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クルミの身体が光った

 自宅に戻ってグループメッセでダンジョンの様子を送ってログアウトをした翌日ログインすると連絡が来て、それからそう時間をたたずにこの日の活動前だといういつもの4人がやってきた。


「きつそうだな」


 挨拶が終わるとスタンリーが言った。


「きついよ。俺のレベルが87。そのレベルで96のトカゲ3体、97の1体の相手はきつかった。ギリギリなんとか倒せたってところだよ」


「バンダナ12段階強化、HQの装備、一部だけとはいえ強化している武器。それを持ってしてもギリギリか」


 攻略のルートや敵のレベルについてはこの4人にはメッセージで状況を説明済みだ。


「まだ最奥まで辿り着いていないけど、敵のレベルを考えると第5、第6ワープから先はワープがないかもしれない。ここから先は自力で進まないといけない気がするんだ」


 俺が言うとボスの近くまで飛んで行けることはないだろうし、そのとおりかもしれないぞと4人が頷いてくれた。


「最奥でレベル100とすると、ダンジョンボスは110くらいかしら。1パーティ限定のダンジョンでそのあたりと考えると難易度が高いな」


「エリア上限が100かもしれないわね」


 マリアが言った。久しぶりにタロウを撫で回して満足したのか、スッキリとした顔をしているよ。


「このエリアで3つ目の街まで到達し、そこでしっかりと上限までレベルを上げて、同時に装備も6段階強化し終えたプレイヤーを基準として島のダンジョンボスの強さを決めている可能性があるかも」


 クラリアが言った。思いつくことを言い合うのはいつものことだ。


「いずれにしても俺自身のレベルを上げないと奥には進めない。幸いに第5ワープの先からは、倒すと結構な経験値が入ってくる敵のレベルになっている。当分そこでレベル上げをするよ」


 ダンジョンの話をした俺は、今度は彼らの話を聞いた。情報クランも攻略クランもレベルが92になっている。


「北門、南門から入る山の中の坑道というか洞窟は幅が広くていかにもレベル上げの狩場といった雰囲気だよ。中にいる敵はトカゲで奥に進むとそれに加えて獣人のオークが出てくる。入り口付近の敵のレベルが93、進むとそのレベルが上がる。坑道を進んでいくととてつもなく広い広場に出る。そこに徘徊している敵は見える範囲で95だ」


「どちらの門から出ても大体同じ作りになっているんだよ。今俺たちも大きな広場の入り口付近で広場の手前にいる94の敵を倒して経験値稼ぎをしている。広場は広すぎて奥が見えないが、おそらくまた洞窟が伸びているんじゃないかと予想しているんだ」


 スタンリーとトミーが言った。クラリアとマリアも北門と南門は完全にプレイヤーのレベル上げの場として作っていると言っている。狩場を分散させているんだろう。


「ダンジョンで96を相手にしているレベル87のタクの方が俺たちよりも実質高いレベルってことになるぞ」


「当然なのです」


 スタンリーが言うと俺の膝の上に座っているリンネがそう言った。


「リンネは当然だと言ってるけどさ、実際ギリギリの戦いだよ。無理しているのは間違いないので、奥の探索は一旦中断し、ダンジョンで経験値を稼いでこっちが90になったら奥に進んでみようと思ってる」


 俺がそう言うと、4人がダンジョンは任せたと言った。彼らは引き続き街の周辺で経験値を稼ぐ方針らしい。


「次の街への探索をするためにもレベルを95まで上げるのが今の目標。多分3つ目の街も山沿いにあると思うの。なので95になったら街から山裾に沿って北を目指してみる」


 普通に考えたら4つ目の街は北の山の裾のどこかだろう。エリアの上限が100と予想して95ならなんとかなると言うことなのだろうな。最後はこの2パーティでアライアンスを組んで突撃する手もあるだろうし。


