VS萃香
更新を忘れていたわけではありません。ちょっとリアルで忙しかったんです。本当ですよ。というか今も忙しいわけですが。頑張って更新します。
いや? 本当ですって。
国家試験があり、終わったら今度は学校のほうで、企業説明会とかいう超めんどくさいものがあったわけでして。というか、明日もあるんですよ。で、その説明を受ける企業の試験も受けるわけでして。本当は勉強しないといけないんですよ。
就活とかめんどくさいので勉強なんて全くしてない。
というかやる気でない。
翌日。
僕は、霊夢。文さん。早苗さん。諏訪子さん。神奈子さん。と、朝食を食べる。
「……」
朝食を食べながら考える。夢の中で妖刀が言っていた勝負のことを。
「アキラ。何を考えてるのよ」
「え? えーと……」
隣の霊夢がそんなことを聞いてくる。
どう説明すればいいんだろう?
「……夜にあの妖刀が夢に出てきて勝負を吹っかけてきたんだ。『我の名を次の満月までにあてることができなければ、その身体をもらう』って」
「何よそれ!」
霊夢がテーブルを思いっきり叩きながら立ち上がって言う。
「名前を当てろ。ですか。なかなか面白い勝負ですね」
文さんが面白そうに言う。
「わかるわけないじゃない! そんなの!」
「いや、この妖刀が言うには、2人名前を知っているやつがいる。って」
「この幻想郷に?」
「う、うん……」
「……。誰よその2人って。ヒントはないの?」
「2人とも大妖怪。ということしか」
「余計わからないわね。いや、結構人数絞れたかしら?」
「ちなみに霊夢さん。私は知りませんよ?」
「あんた大妖怪じゃないでしょ?」
「ひどいです! 私だって誇り高き天狗なんですよ!」
「天狗で大妖怪ってあんたたちの親玉の天魔だけでしょ」
「そんなことないと思いますけど……」
「今はそんなお山の事情は置いておいてだな。あいつなんてどうだ? スキマ妖怪」
「ゆかり~? ダメよダメ。あいつ向こうからしか来ないし、一応呼び出す方法知ってるけど、なんか忙しいみたいで来なかったのよ……」
「今度は何をたくらんでいるんでしょうね」
「なんで楽しそうに言うのよ」
「記事になりますから」
「大妖怪。と言うとどんな奴がいるんだい? 博麗」
「ん~? 思いつくのは、紫と藍と、幽香もそうね。あとは……、さっき出した天魔、レミリアとフランも吸血鬼だから入るし、萃香たち鬼も入るでしょうね……。でも、大妖怪って言うぐらいだから、四天王の萃香と勇儀ぐらいじゃないかしら」
「となると、今のところ候補は、『妖怪の賢者、八雲紫』、『九尾の狐、八雲藍』、『天魔様』、『吸血鬼、レミリア・スカーレット』、『吸血鬼、フランドール・スカーレット』、『四季のフラワーマスター、風見幽香』、そして『技の四天王、伊吹萃香様』、『力の四天王、星熊勇儀様』ですかね」
「レミリアとフランは抜いていいと思うわ。2人とも妖刀自体知らなかった感じだったし。アキラに妖力の使い方を教えたのレミリアだから」
「なるほど。それにフランドールさんは495年間引きこもっていたんでしたっけ?」
「そういうことよ」
「えーと? つまりどういうこと? 霊夢」
「……つまり。次の満月まで、できるだけ妖怪と会うわよってこと」
えぇ~。
「ご安心を。天魔様は私から聞いておきますね」
「ありがと。さて、まずは当初の目的の萃香を探すわよ」
「そういえば、ここに来た理由を聞いてない」
「……説明してなかったかしら? 萃香を探しに来たのよ。なんかどこかで迷惑をかけているみたいだから」
「萃香って?」
「……たまにうちの神社に来て酒飲んでいる鬼よ。そういえば、あったことなかったわね」
「では霊夢さん。私は天魔様に妖刀のことを聞いていきますね」
「待ちなさい、文。探すの手伝いなさいよ」
