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島のダンジョンクリア

 

 ボスからのドロップ品を確認した俺たちはダンジョンの入り口に戻った。クリアしたことを島のヌシに報告しないと。


 岩場からダンジョンに入るといつもの場所に島のヌシが佇んでいた。


「ダンジョンをクリアしてきました」


「してきました。なのです」


「ガウガウ」


「見事じゃ。あの大きなヤシガニを倒したのだな」


 ヌシの言葉に頷く俺。従魔達もそうだと言わんばかりに尻尾を振っている。


「お前達の前に2組挑戦したが時間切れで追い出されたと言っていたぞ」


 2組、おそらく情報クランと攻略クランだろう。そうか時間切れだったのか。クルミのダメージバックの差か?それもあるけど、煙玉の効果で狂騒状態になる前に俺とリンネが腹の下から刀と魔法を撃ったことがでかいんじゃないかな。


「主が一番乗りなのです」

 

 リンネが言うとヌシがその通りだと言ってから何が出た?と聞いてきた。俺は出たアイテムをヌシに報告する。お金以外は全てヌシであるランドトータスという名前が頭に付いているアイテムなんだよな。


 ドロップ品を報告しながら効果を聞いてみたけどやっぱり教えてくれない。速度ダウンがどれくらいなのか、攻撃力アップはどれくらいなのか。とかいった数値的なものはとことん隠してくるんだよな。プレイヤーで検証しろということだろう。


「そしてランドトータスの加護というアイテムが出ました」


 俺がそう言うとヌシが大きく頷いた。


「それはボスを最初に倒したプレイヤーだけが手にいれることができる勲章の様なものだ。大事に持っていると良いだろう」


「わかりました」


 ヌシがこう言う言い方をするってことは、これを持っている事で何かが起こるということだ。


「ダンジョンはボスを倒すとまた最初からの攻略になる。ただボスに行くまでのルートは変わらない。欲しいアイテムがあればまた挑戦すると良いだろう」


 最初にダンジョンにやってきて卵をもらって、今回また最初にダンジョンをクリアして加護をもらった。ラッキー以外何ものでもないな。


「分かりました。色々ありがとうございました」


「ありがとうなのです」


「ガウガウ」


 島のヌシにお礼を言って俺たちはダンジョンがある洞窟を出ると、そこで転移の腕輪を使って開拓者の街の自宅に戻った。


 自宅に戻って従魔達が遊んでいるのを見ながらグループメッセでダンジョンボス戦に勝利したという連絡を入れると、そう時間をおかずにいつもの4人がやってきた。


「縁側じゃない部屋がいいな」


 入ってくるなりスタンリーが言ったので洋室に案内する。マリアも今日は少しだけタロウを撫でて部屋に入ってきた。大事な要件であってもタロウを撫でるのは彼女のルーティーンだよ。俺たちが洋室に入ると従魔達も部屋に入ってきたよ。頭の上にクルミ、膝の上にリンネ、両肩にランとリーファ、そして椅子の横にタロウがいる。


「タク、討伐時間を教えてくれるかい?」


 席に着くとスタンリーが聞いてきた。


「27分40秒だったよ。島のヌシに聞いたらそっちはどちらも時間切れだったんだって?」


「そうなのよ。もうあと少しと言うところだったと思うの」


「クラリアの言う通りでね。スタンリーに聞いたら攻略クランも俺たちと同じ様で、あと少しで倒せたという感覚があると言ってる」


 トミーの話を聞いて顔をスタンリーとマリアに向けるとそうなんだよ、あと少しだったのは間違いないと頷いている。彼らは今回が2度目だし、狂騒状態からの時間とか彼らが与えたダメージから想像できるんだろう。俺には無理だよ。


「タクの戦闘について教えてもらえる?」


 もちろんと俺とタロウとリンネ、クルミで挑戦したボス戦の時の話をする。じっと聞いていた4人。俺の話を聞き終えると皆なるほど煙玉かと声を出した。


「俺たちはボスのヤシガニが狂騒状態になるまでは下腹を攻撃しなかったんだよ。通常攻撃でダメージを与えて、狂騒状態になったところで作戦通りに下腹を攻撃した。予想通りボスの下腹は柔らかいのでダメージがしっかりと通る。行けるぞと思って攻撃していたら強制退室になった」


「通常攻撃の時から煙玉を使ってお腹にダメージを与えて体力を削った事で早い時間で狂騒状態になった。それによってボスの弱点を攻撃する時間が増えて倒せた。こんな理解でいいのかしら?」


