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テイマー忍者 〜ソロ忍者は従魔と共に駆け回る〜  作者: 花屋敷


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洞窟ダンジョン攻略 その1

 俺たちが滝の街に着いた2日後、情報クランも無事に滝の街に到着し、今は攻略クランと手分けをして街の周辺を探索している。街の周辺の敵は緑と茶色のオークで、そのレベルは180だそうだ。


 こっちはしばらく攻略をメインでしていたこともあり、滝の街に着いた後はペースダウンをして合成や釣りをしている。バザール用の焼き物を作り、滝の街の西門から出て、滝が落ちて池になっている場所で釣りをする。ここでは今までとはまた違った魚が釣れるんだよ。新しい魚を見てクルミが大喜びだ。


 滝の街には釣りギルドがある。釣った魚の一部を店売りした俺は自宅に戻ると庭を流れている川に4匹の新しい魚を放流した。クルミはもちろん、ランとリーファも船の上から食い入る様に見ている。自宅の川の魚も随分と増えた。


「お魚さんが増えたので皆大喜びなのです」


 俺が庭から川をのぞいていると、頭の上に乗っているリンネが言った。


「うん、賑やかになったな」


「ガウガウ」


 俺の隣で一緒になって川を見ているタロウも尻尾を振ってご機嫌だよ。川で泳いでいる魚達をしばらく見てから縁側に戻るとリンネが頭の上から膝の上に移動してきた。


「主、お昼からは何をするのです?」


「霧の街から違う道を通って山の方に行こうと思っているんだよ。山裾には洞窟があるらしい。洞窟探検をするぞ」


「ガウ」


「探検をするぞ、なのです」


 外に出て敵を倒すと知ったのでタロウもリンネもテンションが爆上がりだ。2体ともこれでもかと言うほど尻尾を振っている。クルミも嬉しいのか何度もジャンプしているよ。


 実際には1日で山裾まで行くのは無理だろうな。途中の小屋まで行ってワープを登録して次の日に山裾に行く、そんなスケジュールになりそうだ。


 午後にログインするとランとリーファに留守番を頼んで霧の街に飛んだ。プレイヤーの数が増えている。新エリアに来ているんだな。この人たちはミニレイド戦はやったのだろうか。ドロップ品の中に転移の腕輪があるから絶対に挑戦すべきだよ。


 西の門から出ると霧のジャングルの中に伸びている土の道を歩く。街の周辺の魔獣のレベルは170。俺たちは177だから何の問題もない。タロウとリンネでガンガン敵を倒しながら進んでいく。こっちのレベルが上がったこともあり移動時間が短くなって4時間かからずに道沿いにある小屋に着いた。外見もそうだったけど、中に入っても俺たちが北ルートで見つけた小屋と全く同じだ。中には何もなくて部屋の隅に転送盤があるだけだ。もちろんここで転送盤を登録したよ。


 登録すると小屋の中で従魔達の前で言う。


「今日はここまでだ。明日はここからさらに西に進んで山裾を目指すよ」


「ガウ」


「はいなのです。明日も頑張るのです」


 クルミは床の上でジャンプしてくれた。


 次の日小屋を出発して西に移動している時にレベルが上がって178になった。うん、これは予想通りというか計算通りだ。レベルが上がって従魔達も喜んでいる。


 ジャングルの中の道は相変わらず視界が悪いけど、タロウやリンネの活躍で小屋から4時間かからずに山裾に着いた。霧の中を歩いていると突然山肌が見えてびっくりしたよ。


 山は南北に連なっていて下から見る限りかなり高い山々だ。ゲーム的にこの山を越えて向こう側に行く設定にしていないことがわかる。斜面もきつくてとてもじゃないが登れる仕様じゃない。


 山裾まで伸びていた道はそのまま洞窟の入り口に繋がっている。中に入ると霧は消えて壁が光っているのでむしろジャングルよりも歩きやすいくらいだよ。洞窟に入って10メートル程で右側が大きく凹んでいるというか抉れていて、そこには柵があってセーフゾーンになっている。柵だけで小屋はない。


「ここは元気になる場所なのです」


「そうだよ。ここでしっかりと休んでから奥を探検だ」


「ガウ」


「主、探検するのです」


「その前にしっかり休もう。奥の敵は強いぞ」


「休んだあとは敵をバッタバッタと倒して前に進むのです」


 相変わらず戦闘好きの従魔達だよ。

 

 しっかり休んでセーフゾーンから奥に進むと体長1メートルほどのモグラが2体固まっているのが目に入ってきた。想像していたよりもでかい。


(ミント、あれがケープモール?レベルは?)


