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東方妖刀録  作者: 雨月
25/59

VS勇儀

就活で、試験があるため、当分更新できません。

 地霊殿を出て、門の前。


「妖刀融合」


 妖刀モードになる私。そして、


「アキラさん。その妖刀ですが、もしかすると――」


 さとりさんが何か言おうとしたところ、後ろに何か気配を感じて後ろを向く。


「どうかしましたか?」

「後ろに何かいた気配がしたんですが……」

「あの子かしら? でも、あの子は気配がないはず」

「気配というか、私が常に出している冷気が変なところで反射といいますか、途切れているといいますか。そんな感じがしているんです。今でも移動中です」

「こいしですね。出てきなさい、こいし」


 さとりさんがため息をつきながら言うと、


「なんでばれたんだろう?」


 帽子をかぶったさとりさんに似た少女が突如現れた。胸元にさとりさんと似た球みたいなのがある。


「冷気の途切れは無意識で感じなくなるはずなんだけど……」


 私の顔を覗き込みながらつぶやく少女。


「アキラさん。紹介します。私の妹の古明地こいしです」

「………」


 さとりさんから紹介された直後。こいしさんの姿が消えた。


「すみません、アキラさん。こいしはある事情で、心を読む第3の目を閉じてまして。その影響で無意識ですべてをやるようになってしまったんです。姿が見えなくなるのも人の無意識の中に紛れるからなんです」

