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顧問登場!


ひとしきり癒された後、僕と芦原さんは特にすることもなく、2人でマンガを読んで過ごした。


途中、芦原さんが

「そういえば勝手にマンガ読んでてごめんね?」

と謝ってきたが、問題などあるはずもないので、僕は気にしないでいいことを伝えておいた。


「それにしても先輩たち遅いですね…なにやってるんだか」


「そんなこと言ってるとまたお仕置き食らっちゃうよ~?」

呆れた感じで言う僕に芦原さんが軽く警告してくれる。


「あ!…今のは聞かなかったことにしてはいただけないでしょうか?」


「え~、どうしよっかな~?」

いたずらっ子のような笑みを浮かべながら悩むふりをする芦原さん。

いや、僕にとっては死活問題(文字の通り)だからマジでお願いします。


「なんてね。いいよ、言わないであげる。さっきの恩もあるからね」

ふぅ…助かった…


「ありがとうございます」


「その代わり、瑞希には敬語なし!っていうのはどうかな?やっぱりなんか違和感を感じちゃうし」


「え…はい、じゃなかった。うん、わかったよ」

それで良いというのなら僕は従おう。

桃也と話す感じでいつも通り話すことを決意する。


「よし、それでおっけーだよ!」

満足げに笑う芦原さん。

そんなに敬語が嫌だったとは…気をつけるよう心がけなくては…


ガラッ!


「連れてきたわよ…」

いつになく元気のない先輩。一体なぜそんなに疲れてるんだろう?


「やっほー。君かい?僕を呼んだのは」

そんなことを言いながら部室に白衣を着たぼさぼさ髪のメガネのおっさんが入ってきた。

しかも僕の方を向いて呼んだのは僕と勘違いしている。


「違う!あんたを呼んだのはこっちの方!!」

そう言って先輩は芦原さんを指さす。指をさすのはあんまりよくないなぁ…


「おやおや?どうしたんだい彩花ちゃん。元気いいねぇ。なにかいいことでもあったのかい?」

ニヤニヤしながら先輩に向かって言うおっさん。


「あんたはどこの怪異の専門家だよ…ったく、放課後だからって学校の外で煙草吸ってるかね普通…」

しっかりツッコミを入れながら琥鉄先輩も入ってくる。


「えっと…私が呼んだということはこの人がここの顧問の…?」

芦原さんの一人称が変わってる!?あぁ、大人の前だからか。

などとどうでもいいことを考えながらもう一回、おっさんの方を見る。


白衣を着ている以外、髪はぼさぼさ、黒いTシャツに短パン、それでスリッパと、ホームレスと言われたら信じ込んでしまいそうな外見のこの人がうちの顧問?


「あぁ、そうだよ。僕が漫研部顧問の飛松ひまつしゅんだ。よろしくね。ん?君が僕を呼んだんならこっちの男の子は誰かな?」

芦原さんの質問に答えた後、僕の方を見て首をかしげる飛松先生。

こんなおっさんがそんな動作をしてもなにも萌えんぞ。


「うちの新入部員の彰くんよ!顧問なら知ってるでしょ!!?」


「あーそういえば新しく入ってたねぇ。そうかそうか、君が新入部員くんか。君もよろしくね」

先生はそう言って笑顔を見せる。


「彰くん、こんなのを先生なんて呼ばないでいいわよ?飛松で充分。なんならクズでもいいわよ?」


「僕の心を読むのは卑怯です!僕はみんなの読めないのに!!あと先生ボロクソ言われてるけど良いんですか!!?」


「う~ん、彩花ちゃんが近頃、楽しそうに見えたのは君のおかげか。うんうん。これからも琥鉄くんといっしょに彩花ちゃんを頼むよ、彰くん」

なにかに納得したように頷きながら僕の肩を叩く先生。

流石に先生のことを呼び捨てには生徒として出来ないよね、うん。


「ていうか僕の話、聞いてない!?」


「彰、その人はかなりマイペースだから基本、人の話聞かないぞ」

僕が少しショックを受けていると琥鉄先輩が説明してくれた。

・・・はぁ

この人めんどくさそうなんて思ってないよ!!?違うからね!!!?


「あの…そろそろ本題に入りたいのですが…」

おずおずと手を上げながら申し訳なさそうに言う芦原さん。


「おっと、そうだったね。生徒会が僕に何の用かな?」

向き直る先生。


「えぇと…この部活の顧問だそうですがどんな活動をしているかあなたは把握していますか?」

どこかから取り出した書類を見ながら質問をする芦原さん。


「うん、知ってるよ。マンガ読んでゲームしてアニメ見て、たまに違う遊びをする部活だろう?」

知ってて放置してたのかこの顧問は!?


「え…?じゃあこの部活が漫画研究部として機能してないことも知ってたんですか?」

芦原さんはこの答えを聞いて明らかに戸惑っている。


「そんなことはないよ。漫画研究部はマンガを描くものってイメージがついているだろうけど、そんなことはない。ただ単純にマンガとはどういうものかを知るだけでいいんだ。それがダメってことはないだろ?」

うん?正論っぽいけどそれは良いんだろうか?


「でも、そういう部活は…うちの会長が…」

芦原さんもどう対処すればいいのか困ってしまっている。



ガラッ!!!


「話は聞かせてもらいましたわ!この部活はまだふさわしい活動をするに至っていないようね!!!」


はい、顧問登場しましたー(^-^)


最後のセリフは誰なのか!というのは次の話で分かります。

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