いつもとの変化
いつもより長いのにギャグ要素少なめ…
でも一周年おめでとう!
「いやぁ…疲れたなぁ…」
机に突っ伏す僕。あの後、死ぬかと思うくらいくすぐられ、教師には説教され、心と体の両方が疲れ切っていた。
「生きて帰ったか彰!俺は嬉しいぜ!!」
隣から笑顔で桃也が背中を叩いてくる。
痛いよバカたれ。
「…誰のせいでああなったのかな、駿河クン?」
恨みを込めた視線を送るが、桃也は気にした様子もなく笑っている。
あぁ、腹立つ…
「俺以外にも朝の件は見てたやついるからどの道、お前は処刑されてたよ」
「ふんっ」
鼻を鳴らし、また突っ伏す。
「まいったな…拗ねちまった」
拗ねてないよ!疲れたんだい!!
「あるぇ?中村くんどーしたの?」
そうしていると芦原さんが尋ねてきたようだ。
疲れて眠いから意識が半分に…
「芦原!…さん」
桃也の芦原さんの呼び方がいつもと違う呼び方になっている。
本人の前だと呼び捨てに出来ないタイプなのか。初めて知ったよ。
「いやぁ…えっと、ですね…」
桃也は歯切れが悪い。軽く盗み見てみると目も泳いでいる様だ。
その原因は周りでRBDメンバー(まあクラスの男子だが)が鋭い目つきで睨んでいるからだろう。男子には知られてもいい存在だが女子には秘密にする方針らしい。
それに今回の僕への件は芦原さんも少なからずかかわっているので言えるはずもない。
「ん?どうしたの?駿河くん。大丈夫?」
桃也の挙動不審な態度を具合が悪いと考えたのか顔を覗き込む芦原さん。
桃也の顔が一気に真っ赤になった。
「わ、わわわわかんない!ごめーーーーーん!!!」
桃也は恥ずかしすぎてだと思うが、教室からロケットのように吹っ飛んで走っていった。
もうすぐ授業始まるのに良いのだろうか。
「本当に大丈夫かなぁ。あ、中村くんも大丈夫?」
「あー、僕は疲れただけだから大丈夫。それに桃也も心配しなくていいと思うよ。いつもあんな感じだよ、多分」
突っ伏しながら軽く手を振り、問題ないことを伝える。
ついでに桃也のことも一応伝える。
「そう?なにかあったらいつでも言いなよ?瑞希で手伝えるなら手伝うからさ」
芦原さんはそう言うとロッカーに次の時間の教科書等を取りに行った。
あ…そろそろ、寝そう…
そして午後の授業の最初から寝てしまい、先生からでこぴんを受ける羽目になった僕だったのでした。
――――放課後
「ふぅ~。今日はいつも以上に疲れたなぁ」
やっと一日の授業が終わったことに安心感を覚えながら、更に疲れることを覚悟して部室に向かう僕。
向かう途中の廊下で立ち止まり、僕は今日の昼休みの終わりに今川くんに言われていた“警告”を思い出す。
『いいですか?今日はここまでにしておきますが何かしらの発展、我らへの敵対行為があった場合はさらなる報復が待ち受けていることをお忘れなく』
『次はもっと酷くなるからな!覚えとけよ!!』
今川くんに乗っかって言ってくる山本くんも思いだされる…
彼は小物臭がプンプンするんだよなぁ…
とりあえずよくわからんが先輩や芦原さんと変な感じに成らないように気をつければいいんだな?
うん、たぶんそうだ!
