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東の洞窟

 3日間ほど東門から出て進んだところにいるホワイトウルフを相手にしているとレベルが1つ上がって101になった。従魔達に変化はないけどレベルアップ分強くなっているのは間違いない。


「また強くなったのです」


「ガウ」


「そうだな。とりあえずは115を目指すぞ」


「はいなのです。敵を倒しまくってやるのです」


「ガウ」


 相変わらずの戦闘狂だ。


 雪原の街もプレイヤーの数が増えてきた。彼らも115まで上げないと装備を更新できないので今は雪原の街から出たところのエリアには多くのプレイヤーがいる。


 この日は午前中に俺たちは南門から外にでた。北と東と西は外にでても一面雪景色でそこには多くのプレイヤーがいる。南門は前のエリアから飛んだ先の洞窟から街まで道が伸びているが、今日は途中でその道から外れて山裾を東に進むつもりだ。


 道を歩いていると反対側からプレイヤーの集団が歩いてきた。洞窟方面から来ているのでエリアボス戦に勝利したんだろう。近づくとタロウちゃん、リンネちゃん、クルミちゃんだという女性の声がする。従魔達は名前が売れているよ。


「こんにちは」


 先頭を歩いていたパラディンのプレイヤーが挨拶をしてきた。狼人のパラディンだ。


「こんにちはなのです」


「こんにちは。エリアボス戦に勝利したの?」


 俺よりもリンネの方がアクションが早い。


「そうなんだよ。3度目の挑戦でやっと勝ったよ」


「そりゃよかった。おめでとう」


「新しい街は、この道をまっすぐ行けばいいんだよな?」


「その通り、丘の向こうに街があるよ」


「ありがとう」


 こうして毎日の様に多くのプレイヤーがエリアボス戦に勝利して新しいエリアにやってくる。そういえば運営にクレームしたとか言ってたな。あの人たちはどうなったんだろうか。ゲーム的に絶対無理という設定にはしてないはずだし。何回かやればコツを覚えて勝てるんだけどね。


 山裾に着いたけどさっきすれ違った人たち以外には誰とも会わなかった。雪が積もっている山は東西に伸びている。


「とりあえず東に行ってみようか」


「みようか、なのです」


「ガウ」


 右手に山を見ながら進んでいく。最初はレベル103の一角ユキウサギ。しばらくするとそのレベルが104に上がり、さらに進むと105のホワイトウルフが出てきた。東門から真っ直ぐ進んだ時と同じだ。狼を倒しながら山の方を見てみるが今のところ洞窟や山道などは見られない。時に105のホワイトウルフが2体固まって襲ってくるんだけど、それでも問題ないね。従魔達がガンガン魔法や蹴りで倒してくれる。俺も刀を振って攻撃しているけどダメージソースはタロウとリンネだな。


「このまま進んでいくぞ」


「レッツゴーなのです」


 雪原の街を出てから5時間程過ぎている。フィールドの魔獣はホワイトウルフだが、そのレベルが107になっていた。ライバルがいないし経験値稼ぎには良い場所だよ。魔獣のレベルは107だけどこっちは101で装備系を入れるともっとレベルが上がっている。なので107を相手にしても問題ない。人が少ないここらは良い狩場になるかもしれない。街からは遠いけどタロウの背中に乗ってくれば時間が短縮できそうだ。


「もう少し進んでから帰ろうか」


「ガウ」


「了解しました。なのです」


 クルミもタロウの背中でジャンプしている。うん、OKだな。

 雪原にいるのは107のウルフだが、東に進むとレベル107と108が混在するエリアになった。ただ彼らを倒しても印章はたまにドロップするんだけど強化をする為のアイテムは全くドロップしない。


 その後も敵を倒して東に進んでいくと、山裾に大きな洞穴というか大きな穴が開いているのが目に入ってきた。雪原の街を出て敵を倒しながら5時間半程経った場所だ。周辺のウルフのレベルは108になっていた。洞穴は近づかないと見つからない場所にある。