「いえいえ。伊吹様のことは霊夢さんにお任せしますよ。では!」
背中から黒い翼が思いっきり開くと、強い風を残して姿が消えた。
「逃げたわね……」
「さすが幻想郷最速。なかなかの速度だ」
「さて。私たちも行くわよ。さっさと見つけて帰りたいわ」
「う、うん」
霊夢と僕は立ち上がる。すると、
「待ちな、博麗。早苗を貸そうか? 早苗の力も探すのに役に立つだろう」
「え? 神奈子様?」
「……早苗を? ……萃香を押さえつけることになった場合、人は多ければ多いほどいいわね……」
「だろう?」
「好きにすればいいと思うわ。行くわよ、アキラ」
「うん」
刀を腰に差して霊夢についていく。
「世話になったわね」
「お邪魔しました」
そういって2人とも神社から出る。
「待ってください、霊夢さん」
「あら? ついてくるの? 早苗」
「ええ。神奈子様がいい修行だと」
「さてと、どこから探そうかしら?」
「妖怪の山にいるんですよね?」
「そのはずなんだけど……。気配を隠しているっぽいのよね……」
「地道に探すしかないですね……」
「あんたの能力でどうにかできないの?」
「霊夢さん。私の能力は『軌跡を起こす程度の能力』でして、決して人を探す能力ではありません」
「その軌跡で探すことは出来ないの?」
「……霊夢さん。奇跡の言葉の意味を調べてきてください」
「地道に探しましょう」
数時間後。
「見つからないわね……」
「萃香さん。そんなに隠れるの上手でしたっけ?」
「結構上手じゃない? 霧になるんだから」
「そういえばそうでしたね……」
疲れた……。
「休憩しませんか? 霊夢さん」
「そうね……。さすがの私も疲れてきたわ……」
全員、座れるところに座って休憩をする。
「霊夢さん。バラバラになって探してみたら効率いいと思うんですけど」
「早苗。あなた何を言ってるのよ。この森の中でバラバラになって探して遭難したらどうするのよ。特にアキラは幻想郷に来たばかりなのよ?」
「でも、アキラさんって妖力使えますよね? そこらへんの妖怪相手なら何とかなるんじゃないですか?」
「天狗はそうはいかないでしょ。椛あたりなら何とかなるかもしれないけど、文ぐらいの妖怪が来たらまずいでしょうね。アキラは私たちと一緒にいるからこうして今も無事なんだから」
「アキラさんってどれぐらいの強さなんです?」
「よくわからないのよね……。レミリアに妖力の使い方を教わって、少しスペカ作ったぐらいだしね……」
「最低でも逃げることは出来る感じですかね」
「そうね……」
霊夢はそういうと、何やら考え出す。そして、
「そうよ。この手なら。アキラ、妖刀融合しなさい」
「え? なんで?」
「いいから。いい手を思いついたの」
「何を考えているんです? 霊夢さん」
「早苗は黙って見てなさい」
仕方ないので刀を抜いて、妖刀融合をする。
「それで霊夢? なんで妖刀融合させたの?」
アキラがそんなこと聞く。
「まぁ。少しすれば多分わかるわよ」
「多分って……」
アキラがため息をつく。そして、妖力がふわふわとこっちにやってきたのを感じた。
この妖力は……。萃香ね。やっぱり霧になってたわね……。
そしてあたしたちの近くに来ると、能力を解除したのか。鬼の姿となって現れた。
「うわっ」
アキラが驚いて後ろに下がる。
「おーす。霊夢。どうしたんだ? こんなところに」
「あんたが迷惑かけているって聞いたから連れ戻しに来たのよ」
「ありゃりゃ。そうかいそうかい。で、そっちの人は誰だい?」
「つい最近来た外来人よ」
「ほほう。外来人。にしては妖力を感じるけど?」
「能力よ。簡単に言うと、一時的に妖怪化する能力なの」
「へぇ~。面白いね。強いの?」
「さぁ? 試してみたら?」
「は!?」
アキラが声をいきなり出す。当たり前か……。もともとそうなるだろうと予想して妖刀融合させたわけだし……。