「なるほど………」


 もう近くにいないのかな……? 冷気の途切れを感じない……。


「じゃあ行くわね。さとり、世話になったわね」

「いえいえ。お気を付けください」


 そう言って空を飛び始める。そして、


「萃香。勇儀は見つけた?」

「もちろん。こっちだよ~」

「こっちだよ~ってあんた今霧になってるのよ?」


 霊夢がそういうと、ちっちゃな萃香さんが現れた。


「こっちこっち」


 小さい萃香さんの後ろをついていく。そして、


「ここだよ」


 チビ萃香さんがそういうと、また霧になる。そして、少し先に額から角の生えた女性が歩いていた。


「いたわね……」


 霊夢はそういうと、その女性に近づいて、


「勇儀。ちょっといい?」


 女性の前に着地しながら霊夢が言う。


「おう。霊夢じゃないか。どうしたんだ? こんな地底に」

「ちょっとあんたに用があってね」

「ほう。聞いてやりたいが、ちょっとこれから仕事でな。少し待ってもらいたいんだが」

「時間はとらせないわ。これから見てもらうものを知っているかどうかだけだから」

「ふむ……。何を見せるつもりなんだい?」

「見せるわよ。アキラ、妖刀モードを解除しなさい」

「う、うん」


 妖刀モードを解除して男に戻る。


「人間……。なるほど、妖刀融合か」

「あんたにはこの妖刀の名前を知っているかどうかを聞きたかったの」

「すまんが、妖刀の名前は1つも知らんな。他をあたってくれ」

「そう。わかったわ。ありがとね」

「ちょっと待ちな。その妖刀融合をしてた男。強いのか?」

「あんたも萃香と同じこと言うのね。一応、弾幕ごっこで萃香に勝ったわね」

「なるほどな……。おい、そこの男。名前は?」

「えっと。アキラです」

「アキラか。アキラ、構えな」

「ちょっ。この展開、すごいデジャブなんだけど」


 妖刀融合する私。


「四天王奥義」


 え? 奥義? いやな予感しかしない。


「1歩」


 1歩進む勇儀さん。


「2歩」


 さらに1歩進む。どんどん近づいてくる。まずい。


「くっ。七重氷壁!」


 私は目の前に7つの氷の壁を作る。そこに、


「3歩必殺!」


 3歩目と同時に拳が振られ、7つの氷の壁が一瞬にして砕ける。

 私はそのタイミングで空に飛ぶ。


「はっ。この程度の氷であたしたち鬼の拳を止められると思うなよ」


 うそでしょ? あの氷壁。7つとも一番硬くしたのに、たった1撃で砕けるなんて……。


「やるじゃないか。氷が砕けた隙に上に飛んだのか」

「氷符『ヴォーパル・アイス』」


 氷の剣を作る。


「いいのか? そんな隙だらけで」

「え?」

「まだ終わってないぜ」


 直後。あたり一面に小さな粒の妖力弾がいきなり現れた。ちょっとでも動いたら妖力弾にあたる密度。


「うそ……」

「これがあたしのスペル。四天王奥義『三歩必殺』さ。終わりだよ」

「凍符『クラッシュアイス』」


 あたり一面に冷気を出して弾幕を凍らせる。


「砕けなさい!」


 右手を握る。すると、弾幕が砕ける。


「ほう。霊夢。こいつ、なかなかやるじゃないか」

「あら。もう見定めちゃったの?」

「いやいや。楽しくなってきたばかりじゃないか」


 私はまだ空中に残っているヴォーパル・アイスを飛ばす。


「おっと」


 それを軽々とよける勇儀さん。


「さて。もっと楽しませてくれよ!」


 まずいって。勝てる気がしない。


「勇儀!」


 知らない声が聞こえ、そっちを向くと、エルフみたいな耳をした人がいた。


「おう。パルスィじゃないか。どうした?」

「どうしたもなにも。これから橋を直す予定だったじゃない。それなのにこんなところで弾幕ごっこ? まったく、妬ましいわね」

「いや~。すまんすまん。つい楽しくなってきてな」


 空を飛び始め、私のほうに向かってきていた勇儀さんはパルスィと呼ばれた人のところに行った。


「まったく。妬ましいわね」

「霊夢」


 私は下に降りて霊夢の近くに着地する。


「なに?」

「あれは?」

「橋姫ね」

「橋姫?」

「なんだったっけ? 忘れたわ。でも、あの妖怪は人の嫉妬心を操る能力を持っていたと思うわ。本人は妬ましい妬ましい言ってるだけだけど」

「ふ~ん」

「ほら。さっさと来なさい。橋が直らないと私の居場所がないじゃない」

「あー。はいはい。わかったから引っ張るな」


 勇儀さんは腕を引っ張られながらいい、


「というか、あの橋どうして壊れたんだ?」

「なんか、変な剣としめ縄のついた岩を持った女が高笑いしながら壊していったのよ。妬ましい」

「……変な剣としめ縄のついた岩を持った女?」


 霊夢が聞き返す。


「そうよ。秩序のない地底を私が納めてあげる。とか言いながらどこかに飛んで行ったわ。秩序がないって、あるわよ。妬ましいわね」

「おーーーーほっほほ」


 高笑い?


天子てんこ。やっぱりあなただったのね」


 霊夢は白と赤の球を4つ浮かべながら言う。


天子てんし! 天子てんこじゃない。天子てんし!」

「うっさいわね。そんな漢字じゃ、天子てんことしか読めないわよ」

「霊夢。だれ?」

「天人よ。覚えなくていいわ」

「ちょっ。なにその扱い!」

「で? なんでこんなところにいるのよ」

「フフフ。それはね」


 てんこ? さん、が理由を言おうとすると、


「総領娘様が、『地底っていうぐらいだから多分、納める人もいない無法地帯なんでしょう。だったら私が変わりにその場所を納めてあげる』みたいなことを言ってここまで来ました」


 後ろにいた人が代わりに答えた。


「ちょっと衣玖! なに勝手に答えているのよ」

「総領娘様。私の能力は『空気を読む程度の能力』です。空気を読んで、変わりに答えただけです」

「そこは空気を読んで答えないものでしょ!」

「総領娘様が答えたら余計こじれると思っただけです」

「妬ましいわね。地底って言ってもちゃんと秩序とかあるわよ。妬ましいわね!」

「ふん。地底を一通り見てきたけど、無秩序もいいところじゃない。私が納めてあげるわ」

「おい」


 この声……。勇儀さん?