「行ってみよう」


「みよう、なのです」


 近づくと洞窟の入り口に柵がある。

 中に入ると奥が広い洞窟になっていた。天井も高い。そしてなんとその広い洞窟の中に小屋がった。小屋は雪原の街と同じ石を積み重ねた石作りだ。柵は一部が開いていてそこから中に入る。すぐにクルミがタロウの上にのって俺を見ながら何度もジャンプしてきた。


「分かっているよ」


 ポンチョを着るとすぐにジャンプしてフードの中に飛び込んだ。お前本当にそこが好きだよな。


 中に入って洞窟の奥を見たけど行き止まりになっている。ここからさらに奥に進んでいく坑道は見えない。俺たちが小屋の入り口の扉を開けて中に入ると受付があってそこに人族のNPCの女性が2人いた。


「こんにちは」


「こんにちはなのです」


「ガウガウ」


「こんにちは。プレイヤーさんですね。いらっしゃい」


「ここはセーフゾーンですよね?」


「セーフゾーンとは少し違いますね」


 ん?違う?でも確かにいつもなら「ここは元気になる場所なのです」というリンネが何も言わないよ。


 NPCが説明してくれた。ここは『東の洞窟』と言う場所で、この中にいるだけでは回復はしないそうだ。そのかわりにこの小屋の奥に転送盤があり、ここと雪原の街のプレイヤーズギルドとの間の転送サービスをしているそうだ。そう言われて小屋の奥の隅を見ると確かに転送盤がある。


 体力や魔力は回復しないけど、入り口の柵の内側、洞窟の中は安全で外から敵が入ってくることはないと教えてくれた。そういう意味では安全なエリアと言える。


「奥にある転送版に乗って登録すると次回からは雪原の街のギルドの転送盤を使って直接ここに来られます。転送は片道1回2,000ベニーで端末から自動で引き落とされます」


 有料なんだ。聞いたら従魔も1体につき2,000ベニーかかると教えてもらった。当然といえば当然か。


 あとはここで簡単なご飯やポーションなんかも売っているし、アイテムの買取もできるそうだ。と言うことはここは雪原の東方面の探索の拠点になるのかな?


「えっと、雪原の街から転送で来られるのはこの『東の洞窟』だけですか?西にも洞窟があるんですか?」


 名前からしてひょっとしたらと思って聞いてみたら、『西の洞窟』というのもあるそうだ。雪原の街から山裾を西に進んだところにある洞窟の中にあり、こことほとんど同じ造りをしていると教えてくれた。東西の探索の起点になっている場所ということは、どちらかの洞窟から次の街を探せということなのかな。


 聞いてみるとそれは教えてくれなかった。自分で探せということだな。次の街に続く拠点とも言えるし、単なるレベル上げの時の拠点という見方もできるな。東西に2つあるというのが引っかかるんだよな。次の街への拠点としたら2つの場所が正反対だもの。


 とにかくここは登録しないと。俺はNPCにお礼を言うと従魔達と一緒に転送版に乗った。


 『雪原の街に転送しますか?転送すると8,000ベニーが端末から引き落とされます』


 『はい』をタップした次の瞬間、俺たちは風の街のギルドの転送版の上にいた。ギルドの中は多くのプレイヤーが集まっていた。俺たちを見ると一斉に視線が注がれる。タロウやリンネがいるからだけど、皆一斉に見られたら緊張するよ。


 いそいそとギルドを出ると雪原の街にある別宅に戻ってきた。別宅に戻ると庭を通って隣の攻略クランの別宅を覗いてみた。誰もいない様なので俺たちは別宅から自宅に戻った。ランとリーファが寂しがっているだろうかれね。


 自宅に戻ると5体の従魔達が庭で遊び出した。タロウもリンネもクルミもちゃんと分かってるんだな。ランとリーファと一緒に遊んでいるよ。


 縁側に座っていつもの4人にメッセージを送るとその数分後に端末が鳴った。


「主、お電話なのです」


「うん、ありがと」


 相手はクラリアでメッセージを見たのでこれからそっちに向かうという。


「お友達がやってくるのです?」


「うん、いつもの4人だよ」


「主、お茶と果物の支度をするのです」


「おう、そうだな」


 リンネがまるで小姑みたいだ。


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