表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テイマー忍者 〜ソロ忍者は従魔と共に駆け回る〜  作者: 花屋敷


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

325/358

新しい街

 翌日、ログインすると小屋の中だった。すぐにその場でタロウとリンネとクルミを呼び出す。現れるとすぐに俺のそばに寄ってくる。彼らを撫でまわしながら小屋の中を見るが、小屋には誰もいない。


「十分休んだかな?」


「ガウ」


「ばっちりなのです。タロウとクルミもばっちりなのです」


「よし、じゃあ行こう、まずは北に進んで森を抜けるぞ」


「レッツゴーなのです」


 小屋を出ると歩きながら森の中を北に進む。雪男のレベルは114、さらに進むと115と高くなっていく。相変わらず木々の向こうから魔法、弓矢が飛んでくるがタロウとリンネが敵を見つけると走り出して攻撃をするので相手の遠隔攻撃はせいぜい1度だけ。避けるか蝉で躱しながら敵に近づいて刀を振って終わり。


 こんな調子で小屋を出てから3時間程で森を抜けた。雪男は115が最高レベルだった。ここからは北東方面に向かって進んでいかなければならない。ソリに乗って一気に行く手もなくはないが、レベルが高い敵もいるだろうし自分の足で進んでいくことにする。従魔達にそう言うと納得してくれたよ。


「分かったのです。敵をぶっ倒しながら進むのです」


 タロウの背中に乗っているリンネが言った。同じ様に背中に乗っているクルミがそこでジャンプをする。お前達は楽でいいよ。


 相変わらず細かい雪が降り続いている雪原だけど森の南側と北側では景色が違う。雪原の街から森までのエリアは本当に雪原で所々に雪が積もっている低木があるだけだったけど、森を抜けた先のエリアは起伏が大きい、その上にあちこちに岩がある、雪を被って盛り上がっているので最初は何か分からなかったけど、近づいて見ると雪に覆われている岩だ。人の背丈ほど盛り上がっている岩や、背丈の半分ほどの岩など様々だよ。起伏があり、雪が積っている岩がある雪原の中を北東方面に進んでいく。


 歩いているとタロウとその背中に乗っているリンネが同時に声を出した。クルミもタロウの背中から雪の上に飛び降りた。


「ガウ」


「敵がいるのです」


 すぐにクルミが魔法壁を作ってくれる。俺も空蝉の術を唱える。準備を終えて歩くと雪をかぶっている岩だと思っていたものが起き上がった。このエリアで初めて見る魔獣だ。彼らは雪の雪原に座っているので遠目に見ると雪を被った岩に見える。それが近づくと起き上がると棍棒を振り上げて襲ってきた。雪男よりも一回り大きい。


(スノウオーク レベルは116です)


 なるほどオークの雪バージョンね。タロウとリンネがいなかったら相手に先制攻撃されていたかもしれない。ただこっちは準備万端だよ。


 雪男は魔法と弓矢だったがこいつは物理だ。体力は多いけど俺たちの敵じゃない。スロウの魔法が命中し、タロウの蹴り、リンネの火の精霊魔法、俺の刀、少し時間はかかったけど危なげなく倒すことができた。


「タロウ、リンネ、クルミ。この調子で頼むぞ」


「ガウガウ」


「任せろ、なのです。クルミもしっかりと敵を見つけているのです」


 その通りだよ。俺が気が付かない間にクルミの気配感知能力もしっかりと成長していた。


 雪原には岩もあれば獣人もいる。どちらも雪をかぶっているのでパッと見た限りだと岩か獣人か分からない。あとで情報クランから聞いた話だと、プレイヤーが数メートルに近づいたところで突然起き上がって攻撃をしてくるし、時にはわざとやり過ごして背後から攻撃してくることもあるらしい。


 その時はそんなことは知らないし、何より従魔達が先に敵を見つけてくれるので危ない場面がない。北東に歩きながらセーフゾーンで聞いた適正レベル117以上と言っていた言葉に納得する。


 景色が変わらない中、北東に進んでいるとスノウオークのレベルが117に上がった。時間から見てもう1つか2つくらいレベルが上がったところに次の街がありそうだ。


 ここら辺りから攻略の難易度が上がった。まず、雪原にある岩の数が増えた、それに合わせて117のオークが複数体同時に俺たちに襲いかかってくる様になった。雪原の上に多数の雪を被った岩が転がっていて、その間を進んでいくのだが、今まではその岩に擬態しているスノウオークが1体だったのが、同時に2体起き上がってくる様になった。しかもレベルが118に上がる。


