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もしもの冬にある結末を  作者: 糸伏
始まりの旋律を
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4話 近づく終わりは

私は雪が積もった道を歩いていると前に雪菜を探した街についていた。だけど街は前に来たときよりも活気が衰えていた。街の人たちも数が少なくなっていた。不思議に思い通りを歩いている人に声をかけてみた。


「あの、皆さんなにがあったのですか?」


「最近は戦争が多くて若い人たちは兵士として行ってしまっていて人が少ないんだ。」


ここにも戦争が迫ってきているんだ。だけど偽善を掲げて止めることなんて今の私にはできない。もう人を殺したくない・・・


「それに、最近ではここに兵士が逃げて隠れてるという噂もあるから、みんな不安で前みたいに元気ではいられなくなったんだ。」


「そうなんですか・・・」


ここまで街が暗いのは私のせいでもあるんだ。この争いを止めようとなんで思ってしまったのだろう。私は話してくれた人にお礼を言いそこから立ち去ろうとした。だけどその時街の中に轟音が響いた。街の人たちがみんな慌てた様子で何か叫んでいた。


「街の中に爆弾が落ちた!怪我人もたくさんいる、誰か手伝ってくれ!」


私はその時強い怒りが湧いた。私はやってはいけないことをしてしまったけどそれでもやっぱり許せなかった。人の命を偉そうに軽く見ている人たちが・・・


私は街を出て走り出した。雪もやみ太陽がでて、少しとけていた。私は雪菜が最初に案内してくれた花畑の建物に行った。だけど花畑のお花はすべて枯れていて。建物の扉も開けっ放しだった。中に入ってみると、家具はなくなっていて椅子だけがこちらに背を向けるような感じで置いてあった。だけど椅子には誰かが座っていた。誰が座っているの?ここにはもう誰も来る必要がないはずなのに。

そう考え始めたら椅子に座っている人に声をかけられた。


「やっぱりここにきたか。刺された後すぐに逃げられたから探すのが面倒くさかったんだよ。」


座っていた人は私があの時刺したはずの男の人だった。私は動揺を隠すようにしながら言った。


「何でここにいるの?あの時私はちゃんと刺したはずなのに。」


「そうだ。だが俺を殺すことはできない。俺もさあ俺はお前の処分を任されたもんでな。まったく上は面倒なことを押し付けてきやがって。さっさと用事を終わらせて報告をしなきゃいけないんだ。」


そう男は言うと剣を持ち襲いかかってきた。慌ててそれを避けて建物から逃げるようにして出た。でもよかった。私は人を殺したりしてなかった。その事実に少し安心したが男は私に切りかかってきてる。男はどこか怪我をしているみたいに動きに切れがなかった。だから避けれてる。だけどずっと逃げていればいつか私の体力がなくなって切られてしまう。だけどまたあの人を怪我させる気にもなれない。


仕方がなく避ける動作をしながら男の後ろに回り込み、さっきまで男が座っていた椅子を掴んで男のことを力の限り殴った。痛いだろうけど刺されても生きているこの男だったらこれでも死にはしないだろうと思って。だけど力が足りなかったのか男は倒れてくれず少し動きがふらついただけだった。また男は切りつけてきたが、眠りから覚めたように動きが鋭くなっていた。また気絶を狙うのは無理そうだった。私はずっと避け続けているうちに疲れてきて。剣が体に当たっていき血も少し流れてきた。


「動きも鈍くなってきたじゃないか。お前はもう攻撃しないのか?それともできないのか?」


そう言いながらも男は手を止めずに切りかかってきた。私は避けようとしたけれど体が動けずに片足に剣が当たってしまった。足から血がでて歩けなくなり、その間にも男は迫ってきていた。

ここで死んじゃったら争いを止めることができなくなってしまう。私は覚悟をその時決めた。初めて出された戦いのときからずっと持っていた銃を男に向けて引き金に手をかけた。

だけど男は私が撃てないと思っているのか近づいてくる。そして私は引き金を引いた。


弾は音速で男に向かってそのまま足に当たり男は倒れた。銃を撃ったあと少し手が震えていたけどこの男を拘束しないとまた私のところについてくると思った。だから私は持っていた包帯で足の傷を巻いて止血し男も建物の中に連れていき体を縛り付けた後少し疲れが出てきて、私は床に転がりしばらくの間休憩した。


しばらくすると体の疲れがとれたので私はどうやって争いを止めようか考えた。

おそらく争いの原因は私がいた施設の人たちだ。だけど私は施設の場所はわからない。どうやって行けばいいのか考えると男が報告とか言っていたのを思い出した。男の足を撃ったけどまだ意識はあって私が近づくと鋭い目で睨んできた。少し怖いけどそのまま近づき男が持っていた持ち物をすべて奪った。持ち物の内容確かめてその中にコンパスがあるのを見つけた。金色の豪華な装飾がされている高そうなコンパスだった。だけど建物にあったコンパスとは違い北ではない方向を指していた。もしかしてこのコンパスが指す方向に施設があるのかも。そう思い私は男の持ち物の中にあったライターとコンパスを持って、建物を出てコンパスが指す方向にあるき始めた。


しばらく歩いていると何か開けた場所に倉庫らしき建物が見えたので慎重に近づいてみた。見張りもいなくて、鍵もなかった。中に入ってみるとたくさんの箱がおいてあった。中身を見てみると男が使っていたものと同じような剣や銃があった。他にも爆弾まであった。

もしかするとここは戦争のための道具を置く倉庫なのかもしれない。だけどその割には見張りも鍵もなくて不用心な気がしたけど何もなかったのでまたコンパスの指す方向を目指し歩いていった。あまりの不用心さに設置された監視カメラにく気づかないまま・・・


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