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もしもの冬にある結末を  作者: 糸伏
始まりの旋律を
1/8

1話 **の始まり

 外はまた雪が降ってる。今日も外に出れない。昔は雪すらめずらしかったのに最近は毎日のように降ってる。

詩歩は一人で外の景色を眺めてた。この世界に私の親はいない。気づいた時からずっとこの施設にいた。施設の人は親のことを聞くといつも私を捨てていったんだと言う。だけどこの施設で悪くない生活をさせてもらっている。今日みたいに雪が降っていなかったらいつも外に出させてもらえる。ご飯も食べさせてもらえる。

 だけど私がもう少し大きくなったらこの施設で兵として働かなきゃいけなくなる。怪我したりするのは怖いけどきっと施設の人が優しく手当してくれる。だから何も怖くない。

ちょっと今みたいな生活ができなくなるのが嫌なだけだ。

それまでに今このなかなかないたくさんの雪の景色を記憶に残すだけだ。


 もう季節は秋だ。あと一ヶ月でこの施設を出て兵として働かなかいけない。

でもやっぱり怪我をしたり人を殺してしまうのが怖い。

だけどそうしないとこの世界に私の居場所がなくなるかもしれない。

だけど自分の代わりにこの世界から誰か人が消えるのも嫌だ。私はどうすればいいんだろう・・・

私なんかがこの世界から消えても誰も悲しまないかな。この施設から抜け出して私の居場所を作ろうかな。誰にも邪魔されずに一人で...

でもダメだ。この施設から抜け出しても施設の人に捕まるだけだ。今までも何人かいたけどみんな捕まってどこかに連れて行かれた。その後どうなったかはみんな知らない。じゃあやっぱり兵として働くしかないのか。

私の居場所をなくさないためにも他の人の居場所を壊すしかないんだ。


 それから一ヶ月がたった時施設の人が私を迎えに来てくれた。青に白がちょっと混ざったような色をしているめずらしい髪の人だった。


「詩歩。お前はこれから軍の施設に行き兵としての訓練を受ける。途中で逃げ出したり施設の情報を他の人に言わないよう。」


それだけ言われて私は手を引かれて連れて行かれた。少しも嫌だとはこのときは思わなかった。

 連れて来られた施設はきれいだった。施設に来て最初に剣と銃を持たされ使うための練習をさせられた。それから毎日外を走らされ銃や剣の使い方を教え込まれた。前の施設よりも辛く苦しかったけど、友達もいっぱいできた。

だけど何人かは戦争に行き戻ってこなかった・・・

 悲しかった。辛かった。毎日息をすることすら苦しかった。

こんなことから逃げ出して自由になりたいと何度も思った。だけどそうしたらもうお友達に会えなくなるような気がして出来なかった。私の一番仲がいい友達は雪菜っていう子だった。訓練をしたあとにたくさんお話をした。

雪菜はいろんなことを知っていた。遠い街のこと、お花の名前や意味もいっぱい知っていた。雪菜がいるから訓練も頑張ってきた。


 そんな楽ではないけど楽しい日々を過ぎていた時施設の人がやってきた。


「雪菜、出兵だ。準備をしろ。」


私はその意味を理解できなかった。雪菜が戦争に行ったら帰ってこれるのか。

そんなことは嫌だと私は必死にお願いした。


「雪菜だけは、やめてください。私が代わりに行くので. . .」


「ダメだ、お前はまだだ。呼び出しがあるまで待っていろ。」


私はまだ?じゃあなんで雪菜を連れてって私はダメなの?

そしてそのまま雪菜は連れて行かれた。何日も待ったけど雪菜は帰ってこなかった。

 そんな日から数日がたった時、前にいた施設の人がやってきた。


「詩歩、お前はこの兵たちの中でも特別な力がある。だから今から訓練をする。」


そう言われた。私が特別なら雪菜はどうなの?特別じゃないの?私だけが特別なの?

私はそのままどこかに連れて行かれた。連れてこられたのは変な部屋だった。外からしか扉を開けられないし、窓もない。


「ここで力の制御の練習をしろ。制御できるようになるまでここから出さない。」


そう言われて私は部屋の中に入れられた。


「私に特別な力があるってなんのことですか。教えてください。」


「お前は私が作ったのだ。最初から兵として1から作ったのだ。そしてその過程でお前という意識を組み込んだだけだ。お前は人ではないのだ。」


そう言われ混乱した。

私は人じゃない?じゃあ何なの。なんで意識なんかを私にくれたの!?

感情さえなければこんな苦しい思いもしなくてすんだのに。


「お前はわかっているはずだ。普通の奴らとは違うと。お前だけではない。他にも数は少ないが、お前みたいなやつがいる。お前が使えなければ代わりを使うだけだ。」


「はい. . .」


私は制御出来るまで力の使い方を教え込まれた。やっと安定して使えるようになったと思ったら、今度は応用の仕方を教えられた。教えられたことをすべて出来るようになったら部屋から出された。


「施設に戻れ。兵として出る日を待ってろ。」


私は施設に戻り夜闇の中一人で泣いた。


 その次の日私は兵として呼ばれた。


「お前が戦争に行き、敵軍に力を思い知らせろ。」


それだけ言われ私は戦争に送り出された。私は持たされた銃を片手に戦っている人たちに近づき銃を向けようとした。だけど・・・私は他の人の命を奪えなかった。この銃を人に向けることができなかった。私はどうしようもなくその中をあるきまわっていた。

 

そんな時敵の中にある人影が見えた。嘘だ!あの子があそこにいるはずない!そうおっ持ったけど自然と私はその人影を追いかけ探した。夢でいてほしかった。そう思っていたら雪菜が目の前にいた。


「なんで雪菜がそこにいるの!」


私は声を荒らげた。


「私はそっちにいたら人じゃなくなっちゃう。詩歩もこっちに来たら?そっちにいたらおかしくなるよ!」


雪菜は前みたいな口調で話しかけてくれた。だけど私は


「私は人じゃないの!だから雪菜と一緒にいれない。」


「そんなの関係ないよ!一緒にこっちで平和にいよう?」


私は何も言えなかった。私は雪菜に手を引かれてそのまま戦場を離れた。


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