「ガウ」


「主、敵が2体いるのです」


 戦闘準備をして歩いていくと前方の左右の岩が同時に起き上がった。気配感知がないとこれは厳しいだろう。岩はそこらじゅうにあるので左右どちらかに迂回しようとすると相当離れないといけないし、離れた場所に岩がないという保証もない。なのでそのまま進んで行くしかないのだが、近づくと岩に擬態していた魔獣が起き上がって攻撃してくる。


 俺たちはタロウに1体を任せて個別で倒していくので危ない場面がない。そのまま北東に進み、最後は119のオークを2体倒した先に次の街の外観が見えてきた。そこは今までとは全く違っていた。


 ゲームだからできるんだろうけど、雪原の中にとんでもなく大きな1枚岩があり、街はその岩の上にあるんだよ。街がすっぽりと乗る岩ってどんたけでかいのかと思いながら近づいていくとその岩の大きさがよりはっきりと見えてきた。めちゃくちゃでかい。


 街が乗っている岩の高さというか厚みは10メートルはあるだろう。これ、どうやって登るんだ?と思って左右を見ると雪原の上に大きな東屋の様な木の建物があり、その中に転送盤があった。それも1個じゃない、5つある。


「主、あれに乗るのです?」


「そうじゃないかな。行ってみよう」


 どれに乗っても同じなのかなとまずは1つ乗ってみた。すると、いきなり俺たちは岩の上に転送された。従魔も一緒に転送されたので安心したよ。


 飛ばされた先も東屋の中にある転送盤で下と同じく5つある。どれに乗っても同じなんだろう。その前には城門があった。振り返ると下の方に乗ってきた転送盤がある東屋が見えている。この岩の上にある街には高い城壁がない。50センチほどの高さに石を積んだ城壁らしきものが岩盤の周囲に積まれている。街が岩の上にあるから城壁はいらないという設定なのかな。


 そのまま街の中に入ると、すぐにクルミがポンチョを着ろと言ってきた。着るとフードに飛び込んだよ。入り口から大きな通りが奥に伸びている。雪原の街と同じでここも街の中では雪が降っていない。


 俺たちは通りを歩いているNPCのおばちゃんを見つけると声をかけた。


「こんにちは」


「こんにちはなのです」


「ガウガウ」


「プレイヤーさんかい、こんにちは」


「俺たち、今この街に着いたんですけど、この街は何という街なんですか?」


「ここかい。ここは岩盤の街だよ」


「凄い場所にありますね」


「そうだろう?最初に来た人は皆びっくりするよ。でもここなら外から魔獣が入ってくることもないから安心なんだよ」


「なるほど」


 お礼を言ってからまずはプレイヤーズギルドに顔を出した。転送盤を登録しないと。ギルドの扉を開けて中に入ると2組程のプレイヤーがいた。


「上忍のタクだ」


 と言う声がする。タロウは目立つし忍装束を着ている俺の上にリンネが乗ってると丸わかりだよな。名前が知られてるのにはもう何も思わないことにしている。奥の転送盤の登録をしようとホールを歩いていると声をかけられた。


「タクと従魔でこの街に着いたのかい?」


「そう。今着いたんだよ」


「レベルを聞いてもいいかな?」


「115だよ」


 俺が言うとホールにいたプレイヤーから声が上がる。えげつないな。とか115でソロで来れるのかよ。とか言っている。従魔がいるからソロじゃないだけどね。


「主は強いのです。当然なのです」


 頭の上に乗っているリンネが言った。


「従魔が優秀なんでね」


 そう言って誤魔化しながら頭に乗っていたリンネを抱き抱えて撫でてやる。これ以上変なことを言われたら困るからな。登録が済んでギルドの受付のNPCに聞いたらこの街では家は売っていないが借りることはできると教えてくれた。岩の上という限られた敷地なので家を売ることはしていないのかもしれない。


 俺はマップ作成クエストを受けると、教えてもらった不動産屋に行く前にいつも通りこの街のテイマーギルドを探す。岩盤の上にある街といってもその岩盤が広いから結構歩かされる。プレイヤーズギルドから10分程歩いたところにテイマーギルドがあった。受付の猫族のNPCの2人の名前はエレラさん、ルメロさん。


「3体の従魔もすっかりタクさんに懐いていますね」


「クルミちゃんもマックスになってますよ」


「それはよかった」


「ガウガウ」


「タロウもクルミもリンネも皆、主が大好きなのです」


「そうなんだ、良いご主人にお仕えしてよかったね」


「はいなのです」


 皆尻尾を振っている。クルミとの親密度もマックスだと聞いて安心したよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