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東方妖刀録  作者: 雨月
24/59

心を読んで

 飛び続けて数十分後。西洋の建物が見えた。


「なんでこれだけ西洋風?」

「さぁ? 知らないわよ」


 霊夢が門の前に着地する。そして、私もすぐ後ろに着地した。

 そして、


 ドンドンドン!


 と、戸を叩きまくる霊夢。


「人間~……」


 突如、後ろに妖怪と思われる変な人型の生き物が現れた。


「え?」


 その妖怪が拳を振り上げ霊夢に向かっておろす。

 その拳は霊夢にあたる前に透明な壁のようなもので防がれた。


「ふん」


 霊夢はしゃがんで手を地面に置く。

 すると、地面からいくつもの魔法陣みたいなものがせり出して妖怪が空高く飛ばされる。


「霊符『夢想封印』」


 霊夢から光の球がいくつも出てきて空高く飛ばされた妖怪に全部ヒットした。


 ドン!


 と音と共に妖怪が落ちてきた。


「ぐっ……が…」

「アキラ。見たくなかったら後ろ向いてなさい」

「え?」

「これから殺すから」

「殺さなくてもいいでしょ」

「どいてどいて~」


 赤髪で猫耳やら猫のしっぽが生えた少女がやってきた。


「なんだ。まだ死んでないんだ」

「あら。お燐。ちょうどよかったわ。入りたいだけど」

「霊夢? 霊夢なら勝手に入っていいよ。それよりこいつ、もらっていい?」

「私は死体収集の趣味はないわ。好きになさい」

「やった」


 お燐。と呼ばれた少女は妖怪を持って建物の中に入って行ってしまった。


「行くわよ、アキラ」

「う、うん」


 霊夢は扉を開けて中に入って行ってしまったので私もすぐについていく。


「相変わらず熱いわね」

「灼熱地獄のすぐそこですからね。熱いですよ」


 霊夢の文句に答える声があり、そっちを向くと、ピンク髪で目のようなものが胸元にある少女が立っていた。


「あら、さとり。部屋にこもっていると思ったんだけど」

「あなたの夢想封印が見えたので来たのです」

「なるほどね」

「そちらの方は……?」

「心読んであててみなさい」

「……。なるほど。では、こちらへどうぞ」


 階段を上り、そしてある部屋に入る。そしてその部屋にあるテーブルに座る。


「では、軽く自己紹介を。私は、古明地さとり。ここの主です。よろしくお願いしますね、アキラさん」

「あ、はい。よろしくお願いします」


 あれ?

 私の名前、教えたっけ?


「私の名前、教えたっけ? ですか? 霊夢さんに聞きました」

「私は答えてないけどね……」


 え?


「私はさとり妖怪です」

「さとりって確か、心を読む妖怪?」

「その通りです」

「ああ。そうだ、アキラ。融合解除しなさい」

「え? いいの?」

「ここなら大丈夫よ」


 僕は能力を解除して、人間の姿になる。


「人間………? なるほど、妖刀融合ですか。名前は聞いたことありましたが実際見るのは初めてです」

「さとり。あなたに頼みたいことがあるんだけど」

「なんでしょう? ……ふむ。その妖刀の銘を私の能力で探ればいいのですね。確かに妖刀は意志を持ちますから可能だと思います」


 僕は刀をテーブルの上に置く。すると、さとりさんがそれをじっと3つの目で見る。


「………申し訳ありません。どうやらその妖刀は心を閉ざし、読まれないようにしています」

「ちっ。それならしょうがないわね」

「なぜ名前を私に聞いたのですか? 妖刀に直接聞いてもよいのでは?」

「私の心を読んで察しなさい」

「………ふむ。なるほど、そういうことですか」

「やっぱりあんたの能力は説明の必要がなくて楽ね」

「そうですか。それで、これからどうするんですか? え? 星熊勇儀のところに行く。ですか?」

「そうよ。そいつにも名前知ってるか聞く」

「私は別にかまいませんが、彼は大丈夫なのですか? 街中で妖刀モードを解除したら、それこそ文字通り、こま切れ肉に」

「それくらいわかってるわよ。何とか考えてはあるわ」


文「アキラさんのスペルカード、紹介コーナー。第5回」

椛「は、おやすみです。ありがとうございました」

文「ちょっ。椛、勝手にやめないで」

椛「ダメですよ。絶対安静です。白狼天狗の名にかけて、文様をこの部屋からは絶対に出しません」

文「くっ。霊夢さん。まさか椛に私の監視を頼むとは……」

椛「それではまた次回」

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