「名前はなんていうんだい? あたしは伊吹萃香。見ての通り鬼だよ」
「えっと。アキラと言います」
「アキラか。さてアキラ、勝負しようか?」
「え!?」
萃香が右拳を握り振りかぶる。
「くっ。氷壁!」
アキラは後ろに下がりながら右手を上げる。すると、地面から氷の壁がせり出す。
「こんなもの!」
萃香はその氷の壁を殴り砕いた。
「くっ」
アキラはすぐにジャンプして萃香から離れると、氷の翼を作り出して空高く飛ぶ。
「へぇ。面白い飛び方だね」
萃香はすぐに追いかける。
そして、萃香は妖力弾をいくつも放つと、木の葉や石が萃香の手のひらに集まっていき、巨大な岩石となった。
アキラが妖力弾を避けるのを見ると、萃香はその岩石を投げつけた。
「氷剣『巨大刀』」
アキラがスペルカードを取り出すと、スペルを唱える。すると、100メートル以上ある巨大な氷の剣が現れてアキラはそれを思いっきり振り下ろして岩石を斬った。
「ハハハ。いいねいいね。強いじゃないか!」
「はぁ。はぁ」
氷の剣を消すアキラ。そして、
「重い! 作った私が言うのもなんだけど、重い」
「ハハハ。妖力で筋力を増せばいいんじゃないか?」
萃香が殴りかかる。アキラは氷の翼を羽ばたかせてさらに上に行く。
そして、太陽を背にすると、足を延ばして急降下してきた。
「はっ」
萃香はまたも巨大な岩石を作り、それを急降下しているアキラに向かって投げつける。
岩石とアキラの足があたる。すると、岩石がバラバラに砕け、アキラの速さは落ちることなく萃香に向かう。
そして、萃香は当たる直前、霧となってそれを回避した。
「え!?」
アキラは止まれず、地面に激突。そしてとてつもない轟音が鳴り響いた。
「アキラ!」
私はすぐにアキラのもとに行く。すると、巨大な穴が開いて、そこにアキラが刺さっていた。
いや、比喩じゃなくて本当に刺さっていて、足が地面に埋まっていた。
「アキラ! 大丈夫!?」
「大丈夫よ、霊夢。妖力を足に集めて防御したから。でも、抜けない!」
アキラは氷の翼を羽ばたかせて、体を浮かして足を抜こうとしている。
「いや~。いい技だったけどね~」
萃香が霧の状態から元に戻ってアキラの前に現れた。
「抜いてあげようか? そして2ラウンド目と行こうよ」
「油断大敵よ! 氷符『氷弾弾雨』」
スペルカードを取り出してスペルを唱える。早すぎて避けられない氷の礫が萃香に直撃する。
「なっ」
「これで私の勝ちよね。小鬼さん」
さすがの萃香もこの氷の礫は避けることができなかったみたいね……。
「いってー。なかなかやるね~。負けた負けた」
「油断してたことが原因ね」
「そうだね~、霊夢。さてアキラ。抜くの手伝ってあげるよ」
萃香がアキラに近づいて体を持つと、思いっきり抜いた。
「うん。足は大丈夫そうだね」
「念のため永琳さんに見てもらったほうがいいでしょうか?」
いつの間にか早苗がやってきて言う。
「ちょうど永琳に週一で来るように言われているし、明日あたりにでも行く?」
「足の痛みは感じないからたぶん大丈夫だと思うよ」
「今度行ったとき、一緒に見てもらうといいんじゃない?」
「そうね」
アキラはそういうと、水色の光に包まれ、妖刀モードを解除する。
「ふぅ」
「……なるほどね。妖刀融合か。実際には初めて見たよ」
「萃香知ってるの?」
「聞いたことはあるよ。でも、実際見たのは初めて」
「じゃあ萃香。そのアキラの持っている刀、見たことある?」
「ん~? ちょっとよく見せて」
萃香があっという間にアキラから刀を取る。
「ちょっと萃香。大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫。どうやらこの妖刀、あたしの体をとるつもりはないらしい」
え?
