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東方妖刀録  作者: 雨月
12/59

その頃の八雲紫

番外編。紫が主役の話です。


たまに紫主役の番外編を書こうと思っています。

評判悪いのなら書きませんが……。

 そして、その頃。八雲紫は。






 カランカラン。

 と、ドアを開けた途端、音がする。


「いらっしゃいませ」


 声の聞こえたほうを見ると、そこにはカウンターの奥でコップを拭く、男の姿が。


「おはようございます」

「おはようございます。このような時間にどうなさいましたか? お嬢さん」

「いえ。まだ普通は店の開いていない時間にすでにあいていたものですから、興味をもちまして」

「それはありがとうございます」


 私はカウンターに座る。


「ご注文は?」

「マスター。この男を探しているんだけど。知らない?」


 私は写真を1枚取り出してそれをマスターに見えるようにカウンターの上に置く。


「ああ。このお方でしたら、1ヶ月ほど前まで来ていた方ですね」

「1ヶ月前ね。ということはもう来ていないのね?」

「ええ。最後のご来店の時、旅に戻る。と申しておりました」

「どこに行ったかわかる?」

「確か。そろそろ暑くなるから北に行こうと思う。と申しておりました」

「北ね。ありがとう、マスター。これ、情報代」


 私は女性の顔が書いてあるお金を置いて席を立つ。


「情報代は結構です。そのかわり、コーヒーでも1杯飲んでくれれば、それで結構です」

「あら。そう? でも、今はコーヒーって気分じゃないのよね」

「紅茶もございますよ」

「じゃあ、紅茶をお願いしようかしら」

「かしこまりました」


 私は席に座りなおす。そして、少したつと、紅茶が出される。


「どうぞ。ミルクとレモン。お好きな方をお使いください」

「ありがとう」


 私はミルクを入れて、一口飲む。


「あら。おいしいわね」

「ありがとうございます」


 少しの間。沈黙が流れる。そして、


「1つ。お聞きしてよろしいでしょうか?」

「何かしら?」

「その男性とはどのような関係で?」

「古い友人よ。変な関係じゃないわ」

「友人ですか。失礼ですが、ずいぶんと歳の離れたご友人ですね」

「友達に歳なんて関係ないわ。お互いが友だと思っていれば、歳など関係ない」

「なるほど。よいお言葉で」


 私は飲み終えると、席を立つ。そして、


「ごちそうさまでした」

「お粗末様でした」


 お金を置いて、私は店から出る。


「また来ますわ」


 最後に一言行って出る。さて、北ね。

 あの男のことだから、どうせ最北の街でしょ。

 そう考えて、周りに人がいないことを確認してスキマを開く。


「いつでも連絡取れる場所にいなさいよ」


 独り言をつぶやきながら、スキマを閉じる。











「甘いのー。紫」


 コップを拭いていたマスターはコップを置いて右手を顔にやる。すると、ベリベリっと音がしてはがれる。


「そんな調子じゃあ、わしを見つけることなんて無理じゃよ……」


 紫が先ほど見せていた写真の爺さんが現れた。


「さて、さっさと片付けてしまわんと。きちんと片づけることを条件に、この店を借りたんじゃなからな」


 爺さんは使用したものを片づけだす。そして、


「さて、次はどこに行こうかの」


さて、紫は誰を探しているんでしょうね。それは後々判明。の予定です。この番外編の評判が悪くなければ。




 

『友達に歳なんて関係ないわ。お互いが友だと思っていれば、歳など関係ない』

 自分で書いておきながら、これってかなりの名言だと思う。



 どうでもいいですけど。男女の友情は成立すると思いますか? 作者は成立すると思っています。

 絶対に恋愛感情がある? そんなことはないと考えます。作者は恋愛なんてしたことないですが、異性の友達はいますし。

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