(はい。その通りです。レベルは182です)


「タロウ、1体を頼む」


「ガウ」


 タロウに任せれば安心だ。俺とリンネとクルミはもう1体を相手にしたけど思いの外弱かった。俺たちが倒した時はタロウが1体を倒していたよ。こっちのレベルは178だけど加護と装備で実質レベルは196はあるからな。


「強くないのです」


「一応警戒はしてみたけど、これなら問題がなさそうだ。もう少し進もうか」


「はいなのです」


 洞窟は1本道で奥に続いている。その後も2度ほど戦闘をして奥に進んだ俺たち。入り口から100メートル程進んだところで洞窟が右と左のに分岐している場所についた。Y字形になっている。ここまで進んで転送盤がないということは、ここはNM戦がある場所ではなくてダンジョンの可能性が高いぞ。


「主、左に行くのです」


 どっちに行こうかと思っていると頭の上から声がした。


「リンネの勘か?」


「はいなのです。九尾狐の勘に間違いはないのです」


 いや結構間違えてるじゃないかよ。でもどっちでもいいからここはリンネの言う通りに左に行ってみよう。


 俺の頭の上にリンネが乗り、隣を歩いているタロウの背中にはクルミが乗っている。最近は何も言わなくても魔法壁を掛けて、上書きをしてくれるまでになった。もちろん戦闘が始まればスロウの魔法もしっかり掛けてくれる。


 分岐を左に進むとすぐにケープモールとの戦闘になった。相手のレベルは182だが、数が増えて3体がまとまっている。3体でも182じゃ俺たちの敵じゃない。分身が1体消される間に3体を倒すことができた。


 奥に進むとモグラのレベルが183に上がり、常時2体が固まっている。それらを倒してさらに奥に進む。183のモグラが3体固まっているゾーンを過ぎると洞窟の先に階段が見えた。10段ほどの階段だ。


「どうみてもダンジョンだよな」


「主、階段を登って上を探検するのです」


「ガウガウ」


「そうしよう」


 階段を上がるとそこは広場になっていた。奥にはさらに上に登る階段が見えている。階段以外に魔獣の姿もあちこちに見えている。その広場にいるのは茶色のオーク。レベルは185だ。一気に2つレベルが上がっている。広場は印章NM戦のフィールドかそれよりも少し大きくて、そこにはざっと見て10体以上のオークが徘徊していた。どう見てもリンクするよ。


 さてどうするか。このまま広場を攻略して階段を上に上がるか、それとも一旦戻って右のルートを進んでみるか。従魔達は階段で大人しく待っている。


「広場の敵を倒しながら奥の階段を上がってみよう」


「ガウ」


「みよう、なのです。主、突撃なのです」


 その声でクルミが魔法壁をかけてくれた。俺が広場に一歩踏み出すと後から広場に上がった従魔達が待ってましたとばかりに魔獣に襲いかかる。レベルが185に上がっているけどそれでも格下なのは間違いない。タロウとリンネは物理と魔法で次々とオークを倒していく。俺は刀でオークを切って倒していく。クルミは俺の後ろからついてきていた。


「敵を全部ぶっ倒してやったのです」


「ガウ」


 広場にいた10体ちょっとの数のオークを倒し切った。リポップするんだろうけど今はがらんとしている。


 その広場の奥にある階段を登るとまだ洞窟になっている。少し歩くとオークが襲ってきた。茶色のオークだけどレベルは186になっている。単体なので倒すのは難しくない。奥に進みながら2体ほど倒したが洞窟はまだずっと奥に伸びていた。ここから見る限りは分岐はなさそうだ。


「一旦戻って今度は分岐を右に行ってみよう」


 右のルートもある程度探検した方がいいだろう。


「はいなのです」


「ガウ」


 一旦分岐まで戻ってから、今度は右のルートを進んでみたが左のルートと全く同じだった。出てくる魔獣の種類、レベルも同じ。階段を上がったところの広場にいるオークの数も同じ。これじゃあどっちが正解のルートかまだ分からないな。


 どっちも正解?いや、流石にそれはないだろう。


 ただ言えることはあの洞窟はダンジョンだということだよ。となると最深部にはボスがいるはずだ。


 自宅に戻った俺は洞窟の様子をグループメッセでいつもの4人に送ってからログアウトした。


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