大きな屋敷
「着いたよ!」
元気な私服姿の先輩が大きな屋敷の前に立って言う。
先輩の恰好は皆さんのご想像にお任せしますよ。
そして屋敷というのは僕らが泊まる人の家らしいんだが…
「先輩…本当にここですか…?」
目の前にある屋敷が大きすぎて信じられない。
金髪ツインテールに借金執事が雇われている屋敷とほとんど同じくらい大きい。
「なにを疑ってるの?間違いないわよ」
「でもここ庭だけでもかなりの広さですよ!?東京ドームなんて楽々収まるくらい
大きいですよ!?ここに執事とかいないですよね!!?」
「あってるの!ちなみに執事はいた気がするわよ」
「こんなに大きな屋敷…執事…マンガを描いてる…やっぱりここは三――――――」
「それは言ってはだめよ。そういうの厳しくなってるんだから。あと
それは違うわよ?」
言いたいのに!言いたいのに!!言えなぁーーい!!!
さーー○○ーーん○ーーん!!!!
・・・なんか恥ずかしくなってきた
「こんなに条件が揃ってですか!?僕も含めてもうパクリだらけじゃないかな!?」
「大丈夫!最強な借金執事はいないから!!」
「いたらビックリです!!それはそれであの天然ジゴロの生活が見れて
面白そうですけど!!!」
なんか周りの人から変な眼で見られてる気がする…。
まぁ道端で大声で変なことを話してたらしょうがないのか…
「…とりあえずそろそろ行かない?」
「…そうですね」
先輩に促され屋敷の庭を歩いて行く。
入ってみるとその広さがさらにわかる。
ピンポーーン
あ、これチャイムの音ね。
「ようこそ、武内家へ。榎本様と中村様ですね?どうぞ中へ」
武内…?どっかで聞いたような…?
まあいいか。
言われた通り扉を開けて入ると予想通りの豪華なエントランス?が
あった。
「うっわぁ…すご…」
「ようこそおいでくださいました」
いつの間にか前に30代半ばくらいの男の人が立っていた。
礼をしているのだがその角度がかなり絶妙だ。
「えっと、あなたは?」
「申し遅れました。この屋敷で執事をやっております、『堀』というものです。
それではこちらへ。奥の部屋で坊ちゃんがお待ちです」
堀さんに案内され、屋敷の中を歩いて行く。
「先輩、気になってたんですけどその『マンガ描いてる人』ってどんな人なんですか?」
「え?今さら何言ってるの?」
先輩は呆れた顔でこっちを見てくる。
「それってどういう―――――――」
「着きました。こちらの部屋です。それではごゆっくり」
そういうと堀さんはいなくなった。
「入るわよバカニート」
「え?」
ドアを開けるとそこにはゲームに囲まれた琥鉄先輩がいた。
「なんでニート先輩居るんすか?」
「その呼び方やめい!!てかここ俺んちですけど!!?」
「はい!?うそですよね!!?」
「なんでうそつく必要があるんだよ!!」
「さっきもだったけど君はなんで気付かなかったの?武内って言ってたし」
…あ、そういえば。
「でもなんで言ってくれなかったんですか!?」
「だって聞かなかったし。言う必要あった?」
「ありますよ!知らない人と会うと思ってちょっと緊張したじゃないですか!!」
「いちいち気にし過ぎよ。ストレス溜まらないの?」
「はぁ…もういいです…」
先輩の気楽さがうらやましい・・・
「そういえば榎本!お前、今朝に電話して一週間泊まるからってどういうことだ!?
普通もっと早くにいうだろ!!?」
「だってどーせあんたんちいつ来ても大丈夫じゃん」
「そういえば琥鉄先輩って金持ちだったんですね…ニート…金持ち…屋敷…
どこぞの金髪ツインテールですか!!!」
「やかましい!!違うわっ!!!」
「そうよ彰くん。あっちは頭いいけどこいつ学年ワーストテンに入るから。
そしてなにより美少女じゃないじゃん!!!」
うん、なるほど。
「悪かったな!!お前も納得したように頷いてんじゃねぇ!!!
そしてお前らこのネタひっぱり過ぎだ!!たまたま被っただけだからな!!?」
「なんであんたが知ってるの?まさか盗撮しようとして…」
「するかっ!!普通にこの家の監視カメラの音声にお前らのでかい声が
届いてたんだよ!」
「…マジですか?」
「あぁマジだ」
そんなに大声だったのか・・・恥ずかしすぎる・・・
先輩の方を見るとほんの少しだが顔が赤くなってる気がする。
あの人にも羞恥心あったんだ・・・
「ま、まぁそんなわけでGW中あんたんちで遊びながらマンガ読ませてもらうから
よろしく!断った瞬間手始めにこの部屋のゲームから壊すから!!」
「不幸だああああああああああ!!!!!!」
「琥鉄先輩、そんなこと言ってもあのフラグ建築技術は身につきませんよ」
「うるさいうるさいうるさい!!!」
では次回!!
「オチもねぇのかよ!!!!」
ちょっとオチが考え付かなかったので琥鉄くんに強制終了してもらいました・・・
本来ならもっと短くまとめるつもりだったのですが作者の力量不足のためこのような形で終わらせることに・・・(-_-;)
今回はちょっとネタを縛ってみましたが、いかがだったでしょうか?
最後のところだけとある物語と灼熱の眼の女の子が出てくる物語を混ぜたのですが全部わかる人っていましたかね・・・
一番使ったネタはなんか監視の目が厳しくなってるので伏せときます。
それでは次回ファンタジー編へ!!(ウソです)