 クラリアが教えてくれたが、すでに数組のプレイヤーが山辺の街に到着してそこで活動をしているそうだ。


「街の周辺の敵のレベルが93だと公開していることもあって、1パーティで攻略するとなると、レベル90が必要になるという認識みたいね。パーティ単位で山辺の街に到着しているパーティはほとんどが90、1組だけ89で到達してるの。あとはアライアンスを組んで来ているパーティもいる。彼らは87とか88。とりあえず新しい街の転送盤だけ登録しようという考えみたい」

 

 どうやって攻略するかを考えるのもゲームの楽しみだよ。


「当たり前の話だけどレベルを上げないと攻略ができない。その後は、坑道を進んだ奥にある広場の先がどうなっているのか、街から北方面はどうなっているのか。情報クランとも相談しながら活動をするつもりなんだ」


 レベル上げはゲームの基本だ。こっちもレベルを上げないとダンジョンの攻略が進まない。彼らとしてはまずレベルを上げ、このエリアを攻略する。攻略の中身はと言うと、新しい街を見つけることと、山辺の街の2つの坑道を奥まで探索すること。そしてダンジョン。これらを進めている間にエリアのレベル上限に達するだろう。当然装備は6段階強化させる。こう言うことらしい。


「そこからエリアボスに挑戦するのもいいが、バンダナ狙いで木のダンジョンにもう一度挑戦するのもありかなと思っているんだ。別にいつも俺たちが最初に新しいエリアに行く必要もない。他のプレイヤーが挑戦して勝てばそれでいいしな。それに、バンダナを持っていると新しいエリアでも間違いなく有効だろうし」

 

「タクが攻略しているダンジョンにも挑戦しないといけないしな。次のエリアにこだわる理由がないよ」


 スタンリーの後でそう言ったトミー。皆ゲームを楽しんでいるよ。もちろん俺も楽しんでいる。今は島のダンジョンを攻略しているけど、こればっかりやるつもりは無い。


 ただ今のレベルじゃこのエリアで十分に楽しめない。そのレベル上げをダンジョンの攻略をしつつ進める作戦というか方針だよ。NQ装備の強化だってまだ終わってないしね。


 彼らと別れて、自宅で畑仕事をしてから島のダンジョンに飛んだ俺たちは第5ワープから奥の通路を行ったり来たりしながら敵を倒して経験値を稼ぐ。2日後に88、そしてそこから2日後にはレベル89になった。


「レベル90までもうすぐだぞ」


「はいなのです。強くなるために頑張るのです」


 さらに毎日の様にダンジョンの第5ワープ付近から奥を狩場にして経験値を稼いでいた俺たち。目の前の96のトカゲ1体を倒したところでレベルがアップした。レベル90に到達したぞ。


 と同時にクルミの身体が光った。


(クルミはどうなった?)


(はい。クルミはレベルが上がったことで魔法壁の効果が15%になりました。有効時間は30分で変わりません)


 15%になったのか、それはすごいぞ。

 クルミも自分が強くなったのがわかっているのだろう。その場でジャンプして一回転をしているよ。


(タロウとリンネは変化はないんだね?)


(はい。レベルアップ分の能力アップだけです)


 AIのミントが答えてくれる。タロウとリンネもレベルアップで強くなり、クルミのダメージバックが15%になった。俺もレベルアップ分強くなった。


 レベルが上がったことで今まで倒していた96のトカゲの討伐が楽になった。奥に進んで2体に挑戦してみたが以前よりもずっと楽だ。クルミのダメージバックがよく効いているんだよ。2%のアップは大きいぞ。クルミを褒めてやるとバク転をして大喜びしてくれる。


 俺たちはしばらくそこで経験値を稼ぐと第5ワープからダンジョンの入り口に飛んだ。クルミがレベルが上がって強くなったことを島のヌシに報告する。


「カーバンクルが本当に強くなるのはこれからだ。引き続き鍛錬するとよいだろう」


「わかりました。ありがとうございます」


 今の話だとクルミにはまだまだ隠れている武器がありそうだな。それがレベル幾つで開花するのかは分からないが、楽しみだよ。


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