 スタンリーとクラリアが言った。その通りだよ。煙玉は港の街の島側の忍具店で売っているよ言うと彼らも次はそれを準備することになった。1個5万ベニーするけどその価値はあるよ。


「目眩しとして煙玉は有効だよ。攻撃が止まるし煙を払おうと身体を反るからチャンスになる。俺たちが一斉に攻撃したら、その直後に狂騒状態になったよ」


 いかに早い時間で狂騒状態に持ち込むかがあのボスの攻略の肝になるな。通常状態で腹に攻撃するためにも煙玉は必須になるだろう。そう言っている4人。


「それ以外にクルミのダメージバックの蓄積もあると思う。実際に戦闘を2回して思ったのは、1人がしっかりとボスのタゲをとってキープし、他のメンバーは下腹の攻撃に集中するってこと。固い甲羅や爪を叩いてもそれほどダメージを与えられないと思うんだ」


 彼らもボスの固い場所をいくら攻撃してもそれほどダメージが与えられていないだろうと言う見方だ。


「煙玉を使うと難易度が下がりそうだな」


「間違いない。俺は煙玉を2個使ったけど、もっと使ったらもっと効果があるかどうかは分からない」


 目眩しができればその間に前衛と魔法使いで腹に攻撃ができるし、パラディンに対する神官のフォローも少しでも楽になるんじゃないかとスタンリー。


 4人でボス戦の攻略方法に付いて話をしているのを聞いている俺。聞いている感じだけど3度目、次やったら両クランとも勝つだろうな。4人で意見交換をしてある程度の方針、作戦が決まったタイミングでクラリアが俺に顔を向けた。

 

「それでドロップについて教えてくれる?」


 俺はドロップしたアイテムをテーブルの上に置いた。皆がそれに注目する中、その効果について報告する。加護は取り出せないんだよな。


「ランドトータスの加護というアイテム以外で5人のダンジョンボス戦で3アイテムとベニーがドロップか。個数的には多くもなく、少なくもないな。それにしても靴はパラディンにはいい装備じゃないか」


「パラディンはもちろんだけど、ハンターにとっても良い装備になる」


 トミーとスタンリーが言った。俺が思っているのと同じだ。

 指輪についてもパラディンには良い装備だろう。もちろん前衛全ジョブに良い装備であることは間違いない。


「スカーフが装備品扱いなら今装備しているものに加えて新しく首装備が出てきたってことね。後衛にとってはいいんじゃない?マイナスの効果もないんだし」

 

「その通りね。魔力が増える装備を積み重ねできるメリットは大きいわ」


 クラリアとマリアが言った。


「そのランドトータスの加護。用途はわからないがダンジョンボスを最初にクリアした報酬で島のヌシが持っていると役に立つだろうと言っている。先のエリアでこれが効いてくるってことなんだろうかな」


「タクってそう言うの多いわよね」


「たまたまじゃないの」


「加護だろう?それってひょっとしたらタクの能力アップの効果があるんじゃないか」


 トミーが言うとその可能性はあるぞとスタンリーも言う。

 それまで静かにしていたリンネが膝の上でミーアキャットポーズになって4人を見た。


「主はいつも一番なのです、特別な品物を手にするのは当然なのです」


「ガウガウ」


 リンネとタロウがそう言っている。タロウが横になって尻尾をブンブン振っている時は大抵リンネの言う通りだと言ってるんだよな。


「リンネちゃんとタロウちゃんが頑張ったから大きなヤシガニさんに勝てたのよね」


「はいなのです。主がお腹を狙ったのでリンネもそうしたのです。タロウもクルミも頑張ったのです」


「俺が何も言わなくても咄嗟にしてくれるから助かってるんだよ」


「本当に優秀な従魔達だな。クルミの15%のダメージバックも相当でかい」


 言われたクルミが俺の頭の上でジャンプしている。


「タクが使える装備は少ないが、普通のパーティなら靴もスカーフも十分に使える装備になる。もちろん指輪もだ。次は序盤から下腹を狙ってボス戦に挑戦するよ」


 彼らはレベル99でこのエリアの上限だ。装備関係もフルに強化している。作戦さえ間違えなければ勝てるボス戦になっているはずだよ。


「俺たちは明日か明後日にボス戦に再挑戦するつもりなんだよ。タクはどうするんだ?」


「レベル上げをするつもり。今97だから99には上げたいよ」


「加護について何か分かったら教えてくれる?」


「了解」



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