「ふむ……。すまないね、霊夢。見たことないよ」
「そっか」
「なんでそんなこと聞くのさ、霊夢」
「……実はね」
あたしは萃香にアキラと妖刀の戦いのことを言う。
「なるほどね~。で、大妖怪ってことで、まずは私から聞いたわけだ」
……萃香。大妖怪ってところに喜んでるのかしら。お酒を飲む速さが上がっている。
「アキラ。アンタのこと気に入ったよ。妖刀の名前、探すの手伝ってやるよ」
「あら。いいの? 萃香」
「いいよいいよ。アキラのこと気に入ったからさ。妖刀に体をとらせるのはつまらない」
「ありがとうございます。萃香さん」
「萃香でいいよ。次は誰に聞く? 霊夢」
「そうね~。あと残っているのは、『八雲紫』、『八雲藍』、『天魔』、『風見幽香』、『星熊勇儀』かしら?」
「天魔か~。聞いてきてあげようか?」
「大丈夫よ。文が逃げるように行ったから」
「おや。そうかいそうかい」
萃香はまたお酒を飲む。
「ぷはぁ」
「……その中身なに?」
「お酒よ」
「え? 酒!?」
「鬼はね。喧嘩とお酒が大好きなのさ~」
「だから勝負を仕掛けてきたのか……」
アキラがため息をつく。
「霊夢さん、アキラさん~」
文の声が上から聞こえ、全員上を見ると文が降りてきていた。
「い、伊吹様!?」
「やぁ、文」
「文。天魔に聞いてきたんでしょ? どうだったの?」
「あ、はい。天魔様は妖刀の知り合いなんていない。と言ってました」
「まぁ、予想通りなんだけどね……」
「ぷはぁ。で、次は誰のところに行く?」
「一月あるわけだし。次の人は明日にして、今日はもう帰りましょう」
「じゃ、帰ろうか」
「そうね。アキラ、妖刀融合しなさい。飛ぶんだから」
「了解……」
アキラはそういうと、妖刀融合をして氷の翼を作る。
「さて。行こうか」
萃香が先に飛び出し、私もすぐについていく。
「早苗。世話になったわね」
「いいですよ。萃香さんがいると天狗の皆さんが怖がってしまっていたので」
「ちょっ。待ってよ。霊夢」
アキラを見ると、翼を羽ばたかせてすぐに後ろをついてきていた。
「にゃはは。アキラ、遅いよ~」
「飛べるようになったばかりで慣れていないんだから遅いのはあたりまえでしょ」
「早く慣れなさいよ。弾幕ごっこは飛ぶ速度も必要になるときがあるから」
「そんなこと言われても……」
私はアキラ見失わないで、声の届かない距離にいる萃香に近づく。
「萃香。あなた、わざと負けた?」
「霊夢~。あたしがそんなことすると本気で思っているのかい?」
「しないと思うけど……。あなたならアキラの最後の技、避けられたんじゃない?」
「いやいや。無理だよ、無理無理。あの技は絶対避けられない。距離があれば避けれると思うけど、あの距離は絶対無理」
萃香、かなりほめているわね……。
「油断してたからじゃないの?」
「たとえ油断していなかったとしても避けられなかったよ」
「ちょっと待って、霊夢! 待ってよ!」
アキラが追いついてきた。
「あら、アキラ。随分早くなったわね」
「必死に追いついたのよ……」
それにしても、大妖怪2人か……。
問題は、紫よね……。さっさと用事を終わらせなさいよ。
ツイッター。@utuki000 と調べれば出てきます。そのIDで呟いています。
更新したら、更新したと呟きます。
最近、ゲームで言う、エンディング、ラスボス。ラスボス直前。ばかり思いついて、続きが思いつかない作者です。
次回は『その頃の八雲紫2』を予定しています。
もしかすると、『その頃の八雲紫3』と連続する可能性もあります。
超二次設定が入ると思いますので、その覚悟を持つことをお勧めします。ここまで読んでくれた人はすでにその覚悟がある人だと思っていますが。