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女子と話すのは楽しいけど疲れるんだね



キーンコーン、カーンコーン


チャイムが鳴り、この日も授業が終わった。


「ふぅ、疲れた~」


「俺はこれからの方が疲れるよ」

桃也はグダっとして机に突っ伏している。


「コーチが怖いんだっけ?」


「その上、練習も厳しいから肉体的にも精神的にも疲れるって…

俺も漫研部行こっかな~」

こいつは可愛い先輩とお話ししながら遊ぶ部活だと漫研部のことを勘違いしている。

…いや、間違ってないけど。


「そんな楽じゃないんだぞ?(肉体的に)」


「ならサッカーやってみやがれー疲れんだぞこんちきしょー」

僕の言うことはあまり聞く気がないようだ。

というより、僕の話を信じてないのか?


そう話してるうちにHRもいつの間にか終わっていた。


「まあ、頑張れ。今週は掃除ないから僕は帰るよ」


「おう、じゃーなー」

机を運び、部室へ行く僕。



廊下を歩いてくと、

「中村くーん!!ちょっと待ってー!!!」

という声が聞こえてきたので足を止め、振り返る。


「芦原さん?」

同じクラスの芦原(あしはら)瑞希みずきさんがちょっと駆け足でこっちに

きてる。

この人はハル○の谷口風に言うなら『AAランク+』というレベルの可愛さを誇る。

まあ、容姿だけなら先輩もなんだが…


「廊下は走っちゃだめですよ?」


「ああ、ごめんごめん…ってそんなことはどうでもいいよ。それに運動部だって

雨の日とか走ってるじゃん?」

いや、まぁそうなのだが…


「えっと…僕になにか用ですか?」

僕はこういう風に女の子と話すのは苦手だ。(先輩は例外)

話題に困るしなんか気を遣いすぎてしまう。


「ああ、そうそう!君、朝に人形落としてなかった?」

うっ!

芦原さんは生徒会に所属している。

だから教師よりは低いものの少しは一般生徒よりも権利を与えられていると

推測できる。

そして芦原さんは優等生だ!

人形(フィギュア)を持ってきてはいけない、と考えていてもおかしくはない!!


没収されてしまうのか!?

僕の物ではないのに僕の物として没収され、教師に白い目で見られながら

学校生活を過ごして行かなければならないのか!!?



「…えーっと中村くん?なんで頭抱えてしゃがみこんでるの?」

考え過ぎて変な行動をしてたみたいだ。

教師より先に芦原さんに変な目で見られた気がする…


「僕のではないのですけれど…没収ですか…?」

不安になりながらおそるおそる聞いてみる。


「なんで没収?みんなマンガとかも持ってきてるのに人形だけ没収は

おかしいでしょ。それに瑞希が没収できるわけないじゃん?」


「え?だって生徒会役員だし…」


「マンガの読み過ぎだよー。そんな権限持ってないって」

笑いながらそう言う芦原さん。

僕の勘違いだったようだ。


でも風紀委員とか生徒会の人ってとてつもない権力持ってると思ってたよ…


「でも、やっぱり中村くんのじゃなかったんだ…よかったぁ…」

ほっとしたように胸をなでおろす芦原さん。

ちなみにその胸は――――――――


「あれ、中村くん?瑞希は君が嫌いになりかけてるんだけどなんでかな?」


「すいません!嫌わないでください!!」

まだ5月なのにクラスの可愛い女子に嫌われるなんていやだ!!


「む~、ま、いっか。ちなみにその抜刀斎はどこで?」

抜刀斎?

知ってるのか。

まぁ、実写化されたし一般常識なのかな?


「えっと、先輩の庭で猫がどこかから持ってきました」


「あー!やっぱりだー!!やったやった!!!」

なぜか喜んでいる。


「えっと…どういう状況?」


「ああ、ごめんね。ちょっとはしゃいじゃった」

いや、可愛いのでなんでもいいです。

やっぱりこういうのが女子って感じがするよ。

先輩なんてちょっとミスしたら鉄拳が…


『彰くん?』


なんでいないのに!!?

どこの声!!?心の中!!!?


「うぅ…怖いな…」


「大丈夫?どうしたの?急に顔色悪くなったけど…」


「大丈夫です。でもなんで喜んでたのですか?」


「この前、GW中に、あの…誰にも言わない?」


「この場所だと誰かに聞かれそうですが」

ここ廊下だし。


「あっ!そっか!いい場所知らない?」

いい場所、うーん。


漫研部ならまだ先輩もHR終わってないだろうしいいかな?


「それなら漫研部行きますか?時間はあります?」


「こうして瑞希は何も知らぬまま中村くんに部室に連れて行かれるのだった…

なにをされるかも知らずに…」


「勝手に展開作らないでください!!僕はなにもしませんよ!!!」

はっ!思わず突っ込んでしまった。


「いいツッコミだね~グッジョブ!」

親指を立ててこちらに向けてくる。

こんな人だったのか…


「あと敬語なんてしないでいいよ?同級生じゃん」

あーえっと、どうしよう…


「うん、わかっ…た」


「よし!じゃ行こうか!」



こうして芦原さんと僕は部室に向かって歩いて行った。


いや~こういうキャラがほしかった!!

先輩はこんな感じにしたかったけどあれよあれよと違う方向へ…


とりあえず次回に続きます!

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