名の呼び方
萌えってどういう意味なんでしょうか?
好きとかそういうことかな?
翌日。
「眠い」
眠い。日が暮れる前に少し仮眠を取っただけで夜中ずっとレミリアさんに鍛えられていた。おかげで新しいスペルも完成。さらに空を飛べるようにもなった。妖刀モードのとき限定だけど。
空を飛べるってすごく気持ちがいい。
さらに新しい発見。妖刀モードじゃなくてもスペル宣言すればスペルを使用できることがわかった。妖刀モードになれなくても戦えることができる。ただ、通常弾を放つことができないのがすごく痛いけど……。
「アキラ。大丈夫だった? かまれなかった?」
朝食の場。霊夢がそんなことを聞いてきた。
「大丈夫だよ」
「何よ、霊夢。私が約束を破ると本当に思っていたの?」
「信用できないわよ……」
「なんでよ……」
「お姉様。ドンマイ」
レミリアの隣にはフランもいた。フランは夜中に目をさまし、狂気がほとんどなくなっていた。これから屋敷の外の常識を教えて外に出ても大丈夫にするらしい。ちなみに、
「お兄ちゃん。帰るの?」
「うん。妖力の使い方もわかってきたから、帰るつもりだよ」
「えー」
「たまに遊びに来るから」
「絶対だからね」
「う、うん」
フランが僕のことをお兄ちゃん。と呼ぶのだ。そのたびに霊夢とレミリアさんが変態を見るような目線を僕に送る。いや、僕が呼ばせているわけじゃないし。フランが勝手に呼んでいるだけだし。
「そんなに妹が好きなの? アキラ」
「いや。ちょっと待った、霊夢。べつに僕はフランに「お兄ちゃん」と呼んでくれ。とは一度も言ってない」
「関係ないわよ。私の妹に「お兄ちゃん」と呼ばれている時点で変態なのよ」
「それおかしくない?」
「おかしくないわよ。どうせ心の中では「萌え~」とか言っているんでしょ?」
「いや。意味わからないし」
「それにアキラ。レミリアはさんづけなのに。フランだけ呼び捨てよね?」
「いや。それはさんづけしたら、炎の剣を出してきて呼び捨てを強要されたから……」
「あら。それはいい案ね。アキラ、私も呼び捨てにしなさい」
「いやいや。なんでさ」
「呼ばないのなら」
レミリアさんがスペルカードを取り出す。
「これは私のスペルの1つ。神槍『スピア・ザ・グングニル』よ。これをあなたのど真ん中に打ち込むわよ。呼び捨てにしないと」
「いやいや。ど真ん中ってどこさ。あと、なんで呼び捨てを強要するの?」
「ど真ん中と言ったら心の臓でしょ? あと、理由なんてどうでもいいでしょ? 変態」
「……。呼び捨てで呼んだら、変態ってやめてくれるの?」
「さぁ? それは聞いてからね」
「……レミリア。これでいい?」
「……。一応言っておくけど。私の目の前じゃなくても、心の中でも呼び捨てにすること。いいわね」
「りょ、了解」
レミリアさ……じゃなくて。レミリアがカードをもう1枚取り出す。怖いから……。