変態疑惑
まさかいきなりお気に入りに入れてくれる人がいるとは。すごく感激です。
ただ、アクセス数? を見たら昨日、日付が変わるまで65人ぐらい来てたんですよね……。
1/65……。うん。まぁ、たった1話だからね。しょうがない。どんどん増えていくのかな?
では、2話どうぞ。
夕方。とりあえず、家事をしろ。とのことで夕食を作ろうとしてみる。
さて、何を作ろうか。と思って食材を探すが何もない。
「霊夢~」
「なによ」
縁側でお茶を飲んでいる霊夢に話しかける。
「食材が1つもないんだけど」
「あるわけないじゃない。賽銭箱にお金が入らないんだもの。うちはお金なんてほとんどないわよ」
「……。ご飯とかいつもどうしているのさ」
「……。ご飯と漬物」
「……死ぬよ?」
「しょうがないじゃない。誰もお賽銭くれないし、異変だって起きないもの」
「異変?」
「それについては今度説明してあげるわ」
「ちなみに、霊夢。これはなんだかわかる?」
僕はなぜかポケットに入っていた財布から1000円札を取り出して見せる。
「なによそれ」
「やっぱりこっちの世界とはお金の単位が違うみたいだ」
「それお金なの?」
「うん」
「外の世界のお金は使えないわよ。珍しいもの目当てでほしがる人がいるかもしれないけど」
「だよね~……」
「とりあえず、ご飯たいて、漬物を出しなさい」
「そうだね。明日はちゃんとしたものを食べよう」
「食材があればね」
僕と霊夢はご飯と漬物だけ食べて夕食を終えた。そして、日が沈んで暗くなる。
霊夢はろうそくを取り出して火をつける。
「やっぱり電気なんてないんだね」
「まぁね。ろうそくだけでもあとは寝るだけだし。十分でしょ」
「電気知ってるんだ」
「知ってるわよ。外来人はほとんどがよくそれで生活できるな。って言ってくるもの」
「そういえば、外来人で、幻想郷に残るって選択をした人はいるの?」
「いるわよ。数人里で暮らしているわ」
「へぇ」
「さて、そろそろ寝るわよ」
「うん。ってちょっと待って。もしかして、同じ部屋で寝るの?」
「そうよ? って変なこと考えないでよ! 別々の布団だし、ろうそくがもったいないからなんだから」
「変なことなんて考えてない! ろうそくがもったいないからね。なるほど」
「さぁ! 早く寝るわよ」
霊夢は布団を2つ並べると、ろうそくの火に息を吹きかけて消す。
「ちょっ。霊夢。暗くて布団がどこかわからない」
「うっさい! 布団に入っていないあんたが悪い!」
下から声が聞こえるからおそらくもう霊夢は布団に入っているんだろう。
「そんなこと言われても。うわっ」
「きゃっ」
何かに躓いて転んだ。
「痛たたた」
ん? なんだ? この手にあるやわらかな感覚は。
「な、ななななな」
「ん?」
ムニムニ。
「何するのよ! この変態!」
直後。頬に平手をされた感覚が来て吹っ飛ばされた。
「な、何をするんだ!」
「それはこっちのセリフよ。変態!」
「言いがかりだ! 僕が何をしたっていうんだ」
「人の胸触っておいて。なんなのよ!」
「へ? 胸?」
「そうよ!」
………。そりゃあ、怒られた当たり前だな。
そんなことを考えていると、ろうそくに火がついて、霊夢の顔が見えるようになる。仁王立ちして、鬼の形相で睨んでいた。
「ご、ごめんなさい!」
僕はすぐさま土下座をする。チラッと霊夢を見ると、何やらカードを取り出しており。
「霊符『夢想封印 集』」
なんかパワーアップしてる!?
そんなことを考えた直後。いくつものの光が僕を包み込んだ。
うっ……。
僕は目が覚めると、太陽の光が差し込んでおり、明るくなっていた。
「……」
僕はいったい、いつ寝たんだろう?
夜のことを思い出そうとする。そして、
「あら。起きたの? 変態」
霊夢が来た。そして思い出す。夜のことを。
「えっと。霊夢。すごく謝るから一言だけ言わせて」
「なによ」
「あれは事故だから」
「事故だろうが事故じゃなかろうが、触ったことには違いないじゃない」
「だから謝るって言ってるじゃん」
「そう。じゃあ、今日の夕食は豪華なものを作りなさい。ご飯、漬物。以上の料理を作ること。いいわね」
「わかった。といいたいところだけど。無理じゃない? 食材が何もないんだから」
「食材もなんとかすること!」
「むちゃくちゃだ!」
「うるさい変態!」
このまま変態と呼ばれ続けるのはさすがにつらい。
「わかった。何とかしてやる。だから変態と呼ぶのをやめろ」
「いいわよ。できたのなら、呼ぶのをやめてあげる」
さぁ。アキラは食材をゲットできるのか。
食材を手に入れたら、変態疑惑解除。
食材を手に入れられなかったら、変態と呼ばれ続ける。