「そんなくだらないことのために橋を壊したのか?」

「橋だけじゃないわよ。覚えてられないぐらい壊したから」

「だからやりすぎだと言ったのですよ。総領娘様」


 天子さんの後ろにいた人が離れる。


「へ? 衣玖?」


 天子さんが後ろを向いた隙に勇儀さんが一瞬で天子さんの目の前に行く。


「え?」


 勇儀さんの拳が遠くから見てもわかるぐらい力が入っているのがわかる。


「ちょっ。衣玖。助けなさい。いくうぅぅううぅぅぅ」


 助けを求める天子さんに勇儀さんの拳が顔面に入る。

 そして、数百メートル先まで飛んで、飛んでいった方向に土煙が浮かんだ。


「ふんっ」

「ありがとうございました。これで総領娘様も懲りたでしょう」

「あんたはどうするんだ?」

「総領娘様を回収して天界に帰ります。またお会いできたとき、何かお詫びに1杯でもおごらせてもらいます」

「どうせもう地底には来ないんだろ」

「社交辞令ですので。それでは」


 天子さんの飛ばされた方に向かって飛んでいく、衣玖と呼ばれた人。


「私の出番はなかったわね」


 霊夢が陰陽玉をしまう。


「霊夢。あの2人は?」

「別に覚えなくていいと思うけど。比名那居天子と永江衣玖。天人よ」

「ったく……」


 勇儀さんがやってきた。


「ちょっとやりすぎじゃないの? 妬ましいわね」

「いや~。あれにはホントむかついたからな」

「ん? ちょっと勇儀。その腕」

「ん? ああ。殴った瞬間、岩をぶつけてきた。なかなかやるな」

「腫れてるじゃない」

「ま。こんなのほおっておいても」


 私は勇儀さんの腕、腫れているところに触れる。


「お?」


 冷気を傷に送る。そして数分後。手を放すと、腫れが収まる。


「お。ありがとな」

「どういたしまして。本当にできるとは思わなかった」

「さて。橋直すか。萃香、いるんだろ? どうだ、終わってから酒でも」

「いいね」


 萃香さんが霧から戻って出てきた。


「というわけで霊夢。今日帰らない」

「別にいいわよ。ゆっくりしてきなさい」

「お土産持ってこようか?」

「好きにしなさい」


 霊夢はそういうと空を飛ぶ。


「ちょっ。待ってよ、霊夢」












「……伝え損ねましたね。アキラさん。あなたの妖刀。もしかしたら……。もう、負の感情はないのかもしれません」

「にゅ? さとりさま。どうしたんですか?」

「何でもないですよ。お空」

「ちょっとお空! さぼってないで手伝ってよ」

「にゅ。待って、お燐」

「………。伝えるまでもないかもしれませんね。すぐにでもわかるかもしれませんし」

文「アキラさんのスペルカード、紹介コーナー。第5回」

霊夢「あら。1人多いわね」

椛「はい。文様がまた無茶をしないように監視させていただきます」

文「まったく。多少無茶しなくちゃいい新聞なんてかけないのよ」

椛「はじめまして。白狼天狗の犬走椛と言います」

アキラ「アキラです。はじめまして」

文「あの2人とも? そろそろコーナーを始めたいのですが」

椛「うるさいですよ、文様。初対面であいさつをするのは当たり前じゃないですか。少し黙ってください!」

文「はい。すみません」

アキラ「白狼天狗? 文さんと違うの?」

椛「文様は鴉天狗です。私は狼から天狗になったので同じ天狗でも種族が違います」

アキラ「………犬耳としっぽ……」

椛「犬じゃありません! 狼です!」

アキラ「ごめんごめん」

文「あの~。そろそろコーナーを……」

霊夢「文。今回はあきらめなさい。それじゃ、また次回~」

文「えぇ!?」

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