知らない声が聞こえ、そっちを見ると、変な恰好の女性がいた。


「し、四季様」

「小町! あなたという人は」






 1時間後。

「クドクドクド」

「し、四季様。もう暗くなりそうなんですが……」

「黙りなさい、小町!」

「し、しかしですね。アキラが困っているんですが……」

「アキラ?」

「そこ……」


 あ。小町さんを説教していた人が僕の方を向いた。


「……見たことない方ですね」

「外来人だそうですよ」

「なるほど」


 説教をやめて、僕の方にくる。


「ふむ……。私は四季映姫。閻魔なんかをやっています」


 え、閻魔!?


「は、はじめまして。アキラといいます。」


 映姫さん(さま?)は僕をじっと見つめ、


「あなたは……まさか……。いや、そんなはずは」


 ? どうしたんだろう? 


「まあ、いいでしょう。小町。行きますよ。さぼりは許しません。どのような罰がいいでしょうか? 休憩なしで1月働け。と言っても、小町はさぼりますし。これはトイレ掃除、一月がいいでしょうか」

「えぇ~」

「黙りなさい、小町。あなたは反論できる立場ではないはずですよ」

「はい。四季様」


 歩き出す2人。


「アキラ、またな~」


 小町さんが最後にそういうと、2人の姿が消えた。


「消えた……?」


 とりあえず、もう暗いから帰ろう。と、片づけを始めた。


「……まさか。そんなバカなこと……」

「どうしたんですか? 映姫様」

「いえ。私の思い過ごしだといいんですが……」

「だから、どうしたんですか? 映姫様」

「……あの、アキラ。という少年について調べてみる必要がありそうですね」

「え? どうしてです?」

「ああ。小町。あなたは、罰が残っているでしょう。そちらをやりなさい。調べるのはほかの者にやらせます」

「えぇ~」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

行けるかもわからない第二期の伏線です。


言ってどうする。


いまだに第一期が終わるきざしすらないというのに。

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