そう思い、いつも通りに過ごすことを決意し僕はまた歩き出す。
「中村くーん!一緒に行こーよ!」
しかし後ろから聞こえてきた声に再び立ち止まり、振り返ると以前と同じように走ってきた芦原さんがいた。
「また走ってる。生徒会の人が走っていいの?一応、廊下は走っちゃいけない気が」
「いいの!高校生は小学生と違ってぶつかって怪我とかしないの!…でも役員が自らルール破っちゃいけないのかな?」
最初は前と同じように言い訳をする芦原さんだったがそのあとは一応、考えてみてくれたようだ。顔に手を当ててウンウン言いながら考え込んでいる。
そして間違いなくルールは破っちゃダメですよ。芦原さん。たとえ生徒会じゃなくてもね。
「ま、いっか。それにしても中村くんひどいよ~。なんで瑞希を置いてくの~?」
よくないですよ、芦原さん。
芦原さんは悩むのを止めてこちらを睨んでくるが、その顔には迫力が感じられずただ可愛いだけだった。
「僕は別に置いて行ったわけじゃないんだけど…それに一緒に行く必要はないんじゃないかな?芦原さんだって忙しいんじゃない?」
ここで一緒に行くことになったら今川くんに何を言われるかわからないしね。(山本くん?どーでもいーやー)
「忙しくても一緒に行きたいの!そういうものじゃないの?もうおんなじ部員なんだし」
訴えかけるような目線に僕は押される。もともと女子には弱いのにこの目線は反則です…
だけど今川くんのこともあるし!うぅ…なんでこんなことで悩んでるんだ…
数分後、僕が導いた結論は――
「…じゃあこれからは一緒に行きます?」
「やったぁ!そうしよーね!」
結果――折れた
だって可愛い女の子が子犬みたいな目で見てくるんだよ!?断れないじゃん!!
そして誰に言い訳してるんだ僕は…
だけど芦原さんも喜んでいるしいいか。そうのんきに考え、また部室を目指して僕と芦原さんは歩き出した。
数分後、部室に到着し、扉を開けるとその中の光景に驚いた。
なんと!あの勉強嫌いの先輩が!机に座ってなにかの本を見ながらノートに文字を書いているのだ!!
驚くほどじゃない?驚くことです!!
隣の芦原さんは僕がなんで驚いているのかわからないようで首をかしげている。
だって以前にあんなに勉強なんてやらないでいいと力説していた先輩が…
「彰くん?早く入ったら?」
僕が扉を開けた体制のまま固まっているのが不思議に思えたらしく、先輩も首をかしげている。芦原さんはすでに部室の中に入ってしまった。
とりあえず理由の詮索は後回しにして僕も部室の中に入る。部室では先輩と琥鉄先輩が机に座っている。机の本を見てみるとその本は教科書の類ではなく、マンガについての本だった。なんだ、いつも通りか。
安心して挨拶をする。
「こんにちは」
「うん、こんにちは。瑞希ちゃんと彰くんはこれお願い」
そう言って僕に風景のイラスト、芦原さんに可愛い女の子のキャラのイラストを渡す先輩。
「琥鉄先輩」
「これからマンガ描けとか言われても俺たちは初心者だから描けない。ということで今日からは一人につき一日一枚、描くことになったんだ。描き終わったらまたいつもと同じように過ごすけどな」
もう呼ぶだけで状況を説明してくれる琥鉄先輩。その手元を見るとイケメンが描かれていた。絵、上手いな。そういえばこの人、マンガ描いてたんだっけ。ストーリー酷いけど。
「それでしたら生徒会にもちゃんと報告できますね。でも瑞希は絵は得意じゃないですよ?」
微笑みながら話しかける芦原さんに琥鉄先輩が固まる。
「えっと、大丈夫。最初はみんな同じだし。これ見れば安心する」
そう言って先輩の方を指す。先輩はどうやら今までイラストを描いていたようだ。先輩のイラストは上手いとは言えなかったがそこまで下手じゃなかったと僕は思う。
「ちょっと!どういう意味よ!」
それに腹を立てた先輩が琥鉄先輩の指を反対方向にへし折りながら立ち上がる。
これは自業自得だな。緊張して変なこと言うから。
「瑞希には下手には見えないですけど…でもガンバります!」
そう言って渡されたイラストを見ながら描き始めた。
「ありがとー瑞希ちゃん!瑞希ちゃんはいい子ね!」
琥鉄先輩へのヘッドロックを外した先輩が瑞希先輩に抱きついた。
「いてぇ…あ、百合?」どこに百合があるのか聞きたい。
「先輩、僕も上手いとは言いませんが下手ではないと思いますよ?あれは琥鉄先輩の目がおかしいんだと思います。今も変な妄言、言ってますし」
そこで保身のために思った感想を言っておく。さりげなく矛先を琥鉄先輩に向けるように仕向けて――――
「そう?彰くんもありがとね。そうよね、あいつの目がおかしいのよね。ならこれから目がおかしくならないように矯正してあげなきゃね」
芦原さんを撫でてから解放し、先輩は琥鉄先輩の方に向き直る。するとこには修羅がいた…
「ひっ!?」
琥鉄先輩が表情を引きつらせる。そして僕に目で恨みがましい視線を送ってくる。いや、僕は現状をもう一度、伝えただけで何もしてないですよ?
もちろん、関わるのはごめんなので無視をする。
「この外道っ!」
琥鉄先輩は僕に向けて言ったのだろうが、その言葉を先輩の怒りが膨れ上がる。
「さあ?これから目を矯正しましょうね?」
そのRBDが見たら泣いて喜ぶような満面の笑みで琥鉄先輩に歩み寄っていく先輩。
僕はその笑みを見て、奥に隠された怒りで背筋が凍った。その視線の先の琥鉄先輩はどれほど怖いのだろう…
「いや!目はまずい!さっきのは俺が悪かったけど目はまずい!せめて別の場所を!!」
これはお仕置きは免れないと思ったのか、琥鉄先輩は失明の危険を回避しようとする。
「そうね。ならまずは目隠ししましょうか。あのハチマキでいいわね」
いつもなら問答無用で殴るはずの先輩が譲歩した。流石に目はまずいと思ったのだろう。
でも何故に目隠し?
「え?目隠し?なんで?」
琥鉄先輩も同じことを思ったようだ。不思議そうな顔をしている。
「うるさい黙れしゃべるな話すな息をするな息を止めろそしてくたばれ」
「そこまで!?俺そこまで言われるようなこと言ってないぞ!!?」
先輩の理不尽な言動に思わず反応する琥鉄先輩。
「あら?いつ私が発言権を与えたかしら?なぜ話しているのかしら」
先輩が言葉で責めている…
これはこれで怖い。だからと言って暴力も止めてほしいが。
昨日のことでも鬱憤が溜まっていたのだろう。その上に琥鉄先輩のバカな発言。もう吹っ切れたんだね。
目隠しをされながら青ざめている琥鉄先輩。次に何をされるかわからずに脅えているんだろう。アーメン。僕はキリスト教ではないけどね。
「さて、私はSではないのでこんな風にしても快感を味わえません。ではなぜ目隠しをしたでしょう?」
僕はわからない。琥鉄先輩、芦原さんも同じようだ。
「それはね?バカがショックを受けないためよ。あなた達もイラストに集中しなさい?じゃないと残酷なものを見ることになるわよ?」
この状態の先輩の言葉は重かった。その言葉に従い、僕と芦原さんはイラストに集中する。
芦原さんはこの状況にも動じていないようだ。すごいな、芦原さん。
そしてその後、お仕置きをされた琥鉄先輩の悲鳴は校庭まで響き渡ったそうです。
ご愁傷様です。
そうしていつもと違う様で同じな一日は終わっていった。
芦原さんが入ったことで漫研部にも変化が。
やられ役が彰からこてっちゃんにバトンタッチ。まあ日によって変わります。
芦原さんの神経が図太いですね(^_^;)
更新が遅くなりますがこの作品は途中で投げ出さないと決めました。
書き方が変わる時があったりなかったりしますがよろしくお願いします。




